共同宣言書 - 全国都市農業振興協議会

都市農業サミット共同宣言2013
都市及びその周辺における農地と農業は、新鮮で安全な農産物を
供給する重要な役割のみならず、緑地や水辺空間として、都市住民
の生活に潤いや安らぎをもたらすとともに、災害時には、避難場所
や延焼防止帯の役割も果たしています。さらに、雨水を保水する都
市農地は、ヒートアイランド現象の緩和など、市民生活に直結する
多面的な役割を発揮しています。
しかし、都市農地・農業においては、担い手不足という極めて憂
慮すべき課題を抱えていることに加え、都市化の進展により農地が
急速に減少していることなどが全国的な農業課題として危惧されて
います。
現在、都市農地・農業の維持・保全策として、相続税納税猶予制
度や生産緑地制度などの対策が図られていますが、農業用施設用地
や屋敷林に相続税負担軽減の適用がないなど営農者が十分に活用し
やすいものとはなっていません。農業を続けたい営農者は、相続税
や固定資産税等を負担するため、その都度、必要最小限、切り売り
して農地を手放さざるを得ず、この現状を放置すれば、都市農地・
農業は消滅するのではないかと強い危機感を持っています。
都市及びその周辺における農地と農業は、営農者だけでなく、都
市住民にとって極めて重要な財産であり、未来を担う子どもたちの
ためにも、現代社会に生きる我々がこの重要な財産を維持・保全し
ていかなければなりません。
都市と農地・農業が調和する住み良い環境づくりを強力に進める
ことは、我が国の都市と国土の未来に欠かすことができないもので
す。
よって、本日参会した関係者一堂は、都市の農地と農業の復権、
そして再生を図るため、力を合わせ全力で取り組むことを決意し、
ここに宣言します。
平成25年7月29日
全国都市農業振興協議会