ボール盤

工作機械の使い方
ボール盤
ボール盤とはドリルによって試料に穴開けをする機械である。
(汚れるので白衣を着用する。 使った後は必ず掃除する。 時折、潤滑グリスをつける。
)
○固定用万力の設置
垂直と水平方向の移動が容易で、ドリルとの
垂直が取りやすいので、固定用の万力をボル
トとワッシャー・ナットでボール盤に固定す
る。
力で締めてドリルを固定する。数百倍の力に
なるのであまり強く締めすぎないように注
意する。
直径が 10 mm 以上のドリルは溝が掘ってある
のでチャックの山に溝を咬ませる。
大きな試料の場合は、シャコ万力で固定する。
○位置決め
への字型レバーのストッパーをゆるめL字
型の高さ調整ハンドルを回し高さと角度の
調整を行った後に、ストッパーで固定する。
ドリル先端から離れるとぶれが生じるため
2~3 cm 程度の距離に設置する。
○ドリルの固定
3つのチャックの中央になるようにドリル
を置き、固定ハンドルで3カ所の穴を均等な
いったんドリルを回転させ、先端がぶれてい
ないかを確認する。
○試料の設置
上側万力の2つの水平方向へ面位置になる
ように試料を合わせ、万力を締めて固定する。
下側万力と位置決めの時に用いたストッパ
ーを弛め回転角と位置をドリルの先端に合
わせる。センターポンチやけがき針によって
穴開けの位置をマークしておくと良い。
○スイッチオン
安全を確認した後、電源スイッチを投入する。
異音がしたら、すぐに停止スイッチを押せる
ようにする。
○穴あけ
レバーを下に回すと、ドリルが降りて穴が開
く。レバー部分に表示されている目盛りで深
さが測定できる。穴開けの開始時と貫通時に
強い力が加わるので、ゆっくりと操作する必
要がある。鉄やステンレスのように固い材料
ではドリルが熱を持ち切れが悪くなるので、
時折ドリルの先端を出し、切削油をつけて冷
却する。
○メスねじ切り(電源スイッチを切り、手で操作)
メスネジを切るときには、ネジの直径よりも
8割程度(ピッチの分だけ)少ない直径の穴
をドリルであけることにより、ネジ山を作る
ことができる。ドリルであけた穴に直接メス
ネジを切るときには、試料を万力から取り外
さずに、ドリルのみを外しタップをチャック
に固定する。手やレンチでタップを数回廻す
ことによって垂直が出しやすくなる。
そのままタップと試料を取り外して、別の万
力に固定しタップ回しで更に深くメスネジ
を切ることによりタップの微妙な力加減が
調整でき、タップの破壊を防ぐことができる。
○オスねじ切り(電源スイッチを切り、手で操作)
棒などにオスネジを切るときには、棒をチャ
ックに固定し、上側万力の2つの水平方向へ
面位置になるようにダイスを合わせ、万力を
締めて固定する。下側万力と位置決めの時に
用いたストッパーを弛め回転角と位置を棒
の先端に合わせる。手やレンチで棒を数回廻
すことによって垂直が出しやすくなる。
そのままダイスと試料を取り外して、別の万
力に固定しダイス回しで更に深くオスネジ
を切ることにより微妙な力加減が調整でき、
ダイスの破壊を防ぐことができる。