Gard Alert: パナマ運河 - 喫水制限 / Panama Canal

Gard Alert
パナマ運河 - 喫水制限
こちらは、英文記事「Panama Canal - draught restrictions」(2015 年
8 月 10 日付)の和訳です。
パナマ運河庁(Panama Canal Authority [PCA])は、エルニ
ーニョ現象による影響のため、パナマ運河における喫水制
限を実施します。この措置は 2015 年 9 月 8 日より施行さ
れます。PCA は 2015 年 8 月 7 日に、同措置の概要をまと
めた Advisory to Shipping No. A-24-2015(英文)を発表し
ました。
エルニーニョとは、熱帯太平洋の広い範囲で起こる海面水
温の周期的な上昇を伴う大規模な海洋大気気候現象であり、「Pacific Warm Episode」と呼ばれることも
あります。エルニーニョの影響によって、降雨パターンが変わってしまう地域があり、パナマ運河につ
いても、ガトゥン湖(Gatun lake)とアラフエラ湖(Alhajuela Lake)の水位がエルニーニョの影響によっ
て平均水位以下に下がってしまう可能性があります。
そのため、パナマ運河通航時の最大許容喫水は、2015 年 9 月 8 日以降、次のとおり、熱帯淡水(Tropical
Fresh Water [TFW])で 11.89 メートル(39 フィート)に設定されます。
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2015 年 8 月 11 日より前に、喫水 11.89 メートル(39 フィート)を超えて貨物を積載した船舶
は、安全上の配慮を条件に、通航を許可されます。
2015 年 8 月 11 日以降に貨物を積載した船舶は、喫水制限を順守しなければならず、荷物を下ろ
す等の喫水調整が求められる可能性があります。
通航時の最大許容喫水は、ガトゥン湖において許容される TFW での最深喫水です。ガトゥン湖の水密度
は 29.4°C(85°F)で 0.9954 です。船舶は、傾斜のない状態で運河水路に到達しなければなりません。
通航時の最大許容喫水は、2015 年 9 月 15 日には、さらに次のとおり TFW で 11.73 メートル(38.5 フ
ィート)へとさらに制限が強化されるものと予想されます。
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11.73 メートル(38.5 フィート)の喫水制限が実施された場合、2015 年 8 月 18 日より前に貨物
を積載した船舶は、安全上の配慮を条件に、通航を許可されます。
2015 年 8 月 18 日以降に貨物を積載した船舶は、喫水制限を順守しなければならず、荷物を下ろ
す等の喫水調整が求められる可能性があります。
後者の喫水制限に関する情報は、まだ決定されたものでなく、あくまでも今後の航行計画の参考材料と
してお知らせするものです。最終的な決定は、実際の降雨量や湖の水位に基づいてなされるようです。
喫水制限の変更は、一度に 15cm ずつ行われます。また、変更がある場合には、船舶側においてその制限
に合わせた貨物の積載が行えるように、少なくとも実施の 5 週間前までに前もって発表されます。
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