可茂聖苑新火葬場基本計画

可茂聖苑新火葬場基本計画
平成27年3月
可茂衛生施設利用組合
<
目 次
>
1.計画の背景と目的……………………………………………………………
-1-
2.将来火葬需要の予測…………………………………………………………
-1-
3.現施設の現状と課題…………………………………………………………
-2-
4.基本方針の設定………………………………………………………………
-3-
5.施設の建設地…………………………………………………………………
-4-
6.火葬炉数の設定………………………………………………………………
-5-
7.施設の基本計画………………………………………………………………
-6-
8.事業手法及び今後のスケジュール…………………………………………
-8-
1.計画の背景と目的
可茂衛生施設利用組合(以下「組合」という。)の火葬場である可茂聖苑(以下「現施
設」という。)は、昭和44年度に建設され、昭和58年改築工事から約30年が経過し、火葬
炉の根本的な劣化や建物の構造的な劣化が進んでいます。また、火葬炉に冷却前室が無く
収骨室も一つであることから、火葬から収骨までの時間が長いことや、施設機能において
も待合室や駐車場の狭小など多くの課題を抱えています。
更に、急速な高齢化により火葬件数の増加が予測されており、施設規模等の見直しも必
要となっています。
このため、周辺環境との調和と環境保全にも十分配慮した新火葬場の建設に必要な基本
方針と、整備内容の基本的事項を定めるものです。
2.将来火葬需要の予測
(1) 人口の予測
将来人口の推計は、国立社会保障人口問題研究所の推計値を用いて行いました。なお、
可児市の将来人口については、平成25年7月に公表された「可児市の人口推計」を用いて
います。
(2) 死亡者数の予測
平成20年度から平成25年度までの過去の75歳以上人口に対する死亡者数比率の平均値
8.4%を死亡率と設定し、将来人口から算出しました。
(3) 施設利用者数(火葬件数)の予測
管内死亡者数と現施設の火葬件数は、過去の火葬実績から平均利用率が93%であるた
め、死亡者数予測に93%を乗じて算出しました。
また、管外死亡者の利用も引き続き利用を見込み、管内死亡者の火葬件数との比率の
平均値である4.4%を管外死亡者の利用数として算出しました。
表1
平成
年度
管内総人口
総人口
75歳以上
将来人口・将来火葬件数表
死亡者数
管内
管外
総火葬
火葬件数
火葬件数
件数
25
210,520
23,872
1,958
1,821
80
1,901
31
208,716
28,820
2,421
2,252
99
2,351
36
204,612
34,481
2,896
2,693
118
2,811
41
198,803
37,380
3,140
2,920
128
3,048
46
192,078
37,012
3,109
2,891
127
3,018
51
184,179
35,451
2,978
2,770
122
2,892
※平成25年度は実績数値です。
1
3.現施設の現状と課題
現施設の現状と課題を表2に整理しました。
表2
現状と課題
項目
現状と課題
火葬需要への対応
火葬炉8基で受入れから収骨まで3時間程度要するなど、将来需要
に対応できないため、必要な炉数と最新の設備機能の整備が必要
です。
施設の老朽化
現施設は築30年を経過しており、建物及び火葬炉の老朽化が著し
くなっています。
機能上の問題
告別室・収骨室が1室しかなく、ロビーも待機スペースが無いた
め、会葬者の動線が他の会葬者と交錯しています。また、待合室
も一葬家12名迄しか収容できない程の狭小であることや、間仕切
りがない等のプライバシーに十分な配慮ができません。
駐車場が狭小
マイクロバス、自家用車とも午後の時間帯に満車となることが多
くなっています。
2
4.基本方針の設定
現施設の課題をふまえ、新火葬場整備にあたっての基本方針を次のように設定します。
方針1 将来の火葬需要に対応した施設づくり
高齢化の進行に伴い、増加する火葬需要に必要な施設規模・機能を備えた施設にします。
方針2 良質なサービスと人にやさしい施設づくり
火葬場は故人と遺族の最後の別れを行う場所であることから、遺族や会葬者の心情に配
慮した質の高いサービスの提供をします。
また、高齢者や障がい者に配慮したバリアフリー・ユニバーサルデザインを採用すると
ともに、プライバシーを十分に確保した施設にします。
方針3 すべての利用者にわかりやすく、使いやすい施設づくり
遺族や会葬者にわかりやすい動線、配置、適切な高低レベルの設定、案内表示の徹底な
ど、必要な設備や機能を整備し、すべての人にとってわかりやすく安心して利用できる施
設にします。
方針4 周辺地域と調和した緑豊かで、環境に配慮した施設づくり
既存の豊かな緑を残しつつ、敷地内には緩衝緑地を設け、外観を周りの景観と調和させ
るとともに、旧来の火葬場のイメージを払拭した施設にします。
また、火葬による燃焼ガス、騒音、振動、悪臭等は国の規準を遵守し、周辺環境への影
響を最小限に抑えられる最新の火葬炉設備を設置します。
方針5 災害に強い安全安心な施設づくり
災害時や非常時における耐久性を重視し、機能的・構造的にも災害に強い施設にします。
3
5.施設の建設地
建設地は現施設の北側の用地で、住宅地・市街地からも十分離れており、周囲から見え
にくい位置にあり、建物の配置位置としても西南端が最適と考えます。
なお、当該用地には美濃加茂市所有地2筆が含まれますが、現施設用地(組合所有地)と交
換をする予定になっています。
建設地の場所及び面積
場所:美濃加茂市蜂屋町下蜂屋伊瀬入会字粟地37-7他
面積:約28,000㎡
図1
建設地の場所
N
4
図2
N
建物の配置図
6.火葬炉数の設定
新火葬場に必要な火葬炉数は、火葬件数の集中する日を想定し、その日を運転するため
に必要な炉数を算出するもので、年間総火葬件数、年間稼働日数、火葬集中係数から算出
しました。
表3
平成
総火葬
年度
件数
稼働日数
必要火葬炉数表
1基当たりの
火葬
平均火葬数
集中係数
必要炉数(炉)
25
1,901
302
1.82
2.21
7.64
8
31
2,351
302
2.00
2.00
7.79
8
36
2,811
302
2.00
2.00
9.31
10
41
3,048
302
2.00
2.00
10.09
11
46
3,003
302
2.00
2.00
9.99
10
51
2,892
302
2.00
2.00
9.58
10
※1
算定は「火葬場の建設・維持管理マニュアル」
(特定非営利活動法人日本環境斎苑協会発行)
によるものです。
※2 火葬集中係数とは、想定する最多件数(年に数回の特異日を除いた)を一日平均件数で割った
ものです。
※3 平成25年度は実績数値です。
5
7.施設の基本計画
(1) 施設の機能
火葬場の計画にあたっては、施設内での火葬等の葬送行為が支障なく合理的に行われ
るよう、会葬者の状況や火葬時間、待合の方法など、この地区の慣習等を考慮する必要
があります。次の3つの機能で構成します。
①火葬機能:告別、火葬、収骨を行います。
②待合機能:火葬が行われている間、会葬者が過ごします。
③管理機能:事務、管理を行います。
(2) 火葬機能
施設の主要な設備であり、玄関ホールから告別、火葬、収骨までを行う場所で、会葬
者にとって分かりやすく、他の会葬者との交錯に配慮した動線とし、プライバシーを十
分確保した設備とします。
①玄関ホール
会葬者が最初に訪れる場所であり、ゆとりのある落ち着いた空間とすること及び、
車寄せはバスの進入に対応できる大きさや高さ及び降雨時にも有効な庇を確保しま
す。
②告別室・収骨室
最後のお別れの場所にふさわしい厳かで落ち着いた空間で、ゆとりのある広さと
して順番を待つことのないよう必要数を確保します。
③火葬炉
最近の火葬場整備事例と同様に、遺体の大型化に合わせた大型炉を標準的な炉と
し、環境に配慮した最新鋭の設備とします。
④霊安室
一時的に遺体を保管するための安置室を配置し、遺体保冷庫を設置します。
⑤動物炉
ペット等の火葬を行うために動物炉を1基設置します。なお、一般の火葬との動
線を分けた位置に配置します。
(3) 待合機能
告別の後、会葬者が収骨までの間、待ち時間を過ごす場所となります。
①待合ロビー
会葬者数の変動に対応できる十分な広さを確保します。
②待合室
時間当たりの火葬件数に対応できる部屋数の確保を図るとともに、プライバシー
に配慮した配置と構造にします。また、平均会葬者25~35人程度に見合った広さを
確保するとともに、高齢者等の会葬者に配慮した洋室を主とします。
6
③湯沸室、自動販売機など
待合室に付属する設備として、湯茶等サービスのための湯沸室や自動販売機コー
ナーを配置します。
(4) 管理機能
事務室は施設全体の管理と利用手続きを行う場所で、利用者の出入りや葬送の動きを
把握しやすい場所に配置します。
(5) 駐車場及び外構
①駐車場
利用者の主な交通手段は、マイクロバス及び自家用車となっており、一葬家当た
りの車両台数及び火葬スケジュールを踏まえ十分な駐車スペースを確保します。
②外構
施設と周辺との調和を保つため、植栽や緑地を設け、周辺環境との調和に努めま
す。
(6) その他
現施設には、通夜、葬儀が行える最大50名まで収容可能な式場が貸しホールとして1
室ありますが、利用件数はわずかであり、管内には民間葬儀業者の一般葬や家族葬用の
ホールも点在していることなどを考慮し、式場は設置しない方向とします。
7
8.事業手法及び今後のスケジュール
(1) 事業手法
民間の持つ資金、経営能力及び技術的能力を活用することにより、サービス水準の向
上や財政負担の軽減並びに平準化等を目的としたPFI手法で行います。
(2) 今後のスケジュール
平成31年度からの供用開始を目指し、スケジュールは表4のとおりです。
表4
今後のスケジュール
年度
内
容
事業者選定委員会の設置(学識経験者等)
事業者募集要項等作成業務(27~28年度継続)の業者選定
27
環境影響評価(27~28年度継続)
地質調査
実施方針(案)及び要求水準書(案)の公表=意見・質問の募集
特定事業の選定及び公表
28
事業者の募集、選定及び公表(整備運営事業の債務負担行為議決)
基本協定書に締結
仮契約、本契約(議会議決)
実施設計
29
墓地埋葬法の経営許可
建設工事着工
30
新火葬場竣工
新火葬場供用開始
31
旧火葬場撤去工事
土地交換の登記手続き
8