SIMetrixリアルタイムノイズ 1 目次 • リアルタイムノイズ解析とは? • ノイズ源 – ノイズ波形 – スペクトル成分 – 1/f ノイズ • 実行中での実施 2 小信号ノイズ • 従来のSPICEノイズ解析は、小信号です。 • 小信号解析は高速で、ノイズ源について詳細な情報を提供することができます。 • しかし: – 小信号ノイズは、一つの動作点において、直線の小信号動作と仮定しています。 – 小信号ノイズは、ノイズ自体は動作点に大きく影響しないという前提に基づ いています。 – 小信号ノイズは、ノイズを信号とは独立した要素として扱えるという前提に基 づいています。 – 多くの場合、小信号の前提条件が正しいかどうかを決めるのは、困難または 不可能です。 • 従って、小信号ノイズは、常に適切な解析手法であるとは限りません。特に、ミキ サー、スイッチドキャパシター回路、サンプルホールドに通常は適していません。 3 リアルタイムノイズとは? • リアルタイムノイズとは、時間領域内の実際 のノイズです。ランダムに生成されたノイズ 信号が、回路内のノイズを発する素子に適用 されます。 • 小信号を線形化する仮定はしていません。 • あらゆる種類の回路のノイズ解析に使用でき ます。 4 リアルタイムノイズ解析はどのよ うに行われるか? • 小信号ノイズ解析で使用されるノイズ源の代わりに、PWLノイズ 源が接続され、小信号ノイズ解析の場合と同じ計算式を用いて、 ノイズの大きさを設定します。 • 例えば、ダイオードのショットノイズは、単純な電流源によ りモデリングされます。 s qrt(2.q.id) 5 ノイズ源の波形 • 各ホワイトノイズ源はPWL波形を生成し、その 各ポイントはガウス分布のランダムな値を持っ ています。 1 0.8 0.6 0.4 0.2 -0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 0 Time/uSecs 5 10 15 20 25 30 5uSecs/div 6 代替ノイズ源 • 四角のノイズ源を使用することができます。 • より幅広いスペクトルを持つが、早いエッジはパフォーマンスの問 題につながります。また、1/fノイズのベースとしては劣っていま す。これについては後述します。 典型的な四角のノイズ信号 Square Noise / V 2 1 0 -1 -2 58 Time/uSecs 60 62 64 66 68 70 72 2uSecs/div 7 ノイズ源 • • 平坦なスペクトルを持つノイズ源を作成する必要があります • • 実際のノイズサンプルは、ガウス分布を示します。 サンプリングしたノイズ源(実際のノイズ信号を一定の間隔でサンプリン グしたもの)を使います スペクトル成分は下記の特性に従います . f sin f0 . f f0 2 ここでf は周波数で f0 = 1/rtnstepです 8 ノイズスペクトル RTNSTEP=100pのユニッ トホワイトノイズ源の理論 上のスペクトル -5 1dB @ 1.86G 3dB @ 3.18G ノイズスペクトル / db -10 -15 -20 -25 -30 -35 1M 2M 5M 10M 20M 50M 100M 200M 500M 1G 2G 5G 10G f/ 9 ノイズスペクトル 90 80 70 60 m 50 40 30 20 10 0 100 0 Frequency 200 300 400 /kHertz 500 100 kHertz / div 理論上のスペクトル vs “実測”のスペクトル T=1ms, ノイズステップ = 2 μ, σ=1 10 フリッカーノイズ • 周波数依存ノイズについては、ステップサイズを上げなが ら、複数オクターブ源を合計します。 最大値 >= 1/Tstop 115 Time/uSecs 120 125 130 135 140 5uSecs/div 11 フリッカーノイズ • 各オクターブ源の振幅は、1/f 指数(通称EF) を満たすように決められます。 • 従って、ノイズ信号は次のようになります: c0*W(t) + c1*W(t*2) + c2*W(t*4)…+ cn*W(t*2^n) t*2^n >= Tstop 12 フリッカーノイズスペクトル 1k 400 EF=0.75 200 EF=1 フリッカーノイズスペクトル / ? 100 40 20 10 フリッカーノイズスペクトル ノイズ源の数 = 20 4 RTNSTEP = 100p 2 1 400m 200m 10k 20k 40k 100k 200k 400k 1M 2M 4M 10M 20M 40M 100M 200M 400M 1G 2G 4G f/ 13 フリッカーノイズスペクトル (スクエア源を使用) 1k EF=1 400 200 100 XY(sqrt(res), f) / ? 40 EF=0.75 20 10 フリッカーノイズスペクトル スクエア源を使用 4 ノイズ源の数 = 20 RTNSTEP = 100p 2 1 400m 200m 10k 20k 40k 100k 200k 400k 1M 2M 4M 10M 20M 40M 100M 200M 400M 1G 2G 4G f/ 14 実行中での実施 • ノイズ源は、通常の信号源のようには固定されていませ ん。振幅は、デバイスのバイアス条件により変化します。 • ノイズ源は、通常の信号源のように扱うことができます。振 幅はリアルタイムノイズの各ステップの開始時に決定・固定 されます。 • これは単純な方法ではあるものの、ノイズステップよりも短 い時間内に動作点が大幅に変わるようなシミュレーションに おいては、重大なエラーを招く可能性があります。 15 固定ノイズ源の問題点 ステップは sqrt(KT/C) = 2uV のオーダーであ 100 るべき 明らかに何かが間違っています 80 60 C1 1n Pulse(0 5 0 100n 100n 50u 100u) V1 S1-P / uV S1 40 20 -0 -20 -40 -60 -80 -100 0 Time/mSecs 0.2 0.4 0.6 0.8 1 200uSecs/div 16 固定ノイズ源の問題点 S1-P / uV 60 40 20 0 -20 S1-CP / V 4 3 2 1 I(C1-N) / nA 0 40 30 スイッチオン、ノイズ電流が 抵抗を通って流れている 20 スイッチオフ (1Meg) 電流はキャパシターに流れている 10 -0 次のノイズステップ、 ノイズ電流は正しい値 への軌道を開始 649.5 Time/uSecs 650 650.5 651 651.5 652 652.5 653 500nSecs/div 17 実行中での実施 • 各ノイズステップではなく、各タイムステッ プにおいてノイズ源が変調されているという ことを確実にすれば、問題を克服することが できます。 • しかし、それを行った場合、そのノイズ源は 固定とはみなされなくなり、デバイスの動作 点に影響していることになります 18 ダイオードの例 単純なダイオードの方程式 q.V id IS . exp d 1 K .T idnoise N (). 2.q.id idtot id idnoise 上記の式において、idnoiseはidに依存するため、シミュレーターのジャコビ行列への入力を計算する際には、 その派生物を含める必要があります。ほとんどのデバイスにおいて、これは行われておらず、収束を阻害する 可能性があります。 ただし実際には、ノイズ素子は小さいため、通常これは問題にはなりません。 Verilog-Aデバイス(HicumやPSPを含む)は派生物を正確に評価するため、この問題は発生しません。 19 RTNモード • RTNMODEオプションを使って、前述の2つ の代替方法を選択することができます。 • RTNMODE=1 は固定ノイズ源のオプション • RTNMODE=0 は変調されたノイズ源のオプション 20
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