後期日程試験廃止後、それに代わる新しい入試制度の

大学名
京都大学
表 題
平成28年度入試から導入する京都大学特色入試について
概 要
京都大学では、後期日程試験廃止後、それに代わる新しい入試制度の検討を継続して行ってき
た。特に、平成23年度以降では、高大接続型の新しい入試制度導入のために、入学試験委員会
の下に「入学者特別選抜プロジェクトチーム」や「特色入試実施検討WG」を設置、また、総長
諮問機関である「入試検討タスクフォース」を設置し、集中的に議論を重ねてきた。
その結果、平成28年度入試より、高大接続型京大方式特色入試を全学部で導入することを決
定し、平成25年3月に公表した。
なお、特色入試の検討や実施を支援するため「入試改革検討本部」を平成24年11月に設置
し、専門的知識を有する人材を採用して検討に必要な業務を行っている。
この特色入試は、高大接続と個々の学部の教育を受ける基礎学力を重視し、
①高等学校での学修における行動と成果の判定
②個々の学部におけるカリキュラムや教育コースへの適合力の判定
を行い、①と②の判定を併せて、高等学校段階までに育成されている学ぶ力及び個々の学部の教
育を受けるにふさわしい能力並びに志を総合的に評価して選抜するものである。
①については、高大接続を重んじるという観点から、高等学校での学修における行動や成果を
丁寧に評価するため、「調査書」に加え高等学校長が作成する「学業活動報告書」や「推薦書」
を提出していただき、志願者の高等学校在学中の顕著な活動歴から受験科目以外にどういったこ
とを学んできたか、どういった活動を実践してきたかを見る。さらに、志願者が作成する「学び
の設計書」等を基に、高等学校での活動内容から本学において何を学びたいのか、卒業後本学で
の学びを活かしてどういった仕事に就きたいのかといった、志願者自らの学ぶ意欲や志について
審査する。
②については、学部が定めたカリキュラムの内容を修得するのに必要とされる基礎学力や個々
の学部における教育コースにとって望ましい能力を重んじるという観点から、書類審査に加えて
大学入試センター試験の成績、能力測定考査、論文試験、面接試験、口頭試問等を組み合わせて
実施する。
また、この特色入試では、「各学部が特色入試を通じて求める人物像」を定めており、定めた
人物像に見合った学生が志願・入学してくれるよう学部ごとに「推薦入試」「学力型AO入試」
「後期日程試験」と分かれ、それぞれ特色ある選抜方法となっている。
平成26年3月に「平成28年度京都大学特色入試選抜要項《概要》」を発表後、高等学校現場
のご意見を伺うため、約240校の高等学校にアンケートを依頼するとともに、近畿圏内のいく
つかの高等学校には直接出向いてご意見を伺った。また、全国各地で高等学校進路指導教諭対象
の意見交換会や特色入試説明会を開催し、その場においても忌憚ないご意見を伺った。いただい
たご意見を参考に検討を重ね、平成26年12月に「平成28年度京都大学特色入試選抜要項《予
告》」、「提出書類様式」、「サンプル問題」を発表したところである。高等学校の協力なくし
して成り立たない入試制度であるため、今
後も高等学校と二人三脚でより良い入試に
していきたいと考えている。
URL
http://www.nyusi.gakusei.kyoto-u.ac.jp/tokushoku/