形態機能学Ⅱ 必 修 開講年次:1 年次前期 科目区分:演 習 単 位:2 単位 講義時間:60 時間 ■科目のねらい:形態機能学Ⅱでは、人体に対する総合的な理解を得るために、上肢と下肢、背部と胸部、腹部と骨盤部、頭頚部についての局所解剖学と、 神経系と内分泌系という全身の器官を統合する仕組みについて学ぶ。最後に人体の構造について学んできた知識を想起し納得するために、骨学実習と 人体模型観察実習を行い、札幌医大標本館を見学する。 ■到達目標: 1.上肢と下肢の主要な骨と関節の名前を言える。 2.上肢と下肢の関節を屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋す るときに働く主要な筋肉の名前を言える。 3.回旋筋腱板を説明できる。 4.前腕の回外、回内に関係する筋肉と2つの関節の名前を言える。 5.手の対立運動を行う筋肉の名前と支配神経の名前を言える。 6.ハムストリングスといわれる3つの筋の名前を言える。 7.上肢と下肢の主な動脈と静脈の名前を言える。 8.上肢と下肢の脈が触れる動脈の名前を言える。 9.採血に使用する上肢の静脈の名前を言える。 10.大腿四頭筋を支配する神経の名前を言える。 11.殿筋注射の安全域を言える。 12.坐骨神経の支配域を説明できる。 13.深腓骨神経の支配する皮膚域を言える。 14.脊柱を構成する椎骨の名前と数を言える。 15.二足歩行後の脊柱の弯曲を説明できる。 16.椎骨の形の特徴を説明できる。 17.椎間板の構造と役割を言える。 18.脊柱起立筋を構成する3種類の筋の名前を言える。 19.胸郭を構成する骨の名前を言える。 20.大動脈弓から出る枝の名前を言える。 21.胸部大動脈の走行を説明できる。 22.奇静脈と半奇静脈を説明できる。 23.交感神経幹の存在位置を言える。 24.神経細胞にみられる静止膜電位と活動電位を説明できる。 25. 「全か無かの法則」を説明できる。 26.心筋細胞にみられる活動電位を説明できる。 27.閾値と不応期を説明できる。 28.跳躍伝導を説明できる。 29.神経線維の太さと伝導速度の関係を説明できる。 30.血液-脳関門を説明できる。 31.グリア細胞とは何かを説明できる。 32.脳に入る動脈の名前を2つ挙げることができる。 33.ウイリスの動脈輪に集まる血管に名前をつけることができる。 34.硬膜静脈洞を説明できる。 35.大脳皮質の外側面の図に4つの脳葉の境界線を描き入れるこ とができる。 36.大脳皮質の機能局在を説明できる。 37.左右の大脳を結ぶ連合線維の名前を言える。 38.脳室の位置と名前を言える。 39.脳脊髄膜3種類とその間の腔の名前を言える。 40.脳脊髄液の産生部位と吸収部位を言える。 41.大脳辺縁系を説明できる。 42.大脳基底核を説明できる。 43.大脳基底核にドパミン線維を送る中脳にある神経核はなんとい うか。 44.内包の位置と何がそこを通っているかを説明できる。 45.内包出血を起こしやすい動脈の名前を言える。 46.視床下部にある主要な神経核の名前を言える。 47.視床の働きを説明できる。 48.対光反射の中枢はどこにあるか。 49.小脳の構造と働きを説明できる。 50.小脳とともに働く延髄にある神経核の名前を2つ言える。 51.錐体路と錐体外路を説明できる。 52.錐体交叉のある脳の部位の名前を言える。 53.延髄にある生命中枢を説明できる。 54.上行性網様体賦活系を説明できる。 55.レム睡眠とノンレム睡眠を説明できる。 56.基本的な脳波を説明できる。 57.脊髄のなかに灰白質を書き入れて、前角と後角を書き入れる ことができる。 58.前角細胞の働きを説明できる。 59.前根と後根を説明できる。 60.脊髄神経節のみられる位置を説明できる。 61.脊髄の白質にある精細な触覚と痛覚の伝導路(上行性)と随 意運動の伝導路(下行性)の名称と位置を言える。 62.脊髄が終わる部位はどこか。 63.頚神経は左右に何本出るか。 64.デルマトームを説明できる。 65.腕神経叢を説明できる。 (課題:模型作品を提出) 66.腰神経叢と仙骨神経叢の最も太い枝である神経の名前を言え る。 67.橈骨神経、正中神経、尺骨神経の手掌と手背における感覚 支配を言える。 68.手根管症候群で侵される神経の名前を言える。 69.各臓器について交感神経と副交感神経の二重支配の内容を言 える。 70.臓器の近くに自律神経節をもつのは交感神経、副交感神経 のどちらか。 71.交感神経、副交感神経節後線維の神経伝達物質はそれぞれ なにか。 72.眼球の構造と各部の働きを説明できる。 73.物に目の焦点を合わせる方法を説明できる。 74.眼底の黄斑部を説明できる。 75.杆状体と錐状体の分布を説明できる。 76.マリオット氏の盲点を説明できる。 77.視力を測るランドルト環を説明できる。 78.外眼筋6筋と眼瞼拳上筋の支配神経を言える。 79.涙腺と涙路を説明できる。 80.瞼板腺の分泌物の役割を説明できる。 81.眼房水の産生部位と吸収部位を説明できる。 82.視覚伝導路を説明できる。 83.外耳、中耳、内耳の構造を説明できる。 84.耳管の働きを説明できる。 85.内耳のコルチ器で音の高低を脳に伝える仕組みを説明できる。 86.聴覚伝導路を説明できる。 87.平衡覚の仕組みを説明できる。 88.聴覚伝導路を説明できる。 89.鋭い痛みと鈍い痛みを伝導する線維の性状から説明できる。 90.痛みの抑制系を説明できる。 91.関連痛を説明できる。 92.嗅細胞と嗅覚路を説明できる。 93.ペプチドホルモンとステロイドホルモンについて作用機序の違 いを説明できる。 94.松果体、下垂体、甲状腺、副腎の位置と構造を説明できる。 95.下垂体門脈を説明できる。 96.視床下部から下垂体後葉への神経分泌を説明できる。 97.内分泌の負のフィードバック機構を説明できる。 98.各内分泌器官からでるホルモンの名前とそのホルモンによっ ておこる機能亢進症と機能低下症の病名と症状を説明でき る。 99.腹部の区画と名称を言える。 100.腹大動脈からでる3本の太い枝の名前とそれぞれの支配域を 言える。 101.腹部内臓を覆う筋肉の名前を言える。 102.鼠径管を構成する筋と筋膜について説明できる。 103.腹部大動脈が左右に分岐したあとの名称を言える。 104.骨盤を構成する骨の名前を言える。 105.骨盤底筋を構成する筋肉の名前を言える。 106.頭蓋骨を構成する15種類の骨の名前を言える。 107.前頭蓋窩、中頭蓋窩、後頭蓋窩に載る脳の部位を言える。 108.脊髄がでてくる頭蓋骨の孔の名前を言える。 109.顔面の表情に関係する筋肉の名前を言える。 110.帽状筋膜を説明できる。 111.咀嚼に関係する4筋を言える。 112.顎関節を説明できる。 113.外頚動脈の顔面への分布を説明できる。 114.12対ある脳神経とその働きを説明できる。 (課題:レポート 提出) 115.骨学実習報告書の提出 116.人体模型観察報告書の提出 117.標本館見学感想文提出 ■担当教員:高野 廣子 第 第 第 第 第 第 1 2 3 4 5 6 回 上肢・下肢の肉眼解剖学1(1、2) 回 上肢・下肢の肉眼解剖学2(3~13) 回 背部、胸部の肉眼解剖学 (14~23) 回 神経学1(24~31) 回 神経学2(32~41) 回 神経学3(42~56) 第 7 回 神経学4(57~71) 第 8 回 視覚器と視覚路(72~82) 第 9 回 聴覚器と聴覚路、痛みの伝導系と抑制系、嗅 覚器と嗅覚路(83~92) 第10回 内分泌系(93-98) 第11回 腹部、骨盤部の肉眼解剖学(99-105) 第12回 頭頚部の肉眼解剖学(105-114) 第13回 骨学実習と人体模型観察実習1(115) 第14回 骨学実習と人体模型観察実習2(116) 第15回 札幌医大標本館見学(117) 共通教育科目 ■授業計画・内容: ( )内の数字は到達目標の該当項目を示す。 ■教科書: 『解剖生理学』(南山堂) ■成績評価基準と方法:定期試験(学期末)50%、小テスト30%、授業・実習・見学態度9%、レポートと作品の提出11% 評価方法 到達目標 評価基準 評価割合 (%) 1~114 65 114 115〜116 定期試験 ◎ ◎ ◎ ○ 正答率:6割以上 50 小テスト ○ ○ ○ ○ 正答率:5割以上 30 受講態度 実習・見学態度 ◎ ◎ 到達目標達成に向かう姿勢 積極的に学習する態度 6 3 内容重視 8 3 レポート 作品 ◎ ○ ○ 2/3以上の出席 欠格条件 ◎:より重視する ○:重視する 空欄:評価に加えず ■関連科目:看護初期実習、生命科学、基礎看護技術論、基礎看護学臨地実習、病理病態学、薬理学、臨床薬理学、人間工学、疾病治療学、症状マネ ジメント論、成人看護技術論、成人看護学臨地実習、臨床栄養学 ■その他(学生へのメッセージ・履修上の留意点) :形態機能学Ⅱでも予習と復習を行うことが、脳に知識を定着させ、看護に関する他の科目の理解につながる。 授業では、毎回最初に復習範囲と予習範囲から小テストを行う(1回目を除く) 。復習と予習の勉強に少なくとも週3時間はかけること。形態機能学Iと合わせると 週6時間の自習が必要となるが、きちんと働ける看護師になるために、積極的に取り組んでいただきたい。形態機能学Ⅱでは、最後に骨学実習、人体模型実習、 標本館見学が用意されている。これは、形態機能学を勉強してきたことを再確認するよい機会である。日頃の学習を怠らず、実習や見学を意義あるものにしよう。 179 看護学部 専門教育科目 出席 デザイン学部 専門教育科目 ■参考文献: 『解剖学講義改訂3版』(南山堂)、『トートラ人体の構造と機能 第4版』(丸善出版)
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