商船三井の定航事業、本社機能を香港へ移管 PDF

成功した企業
“香港は仕事をするにも、生活をするにも
非常に安全で快適な都市。”
株式会社商船三井
代表取締役社長執行役員
池田潤一郎氏
商船三井の定航事業、本社機能を香港へ移管
香港はグローバル機能の最適拠点
商船三井グループは、世界各地で約 950 隻の船舶を運航する
複合輸送事業の企業集団です。同社は鉄鉱石、石炭、ウッド
チップ(製紙原料となる木片)などを輸送する不定期専用船
(ばら積船)、原油・原油製品を輸送する油送船(タンカー)、
LNG(液化天然ガス)船、自動車専用船、フェリー、クルーズ
客船など、幅広い分野での国際海上輸送に従事し、保有船舶
数、総載貨重量のいずれにおいても世界トップクラスです。
同グループの定航事業は香港に統括拠点を置き、現在20 フィート
コンテナ換算で 4,250 個型から 14,000 個型までのコンテナ船
約 100 隻を所有(2017 年には更に 20,000 個型コンテナ船 6 隻
を取得予定)、自営航路のみならず他社との共同運航により、
世界各地を網羅するネットワークを確立し、週に約 80 便運航
しています。2014 年度には商船三井グループの売上高は
150 億米ドルに達しました。
同グループの定航事業を見ると、全世界では約 4,400 名が同事
業に従事しており、そのうち 680 名以上が香港に在籍して
います。それらは、事業統括本社、地域統括会社、船舶代理
店事業会社、システム関係事業会社、ロジスティクス事業会
社の 6 つの事業体に配置されています。現在、事業統括本社
では約 190 名の従業員がスペースコントロール、ネットワーク
計画、船隊管理、マーケティング、営業、コンテナの調達及
び管理、本船運航管理等のグローバル機能に従事しています。
また、香港に設置されたデータセンターは米国のデータ
センターのデータをリアルタイムでバックアップする機能
を有しており、システム面での統括を行う定航事業の Chief
Information Officer も香港に拠点を移しています。
人的資本の活用
外航海運業を取り巻く外部環境は常に変化しており、不安定な世
界経済動向もあり、益々厳しさを増しています。このような状況
下で同社が目指すのは、『コストを合理化しつつ、高品質の海上
輸送サービスを提供すること』であり、具体的にはオンタイムで
のカーゴデリバリーや顧客の要求に対する迅速且つ適切な対応が
挙げられます。一方、これを進める為には優秀な人材の確保・
育成が重要となります。
香港への業務移管の理由として、「優秀な人材を確保できる点」と
指摘するのは池田潤一郎氏(株式会社商船三井代表取締役社長
執行役員)です。更に、池田氏は「香港の大学では、海運・物流・
サプライチェーンの学士課程、修士課程が充実しており優秀な
人材が継続的に社会に送り出されています」と続けた上、「海運業
界に対する確固たる歴史と実績、成長地域に隣接した地理的条
件、良好で整備されたインフラ、効率的な行政、法順守が確保
された商習慣なども移管した理由です」とし、香港には商船三井
の定航事業の拠点として必要な条件が全て整っていると述べて
います。
これまでの業務移管により約 20 名のスタッフが東京から異動、
2012 年後半からは池田氏本人も1年の半分を香港での陣頭指揮に
あて、残り半分を東京で執務をとる体制へ移行しました。池田氏
は「香港は仕事をするにも、生活をするにも非常に安全で快適な
都市」と結んでおり、香港を拠点に更なるコンテナ船サービス事
業の強化を行う意欲を新たにしています。
株式会社商船三井
• 1884 年設立、本社は東京
• 保有船舶数は世界中で 950 隻以上、同社グループ
従業員数 10,000 名。その内約 4,400 名が定航事業に
従事
www.molpower.com
investhk.gov.hk
発行日:2013 年 3月
改訂日 : 2015 年 9月
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