第18回健康コンサート開催 - 赤羽 牧洋記念クリニック

YM C B
第18回
漢方治療の魅力と現代医療
自然治癒力
お知らせ
赤羽牧洋記念クリニック主催 日時:
12 月 16 日 ㈬ 開演 午後2時30分
健康コンサート開催 場所:赤羽会館 1階 講堂
(北区赤羽南1-13-1)
入場無料
現代中国医学の恩恵を受けられない日本漢方
秋は学会の多い季節です。クリニックの休診も多く、
皆さまにはご不便をおかけして申し訳ありません。
日本の漢方医学は、日本独自に発生したものではな
く、古代中国よりもたらされたものであることは間違
いありません。日本独自に発展した部分があるとすれ
ば、江戸時代の鎖国によって国を閉じていたことによ
ります。江戸時代、中国は明や清の時代にあたるわけ
ですが、この時期に中国医学は重要な進展を遂げます。
日本の漢方が独自に発展する機会を得たとは言え、中
国の新しい理論に触れることができなかったことも事
実です。明治時代になり、日本の医学の中心は漢方か
ら西洋医学へ大きく転換します。西洋のどの国の医学
を採用するかを検討した明治政府は、フランス医学で
はなく、ドイツ皇帝をいただく帝政ドイツ(当時はプ
ロシャ)の医学を採用します。フランスはフランス革
命によってブルボン王朝は打倒され、皇帝がいなくな
り王制から共和制に移っており、天皇を君主としてい
ただく明治政府の好みにあわなかったからです。医師
の免許も西洋医学を修めることが必要であり、漢方が
できても医師免許を持つことができなくなりました。
国家の方針も富国強兵で中国や朝鮮を植民地にするこ
とを目標とするようになり、新たな中国医学の理論と
実践を取り入れようとはしませんでした。それもその
洋先生 の関節痛セミナー
⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮
まきようクリニック
つばめ日記
とうきけんちゅうとう
123 当帰建中湯
シリーズ② 肘の痛み∼その 1 ∼
絵 エコピー
ようさん)などを使用したりしています。ち
なみに、肘の内側が痛くなる“上腕骨内側上
顆炎”は通称“ゴルフ肘”と呼びます。
冷えた梨とブドウを食べ
すぎたら、今回の生理が
つらくて…。
たんとうそくしゅこんしんきん
短橈側手根伸筋
○
もともと冷え症
なんですね。
そうししんきん
総指伸筋
当帰建中湯を
尺骨
当帰
処方しま
建
中
湯
しょう。
上腕骨
漢方医
肘の痛みで最も多いのが、通称“テニス肘”
と言われる“上腕骨外側上顆炎”で、前腕の
伸筋群(図を参照)が肘の外側の骨に集まっ
てくっついているので、手首をよくつかうス
ポーツや仕事などによる過度のストレスで炎
症を起こします。これらの筋肉を安静にした
りストレッチしたり、筋肉の緊張が肘に伝わ
るのを緩和するためのバンドを腕に巻いたり
して、炎症が引くのを待ちます。それでも痛
みが引かない場合は、炎症止めの注射を局所
に行うことがあります。漢方では、炎症に伴
う“うっ血”と腱付着部の骨の再生を促す目
的で、治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)と牛
車腎気丸(ごしゃじんきがん)を併用したり、
筋緊張緩和のために加味逍遥散(かみしょう
はずです。日清戦争のように中国を植民地にしようと
して戦争する国が、その国の医学を尊敬し、学ぼうと
するわけがありません。その弊害は、実に現代にまで
及んでおり、日本人は、現代中国ですばらしい効果を
上げている新しい漢方薬の恩恵を受けることができな
いのです。今私達が医療保険で使えるのは、日本人が
江戸時代まで使っていた漢方薬(それもすべてではな
く)だけなのです。
漢方薬のように何種類もの植物や動物を組み合わせ
た薬は世界中どこを探してもありません。これを「複
合多成分系薬剤」と言います。このすばらしい漢方を
編み出した古代中国人の英知には驚嘆する以外ありま
せん。いつか日本の漢方が現代中国医学の良い所を学
び、もっと大きく発展することを願っています。
< 1 ヶ月後>
●
患者さんの声
●
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)と
いう腹痛の漢方に
“婦人の聖薬”
といわ
れる当帰を加えたものなんですよ。
胃の弱い人は、
安中散(あ
んちゅうさん)を一緒に飲
むといいんだよ。
散
安中
先生、今回の漢方も
良く効きましたね。
漢方医
研修医
30代の女性が、夏の暑さもややおさまった9月に首から肩にかけての痛みがつらくて来院し
ました。上を向くのもつらく、普段から首がこることはあってもこんなに痛くなったのは初めて
とのことです。近くの整形外科で“ストレートネック”と言われて痛み止めや筋緊張緩和薬をも
らいましたが効果がありません。手足は冷えていて顔色は悪く不眠とめまいがあります。舌は薄
い色で腫れていて潤っています。また下痢しやすく、腹診では全体に冷えていて胃のあたりにつ
かえ感と圧痛があります。漢方医学的には、
もともとの体質的な冷え症である「虚寒証」があり、
その上職場ではクーラーがすごく効いている中でパソコン作業をし、夏場には結構アイスも食べ
たそうです。
「虚寒証」の人が外からの冷えである「実寒(じつかん)
」によって痛みを発症して
いるので、体の外と中を温めて痛みを改善する桂枝人参湯(けいしにんじんとう)を処方し、冷
飲食をやめ味噌汁をきちんと飲むよう指導しました。2週間後「漢方はすごく効いている。痛み
止めが効かなかったのに漢方がこんなに効くとは思わなかった!」とのこと。職場の人にも「以
前は目のクマがあったのに最近は顔色が良くなったね」と言われるそうです。
おかげさまで今回は生理が
とても楽です。