糖尿病従業員の就労措置について

糖尿病従業員の就労措置について
Q
A
弊社従業員のかたのことでおたずねします。コントロール不良の糖尿病で、インスリン導入は
拒否していますが、網膜症、腎症、明らかな神経症、低血糖症状などは認められていません。
時間外労働禁止、夜勤禁止、出張禁止など、どの程度の就労措置が必要でしょうか。
いただいた情報が少ないので、一
握することは重要と考えます。このような勧告にも応じ
般論で話をさせていただきますが、
基本的には、糖尿病の治療において、
制限 という言葉は、極力使わない
ようにしています。生活に支障を来す
合併症が無い限り、動きを制限する必要はないと考え
ます。今回のご相談では、かなり厳しい制限がされて
てくれないのであれば、作業上のリスク(脳梗塞、心筋
梗塞の可能性)も考慮して、その情報が得られるまで
(本人がきちんと治療する気になるまで)何らかの就労
制限(給与減少にも繋がる?)が必要になるのか もし
れません。これは、本人に対するペナルティーではな
く、企業(産業医)の健康管理責任上(コントロール不
い ますが、かなり進行した合併症でもあるのでしょう
か。
上記のような考えからいきますと、全身状態良好で
あれば、何ら制限する必要はありません。ただ、ご存じ
のように、糖尿病には動脈硬化症を合併することが非
常 に多いですから、必要最少限の検査(心電図、頸
良状態を野放しにする訳にはいかない)から制限が必
要となるということになろうかと思います。必要最小限
の自己管理ができなければ、質の良い仕事(労働)は
できないとも思われます。本人の治療に対する意欲と、
企業側(上司)の理解(もちろん産業医の熱意)があれ
ば、コントロール改善も不可能ではないと思われま
動脈エコー検査など)は受けていただいて現状を把
す。