財務情報の分析

財務情報の分析
(財務状況の全般的説明資料・経年推移の状況・財務比率による分析)
番号
比率名
算式(×100)
※評(▼低いほうがよい,△高いほうがよい,~どちらともいえない)
評 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 コ メ ン ト
1 人件費比率
人件費/帰属収入
▼
69.6
67.7
72.1
69.5
2 人件費比依存率
人件費/学生生徒納付金
▼
142.4
132.3
144.4
143.4
3 教育研究(管理)経費比率 教育研究(管理)経費/帰属収入
~
18.8
19
16.8
18.5
4 管理経費比率
~
8.9
10.1
9.9
9.8
5 借入金等利息比率
6 帰属収支差額比率
管理経費/帰属収入
借入金等利息/帰属収入
▼
(帰属収入-消費支出)/帰属収入 △
0
2.3
0
2.6
7 消費収支比率
消費支出/消費収入
▼
98.7
97.7
8 学生生徒等納付金比率
学生生徒納付金/帰属収入
~
48.9
51.2
0
1.0
99.7
50
0
人件費の帰属収入に対する割合を示す重要な比率である。
人件費は消費支出のなかで最大の部分を占めているため,この比率が特に高くなると,消費支出全体を大きく膨張させ
69.5 消費収支の悪化を招きやすい。また,人件費の性格上,一旦上昇した人件比率の低下を図ることは容易ではない。
なお,人件費の内訳科目である教員人件費や職員人件費の構成比率,一人当たりの人件費の実額等にも配慮する必要
がある。
136.8
人件費の学生生徒納付金に対する割合を示す関係比率である。
この比率は,人件比率及び納付金比率の大小により影響を受ける。一般的に,人件費は学生生徒納付金の範囲内に納
まっていること。すなわちこの比率が100%を超えないことが経営上では好ましい。ただし,学校法人種別や系統並びに規
模等によって,必ずしもこの範囲内に収まらない場合もあるが,低い値であることが望ましい。
教育研究(管理)経費の帰属収入に対する割合である。
18.8 この経費は教育研究活動の維持・発展のためには不可欠なものであり,この比率も消費収支の均衡を失しない限りにお
いて高くなることが望ましい。しかし,この比率が著しく高い場合は,消費収支の均衡を崩す要因の一つともなる。
9.5
管理経費の帰属収入に対する割合である。
学校法人の運営のためには,ある程度の経費の支出はやむをえないものとしても,比率としては低い方が望ましい。
借入金利息の帰属収入に対する割合である。
この比率は,学校法人の借入金等の額及び借入条件等によって影響を受けており,貸借対照表の負債状態が消費収支
0.05 計算書にも反映しているため,学校法人の財務を分析する上で,重要な財務比率の一つである。
借入金利息は,資金調達を他人資金に依存しなければ発生しないものであるため,この比率は低ければ低いほど良いと
される。
2.0
帰属収入から消費支出を差し引いた帰属収支差額の帰属収入に対する割合である。
この比率がプラスで大きくなるほど自己資金は充実されていることになり,経営に余裕があるものとみなすことができる。
このプラスの範囲内で基本金組入額が収まっていれば当年度の消費収支差額は収入超過を示すことになり,この範囲を
1.9 超えた場合は支出超過を示すことになる。
この比率がマイナスになる場合は,当年度の帰属収入で消費支出を賄うことができないことの反映であり,基本金組入前
で既に消費支出超過の状況である。マイナスが大きくなるほど経営は窮迫し,いずれ資金繰りにも困難をきたすこととな
る。
147.0
消費支出の消費収入に対する割合を示す関係比率である。
この比率が100%を超えると,消費支出が消費収入を上回る消費支出超過(赤字)となり,100%未満であると消費収入超
過(黒字)となる。一般的には,収支が均衡する100%前後が望ましいと考えられるが,消費収支を黒字にし資金蓄積を図
99.5
ることを計画するなら,低い値ほど目的に適うこととなる。
なお,この比率は,固定資産の取得などで,基本金組入が著しく大きい年度においては,一時的に急上昇することもあ
る。
48.5
9 寄付金比率
寄付金/帰属収入
△
0.3
0.6
1.1
0.7
10 補助金比率
補助金/帰属収入
△
31.3
33.9
33.3
38.1
11 基本金組入率
基本金組入額/帰属収入
△
1.1
0.3
0.8
33.3
12 減価償却費比率
減価償却額/消費支出
~
8.4
8.9
8.9
9.7
学生生徒納付金の帰属収入に占める割合である。
学生生徒納付金は,生徒等の増加又は減少並びに納付金の金額水準の高低によって影響を受けるが,学校法人の帰
50.8 属収入のなかで最大の比重を占めており,補助金等と比べて第三者の意向に左右されることの少ない重要な自己財源
である。
したがって,この比率は,安定的に推移することが経営的には望ましい。
寄付金の帰属収入に占める割合である。
寄付金は,私立学校にとって重要な収入源であり,一定水準の寄付金収入が継続して確保されることは,経営安定のた
2 めには好ましい。
しかし,記念事業の寄付金募集にみられるように一過性の寄付金で終わるものがあるなど,一般的に年度による増減の
幅が大きく,多額の寄付金を恒常的に確保することは容易ではないが,その確保に努める必要がある。
36.1
国又は地方公共団体の補助金の帰属収入に占める割合である。
この比率が高いということは,学校法人独自の自主財源である納付金やその他の収入が相対的に小さいことを示してお
り,国や地方公共団体の財政事情によって,補助金等削減の影響を大きく受けやすく経営に弾力性を失う可能性があ
る。
帰属収入のなかからどれだけ基本金に組入れたかを示す比率である。
学校法人の諸活動に不可欠な資産の充実のためには,この基本金組入額が大きく,またその比率も高いことが望まし
1.4 い。しかし,その場合,帰属収入から組入額を除いた消費収入が小さくなり,結果として消費収支差額が支出超過となる
ことがある。
この比率については,その組み入れ内容(1号~4号基本金)についても分析する必要がある。
11.4
減価償却費の消費支出に占める割合である。
この比率は,当該年度の消費支出のうち,減価償却費がどの程度になっているかをみる比率である。
しかし,この比率は見方を変えれば,消費支出とされているものの,実質的には消費されずに蓄積される資金の割合を
示したものともいえる。
財務情報比率
%
160
140
120
100
80
60
H22年度
H23年度
H24年度
40
20
0
H25年度
H26年度