表紙 の解説 百万塔 陀羅尼 ( 無垢浄光経 相輪 陀羅尼) 7 6 4 年 法 隆寺 旧蔵 百 万塔 陀羅尼 は世 界最 古 の 印刷物 として知 られ、大和法 隆寺 に伝 わ った もので あ る。 764年 (天平 宝字 8年 9月 )、恵美押勝 の乱 が 平定 された とき、称徳 天皇 の勅 願 に よ り二重の小木塔百万基 を作 り、 根本 ・相輪 ・自心 印 ・六度 の 陀羅尼 を印刷 し、 その一 種 をお さめ、 これ を奈 良 の十大寺 に 10万 基 ず つ 分 置 したが、大部分 は失 われ、現在 で は法 隆寺 に伝 存 す るのみで あ る。法隆寺 に伝 わ る もの は現 在 な お数多 く残 されて い るが、原形 に近 い もの はお よそ 300基 (内 100基 は重 文指定)し か残存 して い な い。 図書館情報 セ ン ター所蔵 の百万塔 陀羅尼 は、明治 41年 に法隆寺 か ら寺 門維持金基金者 に記念 として 放 出 され た最上級 品百基 の 内の一 基 で あ る。 (足立祐輔 ) 図書館情報センター所蔵 貴重資料の紹介 (1) ビオ ン ド「ロ ー マ 千 年 史 」 初 版 1483年 ベ ニ ス刊 本書 は古代 ローマ帝 国 が 衰 えていく410年 か ら1441年 秋 までの約 1000年 間 を記述 したイタリア通 史 の先 駆 的 な著 作である。ビオン ド (1388-1463)は ローマ教 皇の秘書官 として勤めた先駆 的な人文学者 であつた。古代 ローマの衰 亡 を研 究 した最初 の歴 史家 と言 われている。 本書 の最初 のベ ー ジには、16世 紀 になされた書 き込みがあり、カトリッ ク神学者で歴 史家 のエコラ・ サ ンダース (153い 1581)の 寄贈書である 旨が記 されているレ ンキュナブラとして貴重な資料である。(足立祐輔 ) ※ インキュナブラとい う言 葉はラテン語 incunabulumの 複数形 incunabulaで 、「 揺 りかご」とい う意 味 か ら転 じて 「出生地 J「初 めJを意 味 しま曳 本 の世 界 で は、金 属 活 字 により印刷 され 、印刷 年 が 1500年 以前のものをインキュナブラと呼んで いま曳 1500年 とい う区切 りは世紀 の変わ り目とい う便 宜 的 なもので、1501年 か ら本 の姿 が が らりと変 わったわけで はあ りませ ん 。本 の姿 の変 わ り目は 1530年 頃 にあるともいわれていま曳 金属 活字 による印刷術 を発明 したとされ るのはヨハ ン・グー テン ベル グ(c140t11468)で 、1640年 には印刷術 発明200年 祭が行われ ました。この時 初 めてインキュ ナブラとい う言葉が使 われたようで曳 (国立 国会図書館 インキュナブラ西洋 印刷技術 の黎明より引用)
© Copyright 2025 ExpyDoc