4. 広域拠点エリア及び広域的都市機能誘導エリア

4. 広域拠点エリア及び広域的都市機能誘導エリア
山梨県の「富士北麓都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」
(以下、
「区域
マス」と記す)では、
『都市の課題』として、無秩序に拡散した都市における非効率な公共
投資は、厳しい財政状況をさらに逼迫することとなるとして、都市における既存ストック
の活用、都市機能の集約化、中心市街地の活性化、まちなか居住の推進を求めています。
また、分散傾向にある商業機能、特に大規模集客施設の適正な立地を求めています。
この区域マスの拠点方針エリアを踏まえ、中枢業務機能、高次の医療、多様なニーズに
対応した教育、文化、商業、福祉等の都市機能の集約を図る広域拠点エリアを定めます。
また、広域拠点エリア内、特に広域的に都市構造へ影響を及ぼす大規模集客施設の立地
を可能とするエリアとして広域的都市機能誘導エリアを設定します。
① 広域拠点エリア
・広域拠点エリアとは、利用圏域が複数の市町村にまたがる拠点として、国際化、情報
化の進展に対応した中枢業務機能、高次の医療、多様なニーズに対応した教育、文化、
国際交流、商業等の都市機能の集積を図るエリアです。
・山梨県の市町村都市計画決定に係る手続きガイドライン(以下「ガイドライン」とい
う。
)では、大規模集客施設の立地を可能とする新たな都市計画の決定、変更は、広域
拠点エリアの中でしか行えないことと定めています。
・併せて、ガイドラインでは、広域拠点エリア内における大規模集客施設の立地を可能
とする都市計画の決定又は変更については、周辺市町村と県による広域調整を行うこ
とが定められています(広域調整機会の確保の原則)が、特例として同原則を適用し
ない大規模集客施設が立地可能なエリアとして、
「広域的都市機能誘導エリア」を別に
定めます(次項参照)。
広域拠点エリアの設定の考え方
◆広域拠点エリアは、以下の考え方に基づき設定します。
・広域拠点エリアの位置は、区域マスの方針エリアを大きく逸脱しないことを原則とし
ます。
・広域拠点エリアの範囲は、山梨県の「拠点エリアの決定基準」で示された解釈に基づ
き、拠点方針エリアの半径を最大で 1.5km 程度の範囲までを対象とし地形地物等によ
る区域で設定します。
・富士吉田市の広域拠点エリアは、県下で2ヶ所しかない広域拠点として位置づけられ
ていることから、少なくとも富士北麓地域の広域拠点として機能する必要があります。
そのため、市街地を形成している地域のうち、社会資本の集積に関して、既にある程
度の水準で整備されている範囲を対象とするため、次の『社会資本の集積状況』に着
目します。
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<社会資本の集積の状況>
・広域圏を結ぶ幹線道路の整備状況
・公共交通機関の拠点となる駅やバスターミナルの整備状況
・公共・公益施設の整備状況
・市街地内の道路整備及び計画の状況
◆広域拠点エリアの範囲
・上記の考え方に基づき、富士山駅、月江寺駅、下吉田駅周辺を結ぶ中心商業市街地周
辺、都市計画道路赤坂小明見線、富士見通り線及び赤坂線に囲まれた範囲を、既に都
市機能が集約されていることや、一定の空地があること、都市計画道路の整備、計画
状況及び公共交通の整備状況などにより、富士北麓地域の都市機能の集積を図る富士
吉田市の広域拠点エリアとして定めます。
② 広域的都市機能誘導エリア
・広域拠点エリアの中でも、特に広域的に都市構造へ及ぼす影響が大きい大規模集客施
設の立地を可能とする都市計画の決定、変更について、広域調整を行わずに可能とす
るエリアです。あらかじめ山梨県と規模や位置などを協議したうえで、山梨県マスタ
ープラン及び区域マスの運用指針に基づいて一定の範囲を「広域的都市機能誘導エリ
ア」として指定することで、広域調整機会の確保の原則を適用しないとされています。
広域的都市機能誘導エリアの設定の考え方
◆広域的都市機能誘導エリアは、以下の考え方に基づき設定します。
・広域的都市機能誘導エリアの設定について、富士山駅、月江寺駅、下吉田駅周辺を結
ぶ中心商業市街地周辺は、既に都市機能の集約がなされており、今後も既存ストック
の更新や新たな基盤整整備など、更なる都市機能の集約を図って行く富士吉田市の拠
点として定めます。併せて、都市計画道路富士見通り線(富士見バイパス)沿線は、
都市機能を集積するための一定の空地があることや、都市計画道路の整備状況及び公
共交通の整備状況などを考え、富士北麓地域の都市機能の集積を担う拠点として定め
ます。
◆広域的都市機能誘導エリアの範囲
・富士山駅、月江寺駅、下吉田駅周辺を結ぶ中心商業市街地周辺については、既存の商
業地域と周辺の近隣商業地域の範囲を指定します。
(一部、拠点エリアにかかる準工業
地域も指定。
)
・富士見バイパス沿線については、富士北麓地域からの人や物の流入が見込まれる広域
的な幹線道路で十分な幅員を持つ県道山中湖忍野富士吉田線と富士見バイパスが交差
する場所を中心に、一定の空地を持つ範囲を指定します。
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■広域的都市機能誘導エリア方針図(素案)
N
凡 例
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
広域拠点エリア
広域的都市機能誘導エリア
半径 1.0km エリア
半径 1.5 ㎞エリア
凡 例
自動車専用道路
国
道
県
道
市道(幹線道路)
※ベース図として示している用途地域は、
平成 25 年 3 月末現在のものです。
鉄道・駅
市役所
広域拠点及び広域的都市機能誘導エリア方針図
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