わ が 町 、 わ が 医 院

わが 町 、 わ が 医 院
洗練された大人の町で
究極の審美修復治療を実現する
東京郊外で一番おしゃれで洗練された町といったら、
多くの人が二子玉川と答え
るだろう。ハイレベルな衣食住の要素が揃い、
シックな大人のエリアとして発展し
ている。そんな機能と美しさが融合された町に、審美修復で多くの患者さんから
支持される
「ウエマツ歯科医院」
が移転してきた。
東京都世田谷区
ウエマツ歯科医院
院長
植松厚夫 先生
診療室はすべて個室。落ち着いた雰囲気の中、ゆったりと診療を受けることができる。
大人のハイソサエティーエリア
街角のような雰囲気すら漂う。
世田谷区二子玉川
そんな二子玉川に、東京SJCD理事で審美
1969年に日本で初めての郊外型ショッピン
修復治療の第一人者でもある植松厚夫先生の
グセンター・玉川高島屋S・Cがオープンするま
「ウエマツ歯科医院」が2009年11月に移転開
では二子玉川は東京の外れだった。かつて路
業した。
面電車の玉電が渋谷からここまで走り、駅の東
二子玉川の街並み。
40
No.134 2010-8
側には二子玉川園というコンパクトな遊園地が
患者層の変化から二子玉川に移転
あった。それが、今では東京一洗練された大人
二子玉川に移る前の「ウエマツ歯科医院」
の町として、多くの人がここに住んでみたいと憧
は、1993年から横浜で開業していた。
れる地域にまで発展している。
「当初は地域に根ざした診療で、エンドやペ
“ニコタマ”
“フタコ”
という愛称で呼ばれる
リオの基本的な治療を大事に行っていました。
二子玉川は世田谷区の西南部に位置する。東
そのうち補綴が欠かせなくなってきたのですが、
京都と神奈川県を分ける多摩川が流れ、閑静
最初の頃はどうも綺麗なカタチに収まらない。
な住宅街と世界の高級ブランドが揃うショッピ
そんな時に山﨑長郎先生の東京SJCDを知り、
ングエリア、優雅で質の高いレストランなどが
そこのレギュラーコースを学んでいくうちに自分
融合した大人の町である。町を歩く人々もセン
の治療したいカタチが見えてきたのです。つま
スよく、玉川高島屋S・Cの裏手などは欧米の
り、機能と審美の融合です。その両バランスを
134 号 2010-8
12,308
機械室
入口
EV
診察室
X線室
バルコニー
10,948
パウダールーム
待合室
オペルーム
受付
カウンター
特診室
コンサルルーム
事務室
消毒コーナー
メインテナンス
ルーム
技工室
トイレ
更衣室
設計のポイント
『ゆるり二子玉川』
をデザインコンセプト
に自然を表現するベージュを基本に飽き
12,308
のこない優雅な空間を表現。
●多摩川のせせらぎをイメージして窓ガラス
機械室
や曲面ガラスには水面をイ
メージしたグラ
フィックシー
トを貼った。
EV
入口
●段 差を川の流れにみたて、ステップの間
診察室
接照明などで優しい空間を演出。
X線室
●
リズミカルな弧を描く曲面ガラスと、柔らかな照明で構成された空間。
バルコニー
パウダールーム
待合室
とって治療していくと結果も出しやすく患者さ
オペルーム
診療室と清潔なオペ室が設けられている。ジー
んも喜んでくれる。それ以来、審美修復治療が
シーのイオムPLUSも2台導入されている。
院と強い信頼感で結ばれ他の患者さんも紹介
増えてきたのです」
「特診室やオペ室は数人の見学者がいても
してくれると言う。
「ウエマツ歯科医院」のメイ
受付
カウンター
し満足感を味わってくれた患者さんは、歯科医
充分な広さを確保しました。とくに特診室は、
ンテナンス患者さんの中には、リタイア後秋田
特診室
ルーム
「審美修復治療が増えるとともに紹介患者
患者さんとゆっくり会話をしながら治療ができ
に移られた方も来られている。
さんも多くなり、世田谷区の自由が丘や二子玉
る空間で、患者さんも私もリラックスできるの
また、これからの歯科医院で大切なことは、
で大変気に入っています。ある意味で、自分の
その歯科医院を見ただけで先生の診療テーマ
そんな流れの中で患者層も変化してきた。
メインテナンス
川などから来られる方も多く
なりました。
それな
事務室
消毒コーナー
技工室
コンサルルーム
トイレ
更衣室
ら、自分が行いたい治療ニーズのある地域に
夢の診療室、希望が叶った診療室ですね」
が患者さんにも伝えられる診療空間デザインで
移ったほうが患者さんの利便性もよいのでは
実は「ウエマツ歯科医院」の空間デザインは、
ある。その意味からも、
「ウエマツ歯科医院」の
デザイン界で権威のある“インテリアプランニン
“機能と審美のバランス”
という診療コンセプト
グアワード2010”
で歯科医院で初めての授賞
は、
そのまま医院空間にも反映されている。まさ
歯科で初めてインテリアプランニングアワード
作品になった。手がけたのはジーシーの高級ユ
に、
これからの歯科医院の回答でもあるようだ。
2010を授賞
ニット・レフィーノのデザインイメージにも参加さ
玉川高島屋S・Cの隣にある「ウエマツ歯科
れたジョイントセンターの原兆英先生である。
ないかと思い移転してきたわけです」
医院」は、通常の歯科医院の空間イメージを超
えている。決して大きくないビルの2階だが内
機能面と審美面でのゴールをめざす
部はゆとりを感じる。
歯科医院経営が厳しいといわれる時代で、
「すぐそばに多摩川が流れていますから
『ゆる
患者さんに支持される歯科医院になるのには
り二子玉川時間』というのをテーマにデザイン
どうしたらいいのだろうか。
しています。4つの診療室はすべて個室で、多
「患者さんの信頼を得るためには、機能の回
摩川のせせらぎをイメージしたアールの流れで
復と審美のゴールを明確にして患者さんと一緒
メインの診療室を構成し、仕切りも曲面ガラス
にゴールをめざすことです。それが達成できた
を使って視覚的にも圧迫感がないようにデザ
ときは私たちも患者さんも嬉しい。もちろん基
インされています」
。待合室の窓ガラスや院内
本治療はしっかり行う。そのためには診断力を
の曲面ガラスには多摩川の水面をイメージした
しっかり磨くことが大事です。昔のように器用・
グラフィック処理が施され、優しい光の透過を
不器用で治療に差があってはいけない。診査
演出している。空間の中心部にアール型のゆっ
機器のCTやマイクロスコープにも投資するよ
たりした特診室を創り、川の流れをイメージし
うな覚悟で、患者さんの要求に応えていけば患
た通路の奥にはメインテナンスルーム、一般
者さんは必ず支持してくれます」
。ゴールを達成
No.134 2010-8
134 号 2010-8
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