児童・生徒に対する和装文化(伝統工芸)体験・学習の取り組みについて(調査報告) 全国和装産地市町村協議会 調査研究部会 幹事都市 鹿児島県奄美市 平成24年度につきましては、「児童・生徒に対する和装文化(伝統工芸)体験・学習の取り組みについ て」をテーマとして、調査研究を行いました。以下、各産地における状況について、調査結果の概要をま とめたので報告いたします。 ◎調査概要 ・目的:各和装産地における児童・生徒に対する和装文化(伝統工芸)体験・学習の取り組み状況 ・対象:加盟市町(15市町) ・方法:加盟市町に対する調査(調査票の記入、必要に応じて聞き取りを実施) ・期間:平成25年5月10日~平成25年5月31日 ・回答:15市町村(回答率:100%) ・内容:1.平成24年度までに取り組んできた事業 2.平成25年度までに取り組む予定の事業 3.今後、協議会で調査してほしいテーマ ◎調査結果 ・回答のあった15市町のうち、取り組みを行っていない団体は 2 団体あった。 ・ほとんどの産地において市ではなく産地組合や実行委員会などの各種団体が事業を実施している。 ・取り組みの内容としては、機織り体験や着付け体験、染物体験などが多くみられた。 ・児童・生徒にとって、自分自身が住んでいる土地の伝統や文化など産地を知る重要な機会であり、 今後も継続していく必要があると思われる。 1.平成24年度までに取り組んできた事業 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 事業費 (千円) 新潟県 小千谷織物工 実施団体:小千谷 小学生・中 小千谷織物の機織り体 小千谷市 房の運営事業 織物同業協同組 学生・高校 験・ 合 生 機織り実演・ 950 機織り道具の展示・小千 谷縮着付け体験 伝統的工芸品 実施主体:新潟県 小学生・中 小千谷織物の 展 伝統的工芸品産 学生・高校 機織り体験 業振興協議会 生 京都府 京の匠ふれあ 各産地組合(13団 市内小・中 京都市内の小中学校へ 京都市 い事業 体) 学生 業界団体 から職人 を派 わたしたちの伝 (京都市委託事 遣。伝統工芸品の製作 業) 体験教室等を実施。 京都市 統産業 市 内 小 学4 伝統産業の重要性を伝 年生 え,関心を高めてもらうた 600 10,000 700 め ,社会科授 業で活用 できる副読本を制作・配 布。 中学生限定 伝統産業の日実 「自分で着てみ 行委員会 市内中学生 中学生を対象に,きもの 着付け体験や京料理に よう!きもの着 2,000 関する講演を実施。 付け&京料理 体験」 中学生かるた 伝統産業の日実 大会 行委員会 市立中学校 京都嵐山の時雨殿にお 770 いて,きもの姿の中学生 たちによる学校対抗の競 技かるた大会を実施。 き も の 修 学 旅 ( 財 ) 京 都 和 装 産 中 学 ・ 高 校 京都に訪れる中高の修 行 業振興財団(京都 の修学旅行 学旅行生を対象に,きも 市後援) 生 のを着る楽しさを実感し てもらうため,宿泊先で着 付け,京都を散策しても らう事業を実施。 - 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 京都府 京都市 事業費 (千円) 学 校 教 育 にお ( 財 ) 京 都 和 装 産 府内高校 高校での「和装教育」の けるきもの着付 業振興財団 定着を促進するため,京 け授業 都 府内 の学 校からの 要 - 請に答え,きもののレンタ ルや着付け講師の派遣 を実施。 鹿児島県 児童・生徒に対 実施主体:(一財) 小 学 生 、 中 大島紬製作工程体験(染 鹿児島市 す る 伝 統 的 工 伝 統 的 工 芸 品 産 学 生 、 高 校 め、機織り)、大島紬着付 芸品教育事業 業振興協会 生 813 け体験、講義 実施団体:本場大 島紬織物協同組 合 京都府 染色体験 与謝野町 与謝野町染色セン 小 学 生 、 中 染色体験 ター 学 生 、 高 校 (絞り染、 生 手機体験 475 手描き友禅) 与謝野町商工会・ 小 学 生 、 中 (卓上)手機による製織体 ひまわりの未 学生、高校 験 生 着 物 着 付 教 京 都 府 立 加 悦 谷 高校生 着物・ゆかた着付け教室 室・染色体験 染色教室の開催 高等学校PTA 文化・芸術活 与謝野町婦人会 小 学 校 6 年 「きもの卒業式」実施に対 動事業 生 する着物の提供、着付の 実施 産 官 学 連 携 丹後ファッションウ 大 学 生 ・ 専 産地の学習、機屋・加工 事業、丹後織 ィーク開催委員会 門学校生 1,426 場の見学、織物事業者と 物製品開発・ の交流、丹後ちりめんを 販売促進事 使用した作品製作 業 群馬県 はたおり体験 いせさき織物ボラ 市内の小学 高機を使ってのはたおり 伊勢崎市 学習事業 ン テ ィ ア 「 織 り の 生(3~4 年 体験(コースター作り) 会」 生) 1,323 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 事業費 (千円) 山形県 児 童 会 館 の事 児童会館、染織工 小 学 3 ~ 6 米沢織藍染工房。紅花 材料費講師 米沢市 業 房わくわく舘(民間 年 ( 保 護 者 染めのエコバッグ、草木 謝金240千 企業) 可) で染めた絹糸によるミサ 円は米沢繊 ンガ制作体験 維協同組合 連合会より 支出。受講 者は700円 負担。 茨城県 親子歴史教室 実施主体:教育委 小 学 生 , 中 藍 染 で ハ ン カ チ を つ く 結城市 (藍染体験) 員会スポーツ文化 学 生 , 保 護 る。「子ども体験フェスタ」 課 者 委託先:稲葉本染 45 という体験型イベントの際 に実施 店 児 童 , 生 徒 に 実施主体:茨城県 小・中学生 本場結城紬製作工程体 対する伝統的 本場結城紬織物 験(糸取り,機織) 208 工芸品教育事 協同組合 業 新潟県 和装教育推進 十 日 町 織 物 工 業 小学生 きものの着付けや帯結 100 十日町市 事業 び、お茶会などの和文化 (うち市補助 体験活動をとおし、十日 金50千円) 協同組合 町市の伝統産業を後世 に引き継ぐ。 群馬県 児童・生徒に対 実施主体:(一財) 小学生 伝統的工芸品「桐生織」 桐生市 する伝統的工 伝統的工芸品産 の講義と手機体験 芸品教育事業 158 業振興協会 実施団体:桐生織 物協同組合 京都府 学校支援地域 学校支援ボランテ 小 学 生 、 中 中学校の授業で和裁・着 京丹後市 本部事業 ィア 学生 付け指導等を実施 ちりめん卒業証 京丹後市きもの交 市内中学校 ちりめん製の卒業証書と 書製作事業 流会 卒業生 0 メッセージの配布 601 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 (千円) 石川県 児童・生徒に対 実施主体:(一財) 小 学 生 、 中 加賀友禅の製作体験学 金沢市 す る 伝 統 的 工 伝 統 的 工 芸 品 産 学生 芸品教育事業 事業費 609 習 業振興協会 実施団体:(協) 加賀染振興協会 鹿児島県奄 児童・生徒に対 実施主体:(一財) 小 学 生 、 中 本場奄美大島紬製作工 美市 1,566 する伝統的工 伝統的工芸品産 学生、高校 程 体 験 ( 泥 染 め 、 機 織 芸品教育事業 業振興協会 生 実施団体:本場奄 り)、本場奄美大島紬着 付け体験、講義 美大島紬協同組 合 人材育成事業 (財)奄美群島地域 小 学 生 、 中 本場奄美大島紬製作工 306 — 本 場 奄 美 大 産業振興基金協 学生、高校 程 体 験 ( 泥 染 め 、 機 織 島紬体験事業 会 生 り)、本場奄美大島紬着 付け体験、講義 その他 あまみ~る 小 学 生 、 中 本場奄美大島紬に関す (民間企業) 学生 る説明、機織り体験 鹿児島県 児童・生徒に対 実施主体:(一財) 小 学 生 、 中 本場奄美大島紬製作工 龍郷町 する伝統的工 伝統的工芸品産 学生、高校 程 体 験 ( 泥 染 め 、 機 織 芸品教育事業 業振興協会 生 実施団体:本場奄 1,566 り)、本場奄美大島紬着 付け体験、講義 美大島紬協同組 合 人材育成事業 (財)奄美群島地域 小 学 生 、 中 本場奄美大島紬製作工 — 本 場 奄 美 大 産業振興基金協 学生、高校 程 体 験 ( 泥 染 め 、 機 織 島紬体験事業 会 生 り)、本場奄美大島紬着 付け体験、講義 306 2.平成25年度までに取り組む予定の事業 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 事業費 (千円) 新潟県 小千谷織物工 実施団体:小千谷 小学生・中 小千谷織物の機織り体 小千谷市 房の運営事業 織物同業協同組 学生・高校 験・ 合 生 機織り実演・ 950 機織り道具の展示・小千 谷縮着付け体験 伝統的工芸品 実施主体:新潟県 小学生・中 小千谷織物の 展 伝統的工芸品産 学生・高校 機織り体験 業振興協議会 生 京都府京都 京の匠ふれあ 各産地組合(13団 市内小・中 京都市内の小中学校へ 市 い事業 体)(京都市委託 学生 業界団体 から職人 を派 事業) 600 10,000 遣。伝統工芸品の製作 体験教室等を実施。 わたしたちの伝 京都市 統産業 市 内 小 学4 伝統産業の重要性を伝 年生 え,関心を高めてもらうた 700 め ,社会科授 業で活用 できる副読本を制作・配 布予定。 中学生限定 伝統産業の日実 「自分で着てみ 行委員会 市内中学生 よう!きもの着 中学生を対象に,きもの 2,000 着付け体験や京料理に (額は未 関する講演を実施予定。 定。平成 24 付け&京料理 年度参考 体験」 額) 「古典の日」 京都市 市内小学 日本舞踊指導,茶道指 680 の法制化を契 (実施団体未定) 校・中学校・ 導に関わる,児童・生徒 (事業全体 機と した伝 統 高校・総合 を対象とした,和装着付 予算) 文化体験事 支援学校 けを実施予定 業 鹿児島県鹿 児童・生徒に 実施主体:(一財) 小学生、中 大島紬製作工程体験 児島市 対する伝統的 伝統的工芸品産 学生、高校 (染め、機織り)、大島紬 工芸品教育事 業振興協会 生 着付け体験、講義 業 実施団体:本場大 島紬織物協同組 合 892 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 (千円) 京 都 府 与 染色体験 与謝野町染色セン 小 学 生 、 中 染色体験 謝野町 ター 182 学 生 、 高 校 (絞り染、 生 手機体験 事業費 手描き友禅) 与謝野町商工会・ 小 学 生 、 中 (卓上)手機による製織体 ひまわりの未 学生、高校 験 生 着 物 着 付 教 京 都 府 立 加 悦 谷 高校生 着物・ゆかた着付け教室 室・染色体験 染色教室の開催 高等学校PTA 文化・芸術事 与謝野町婦人会 小 学 校 6 年 「きもの卒業式」実施に対 業 生 する着物の提供、着付の 実施 産 官 学 連 携 丹後ファッションウ 大 学 生 ・ 専 産地の学習、機屋・加工 事業、丹後織 ィーク開催委員会 門学校生 1,500 場の見学、織物事業者と 物製品開発・ の交流、丹後ちりめんを 販売促進事 使用した作品製作 業 群 馬 県 伊 はたおり体験 いせさき織物ボラ 市内の小学 高機を使ってのはたおり 勢崎市 ン テ ィ ア 「 織 り の 生(3年生) 学習事業 699.5 体験(コースター作り) 会」 山 形 県 米 児 童 会 館 の事 児童会館、染織工 小 学 生 3 ~ 米沢織藍染工房。エコバ 材料費講師 沢市 業 房わくわく舘(民間 6年(保護者 ッグを藍染し、抜染という 謝金は240 企業) 可) 技法で模様をつける。 千円、米沢 繊維協議会 で支出予 定。受講者 は700円負 担。 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 (千円) 茨 城 県 結 親子歴史教室 実施主体:教育委 小 学 生 , 中 藍 染 で ハ ン カ チ を つ く 城市 員会スポーツ文化 学 生 , 保 護 る。「子ども体験フェスタ」 (藍染体験) 課 事業費 者 委託先:稲葉本染 45 という体験型イベントの際 に実施 店 児 童 , 生 徒 に 実施主体:茨城県 小・中学生 本場結城紬製作工程体 対する伝統的 本場結城紬織物 験(糸取り,機織) 236 工芸品教育事 協同組合 業 紬のふるさと体 実施主体:教育委 市内全中学 ・結城紬着付け体験 験授業推進事 員会指導課 生 1,448 ・桐下駄体験 業 新 潟 県 十 和装教育推進 十 日 町 織 物 工 業 小学生 きものの着付けや帯結 50 日町市 び、お茶会などの和文化 (うち市補助 体験活動をとおし、十日 金50千円) 事業 協同組合 町市の伝統産業を後世 に引き継ぐ。 群 馬 県 桐 児童・生徒に対 実施主体:(一財) 小学生 伝統的工芸品「桐生織」 生市 の講義と手機体験 する伝統的工 伝統的工芸品産 芸品教育事業 業振興協会 232 *伝産協会 への要望額 実施団体:桐生織 物協同組合 京 都 府 京 和装振興事業 一 般 及 び 学 校 支 中 学 生 ( 概 中学校の授業で和裁・着 丹後市 援ボランティア他 200 ね 中 学 2 付け指導等を実施 年) ちりめん卒業証 京丹後市きもの交 市内中学校 ちりめん製の卒業証書と 書製作事業 流会 卒業生 メッセージの配布 601 産地名 事業名 事業の実施 対象 内容 (構成)団体 (千円) 石 川 県 金 児童・生徒に対 実施主体:(一財) 加賀友禅の製作体験学 沢市 習 する伝統的工 伝統的工芸品産 芸品教育事業 事業費 676 ※伝産協会 業振興協会 への実施要 実施団体:(協) 望額 加賀染振興協会 きもの子ども塾 実施主体:金沢市 (仮称) 小学生 実施団体:加賀友 きもの着付け等の体験学 100 習 禅技術振興研究 所 1,466 鹿 児 島 県 児童・生徒に 実施主体:(一財) 小学生、中 本場奄美大島紬製作工 奄美市 対する伝統的 伝 統 的 工 芸 品 産 学生、高校 程体験(泥染め、機織 ※伝産協会 工芸品教育事 業振興協会 業 生 実施団体:本場奄 り)、本場奄美大島紬着 への実施要 付け体験、講義 望額 美大島紬協同組 合 人材育成事業 (財)奄美群島地域 小学生、中 本場奄美大島紬製作工 300 — 本 場 奄 美 大 産 業 振 興 基 金 協 学生、高校 程体験(泥染め、機織 島紬体験事業 会 生 り)、本場奄美大島紬着 付け体験、講義 1,466 鹿児島県 児童・生徒に 実施主体:(一財) 小学生、中 本場奄美大島紬製作工 龍郷町 対する伝統的 伝 統 的 工 芸 品 産 学生、高校 程体験(泥染め、機織 ※伝産協会 工芸品教育事 業振興協会 業 生 実施団体:本場奄 り)、本場奄美大島紬着 への実施要 付け体験、講義 望額 美大島紬協同組 合 人材育成事業 (財)奄美群島地域 小学生、中 本場奄美大島紬製作工 — 本 場 奄 美 大 産 業 振 興 基 金 協 学生、高校 程体験(泥染め、機織 島紬体験事業 会 生 り)、本場奄美大島紬着 付け体験、講義 300 3.今後、協議会で調査してほしいテーマがありましたらご記入ください。 テーマ 希望する理由 観光,文化,伝統芸能などの分野 日常生活の中にきものを根付かせるためには,和装産業だけではな と連携事業の状況について く,観光,文化,伝統芸能等と連携した取組が必要と考える。他都市 における取組を研究し,今後の参考にしたい。 自治体外への PR、または海外企 海外企業の取引や PR にあたって自治体としてサポートできる事業を 業との取引について、行政でサポ 検討しているため ートしている事業について
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