株式会社エンプラス:SAP® ERPを世界23拠点に グローバル

© 2015 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.
SAP Business Transformation Study | Industrial Machinery & Components |株式会社エンプラス
株式会社エンプラス:SAP® ERP を世界 23 拠点に
グローバルワンインスタンスで導入
業務の標準化と可視化により経営品質を向上
エンジニアリングプラスチックによる精密機構部品の開発、製造を手がける株式会社エンプラス。
同社は SAP® ERPをグローバルワンインスタンスで導入し、
データの一元化、業務の標準化を実現しました。
システム構築にあたり、
アドオンの本数を最小限に抑えたことでロールアウトも順調に進み、
2 年間で展開を終えています。導入によって経営管理の品質が向上したほか、海外拠点で活躍できる
人材の育成などの効果も現れています。
SAP Business Transformation Study | Industrial Machinery & Components |株式会社エンプラス
事業概要
社名
株式会社エンプラス
本社
埼玉県川口市
業種
自動車・電子部品製造
事業内容
オプト事業、エンプラ事業、
半導体機器事業、LED 関連事業
従業員数
連結:約 1,500 名 単体:約 230 名
(2014 年 3 月末現在)
売上高
連結:396 億 5,000 万円
(2015 年 3 月期)
ビジネスの変革
達成項目
導入目的
2年以内
• 海外拠点の財務状況の可視化、管理レベルの向上
• 業務オペレーションの標準化
• 将来的な業務拡張やグローバル展開への柔軟な対応
国内外 14 拠点への
SAP ERP の展開期間
十数本
解決施策
• 50 年、100 年の使用に耐える基幹システムとして SAP® ERP を採用
• トップダウンによるプロジェクトの推進
• 会計・販売、生産管理、運用保守それぞれに
アドオンの本数
(インターフェース、帳票は除く)
別の導入支援パートナーを活用してリスクを分散
変革の結果
最短 1 カ月
• 拠点の新規設立に際し、必要な環境を 1 か月で構築・人材の流動化が促進
• 少ない要員増での大幅な売上高増加(生産性の向上)
海外 1 拠点への
ロールアウト期間
詳細を読む
Web サイト
www.enplas.co.jp
「グローバルワンインスタンスにより、
どの拠点からも世界中の経営管理情報が
見られるようになり、財務業務の透明化が実現しました。さらに、業務の標準化で
属人的な業務処理をなくし、
グローバル人材の育成も可能となっています」
酒井崇氏 株式会社エンプラス 取締役兼専務執行役員 経営企画管理本部長
2/6
© 2015 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.
SAP Business Transformation Study | Industrial Machinery & Components |株式会社エンプラス
概要
導入目的
解決施策
変革の結果と効果
今後の計画
海外拠点の個別最適を解消し
本社主導による管理レベルの向上へ
1962 年設立のエンプラスは、ギヤ製品を主力とするエンジニア
リングプラスチック事業で培った技術を応用しながら、半導体機
当時から海外ビジネスの成長を予測していた同社は、日本、
アジ
ア、
アメリカの各拠点を結ぶ共通の業務基盤を確立し、財務会計
器事業、オプト事業、LED 事業へと事業領域を拡大してきました。 を中心とした業務の標準化、可視化を図ることにしました。
同社の製品は、OA 機器、自動車、電化製品、通信用デバイス、液 「当初の目的は特に海外拠点の『悪さの見える化』でした。各国
晶テレビなどに組み込まれ、各種産業の成長を支えています。そ
を訪問した時に状況がすぐわかるよう、世界各拠点の業務手順を
られています。現在は、アジア各国を中心に、アメリカ、ヨーロッ
での個社別管理から事業部単位で管理するマネジメントスタイ
の技術力は海外からも高く評価され、多方面からニーズが寄せ
パでビジネスを拡大。海外の売上高比率は 2014 年 3 月期に
同一のものにする必要がありました。また ERP 導入に際し、今ま
ルの変更も決定しました」
(酒井氏)
70% を超えています。
同社の海外ビジネス拠点では、2009 年までは各拠点や子会社
が独自に導入した基幹システムを利用し、
それぞれで管理業務を
行っていました。取締役兼専務執行役員 経営企画管理本部長の
酒井崇氏は次のように振り返ります。
「当時は個別最適が競争力の強化につながると考えていました。
しかし、結果的に属人化が進むことへの危機感に加え、日本の本
社から各拠点の財務状況が見えないと、経営管理上のリスクが
高まるという思いが強くなってきました」
3/6
本社が主導する
経営管理の強化へ
© 2015 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.
SAP Business Transformation Study | Industrial Machinery & Components |株式会社エンプラス
概要
導入目的
解決施策
変革の結果と効果
今後の計画
経営トップの強力なリーダーシップにより
SAP® ERP の全拠点への展開を2 年で終了
世界共通のシステム基盤には、グローバルでの実績が豊富な
アドオンの本数は最終的に約 120 本程度となりましたが、ほとん
要で、ベンダーの継続性も重視しました」と酒井氏は語ります。
任者の佐薙亮次氏は説明します。
「エンプラスが存続する限り使い続け
SAP ERP を採用しました。
ることを考えると、50 年、100 年先の使用に耐えるシステムが必
どが帳票や EDI のインターフェース、マスター登録などで「実質
的なアドオンは十数本程度です」と IT 企画グループ グループ責
財務管理の強化を優先するため会計・販売にターゲットを絞り、 会計・販売モジュールのカットオーバー後には、標準化が遅れて
2009 年から導入をスタート。2010 年 4 月に国内システムを稼
動させ、2011 年 7 月には国内外 14 拠点すべてへの展開を終えま
した。データは国内のデータセンターに集約され、
グローバルワン
インスタンスを実現しています。
いた生産管理モジュールを生産拠点に追加導入。結果的に、
会計・
販売の導入、生産管理の導入、アプリケーション保守の 3 つは、
別々の導入支援パートナーに依頼することになりましたが、その
目的は経営リスクの分散にあるといいます。
「導入支援パートナー
「2 年以内に導入するため、スケジュール厳守を最優先しました。 各社が当社の業務を知ることにより、1 社に依存するリスクが回
また、標準機能をとにかく使うというポリシーをトップダウンで徹
底させました」
(酒井氏)
避できるからです。複数のパートナーを採用できたのも標準機能
を守り、
アドオンの本数を抑えたからにほかなりません」
(酒井氏)
「短期導入を実現するために、経営トップが要件定義のフェーズから
深く入り込み、素早い意思決定で標準機能厳守のポリシーを
徹底していきました」
酒井崇氏 株式会社エンプラス 取締役兼専務執行役員 経営企画管理本部
4/6
© 2015 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.
SAP Business Transformation Study | Industrial Machinery & Components |株式会社エンプラス
概要
導入目的
解決施策
変革の結果と効果
今後の計画
業務の標準化と全拠点の可視化が実現し
経営品質と生産性が向上
2011 年以降も、新規拠点の設立や子会社の買収に応じて順次
SAP ERP を導入。2015 年 5 月現在、国内 5、海外 18 の合計 23
拠点で SAP ERP が稼動しています。
「標準化を徹底した結果、小さな販売会社なら 1 カ月強でシステ
ムを立ち上げることができます。導入自体はベンダーにすべて外
注しているので、当社にかかる負担はありません」
(佐薙氏)
一方で、どの拠点からも経営管理情報が見られるようになり、財
らず、従業員数の伸びが約 6%で抑えられている点についても「業
務の標準化、自動化が生産性向上に貢献している効果は少なく
ありません」と酒井氏は述べています。
属人化の排除により、
グローバル人材の育成が可能になったこと
も効果の 1 つです。同社では現在、会計に精通した人材を育成す
るために、各リージョンの有望な人材に決算、経営分析、予算管
理などを担当させながらノウハウを蓄積させ、将来的にはリー
務業務の透明化が実現。経営品質の向上につながっています。 ジョン長や本社人材に採用することを構想しています。
また、会計業務の標準化により、今期は決算処理の期間を 30 日 「副次的な効果ですが、海外拠点のどこでも同じオペレーション
から 20 日に短縮することを目標にしています。
が実現したことで、現地スタッフにさまざまなキャリアプランを提
SAP ERP の導入を開始した 2010 年から 2014 年まで、同社の
供することも可能になります」
(酒井氏)
連結売上高は 182 億から 395 億円とほぼ倍増しているにも関わ
導入効果
2年以内
国内外 14 拠点への
SAP ERP の展開期間
十数本
アドオンの本数
(インターフェース、帳票は除く)
5/6
最短 1 カ月
海外 1 拠点への
ロールアウト期間
© 2015 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.
株式会社エンプラス
概要
導入目的
解決施策
変革の結果と効果
今後の計画
勘定科目の
グローバル統合で
真の財務会計の標準化へ
今後、エンプラスは連結会計システムを機能強化し、決算情報の
効率的な収集と連結会計処理を実現していく考えです。さらに、
勘定科目をグローバルで共通化する作業にも着手しています。
「勘定科目のグローバル統合は、SAP ERP の導入を検討した当
初から念頭にありましたが、短期導入を優先し、あえて見送って
いました。今後、勘定科目を統一すれば、
どの拠点でも同じコード
で同じ作業ができるようになるため、さらなる標準化が進められ
ると見込んでいます。また、ERP を導入したことでどの拠点でも
同じオペレーションができるようになり、グローバルでの人材適
正配置を考えることが現実的になりました。現在は国をまたいだ
人材の流動化をより高めるために、人事制度の再設計に取り組ん
でいます」
(酒井氏)
エンプラスが挑んだグローバルワンインスタンス化、経営トップの
リーダーシップによって実現した SAP ERP のグローバル展開は、
新たな進化に向けて踏み出しています。
お問い合わせ先
www.sap.com/japan/contactsap/
0120-786-727(受付時間:平日 9:00 ∼ 18:00)
49009758(SE/15/06)
© 2015 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.
6/6
© 2015 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved.
本書のいかなる部分も、SAP SE または SAP の関連会社の明示的な許可なくして、いかなる形式でも、いかなる目的にも複製または伝送することはできません。
本書に記載された情報は、予告なしに変更されることがあります。SAP SE およびその頒布業者によって販売される一部のソフトウェア製品には、他のソフトウェアベンダーの
専有ソフトウェアコンポーネントが含まれています。製品仕様は、国ごとに変わる場合があります。
これら
これらの文書は、いかなる種類の表明または保証もなしで、情報提供のみを目的として、SAP SE またはその関連会社によって提供され、SAP またはその関連会社は、
文書に関する誤記脱落等の過失に対する責任を負うものではありません。SAP またはその関連会社の製品およびサービスに対する唯一の保証は、当該製品およびサービスに
伴う明示的保証がある場合に、
これに規定されたものに限られます。本書のいかなる記述も、追加の保証となるものではありません。
特に、SAP SE またはその関連会社は、本書もしくは関連の提示物に記載される業務を遂行する、またはそこに記述される機能を開発もしくはリリースする義務を負いません。
本書、
もしくは関連の提示物、および SAP SE もしくはその関連会社の戦略ならびに将来の開発物、製品、および/またはプラットフォームの方向性ならびに機能はすべて、変更
コード、もしくは機能を提供
となる可能性があり、SAP SE もしくはその関連会社により随時、予告なしで変更される場合があります。本書に記載する情報は、何らかの具体物、
するという確約、約束、
または法的義務には当たりません。将来の見通しに関する記述はすべて、
さまざまなリスクや不確定要素を伴うものであり、実際の結果は、予測とは大きく
異なるものとなる可能性があります。読者は、
これらの将来の見通しに関する記述に過剰に依存しないよう注意が求められ、購入の決定を行う際にはこれらに依拠するべきで
はありません。
ドイツおよびその他の国における SAP SE(または SAP の関連会社)の商標
本書に記載される SAP およびその他の SAP の製品やサービス、ならびにそれらの個々のロゴは、
もしくは登録商標です。本書に記載されたその他すべての製品およびサービス名は、
それぞれの企業の商標です。商標に関する詳細の情報や通知に関しては、http://global.
sap.com/corporate-en/legal/copyright/index.epx をご覧ください。