Page 1 Page 2 現在、 パイプライ ンなどの洗浄に用いられている 酪農用

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ミルキングパーラーの強電解水による洗浄・殺菌の効
果について
伊達, 政幸, 栗山, 千秋
平成11年度帯広畜産大学特別研究報告(14): 18-19
2000-03-21
http://ir.obihiro.ac.jp/dspace/handle/10322/3197
Rights
帯広畜産大学学術情報リポジトリOAK:Obihiro university Archives of Knowledge
,
ミ Jレヰユエノラ7・,,-<:ーーモラー-(7.コ弓E
量虐置角卒フf<[こd::.ξ d 5t:湾与
洗浄・殺菌の効果につ
ι、 て
伊達政幸,栗山千秋
乳スケール付着状態を調査した。
1.調査目的
現在、パイプラインなどの洗浄に用いられている
4.細菌検査の種類と培養条件
酪農用洗剤と次亜塩素酸ソーダは、それらに含まれ
SPC寒天培地
3
2"
C
.4
8:
1
:3時間
7
"
C
.
1
0日間
4
5
"
C
.4
8土 3時間
高温菌数 :SPC寒天培地
大腸菌群デス (
D
E
S
O
)寒天培地. 3
2
"
C
.4
8土 3時間
る成分が水質汚染など環境に悪影響を与える。そこ
一般生菌数
で近年、酪農用洗剤より影響が少ない強電解水が注
低温菌数 :CVT寒天培地
目されるようになった。本研究では帯広畜産大学附
属農場ミルキングパーラーにおいて、強電解水を使
用する新しい方法(以下強電解水法という〕と、酪
1
1
1
. 結果および考察
農用洗剤と殺菌剤を使用する現在の方法(以下従来
1.第 1j
羽の搾手L
直後と搾乳前の生菌数(図 1)
法という)について搾乳ライン各部の細菌数と乳ス
搾乳直後のティートカップ予イナーでは細菌数が少
ケールなどの付着状況を比較し、強電解水利用の可
なく、牛乳などの流速が遅くなるミノレククローとミル
能性について検討した。
クメーターでは非常に多かった。洗浄・殺菌した後の
搾乳前には、菌数は少なくなるが、ミ Jレククローとミ
1
1
. 材料および方法
jレクメーターに細菌の残留がみられた。強電解水法で
1.強電解水を用いる洗浄・殺菌システム
は従来法より生菌数、低温菌数、高温菌数、大腸菌群
食塩水を有隔膜電解することにより作られる強電
解水では、陽極側の強酸性水 (
p
H
2
)に含まれる次亜
ともに多い傾向を示した。
塩素酸に強力な殺菌効果があり、陰極側の強アルカ
2
. 第 2期・第 3期のミ Jレククローにおける洗浄後と
リ性水 (
p
H
1
2
)は水酸化ナトリウムが主体で、タンパ
ク質や脂肪などの汚れに対して洗浄効果を示す。本
搾乳前の細菌数(図 2)
学附属農場ミノレキングパーラーの 2搾乳ラインの一
第 2期では、同法ともに洗浄後の細菌数はほとんど
方に、この強電解水による洗浄・殺関システムを構
なかったが、強電解水法では搾乳前に細菌数が増加し
築した。
た。第 3期では従来法で洗浄後・搾乳前ともに細菌の
残留が見られたが、強電解水法では細菌の残留・増加
はみられなかった。強電解水の加温により、殺菌効果
2
. 洗浄方法
従来法ではアルカリ洗浄を 9分 0
0
秒、酸洗浄を 4
が向上することが考えられた。
分3
0
秒、殺菌を 6分4
5
秒で行った。
3
. 搾乳ラインの分解調査
強電解水法の第 l期は洗浄時間を従来法の 5
/
9に
従来法では、第 1Wlから第 3期を過して搾乳ライン
短縮して実施し、第 2期及び第 3期は従来法と同じ
洗浄時間で行った。また第 3期は、強電解水の温度
各部に乳スケー Jレ付着はなかった。強電解水法では、
5"Cから 3
5"Cにした。強電解水法は搾乳前に殺菌
を1
第 l期終了後には乳スケールの付着が多かったが、洗
せず、強酸性水の残留による牛乳の凝固を防ぐため
浄時間を長くした第 2期では減少した。第 3期では強
温湯を流した。
電解水を 3
5
"
Cに加温したが、乳スケールの付着が著し
く増加し、強アルカリ性水の加温は洗浄効果を不安定
各試験期終了後、両ラインを洗剤で洗浄し、次の
にさせる可能性が示唆された。
試験期開始時は閉じ条件となるようにした。
I
V
.結 論
3.サンプJレの採取
従来法と強電解水法の 2ラインから、細菌検査用
ミJレキングパーラーの搾乳ラインに強電解水による
のサンプ Jレを週 l回の朝の搾乳時に採取した。ティ
洗浄・殺菌システムを組み込み、従来法の代替システ
ートカップライナ一、ミルククロ一、ミルクメータ
ムとして長期間使用することは、現段階では困難であ
ーは滅菌綿棒による拭き取り法で採取し、レシーバ
レカリ性水の脂肪およびタ
ると判断された。特に強 7J
ージャー内残乳、バルク乳を採取した。拭き取り法
ンパク質の除去の効果が弱いので、各種条件における
1
認は搾乳直後と搾乳前、第 2 ・3期は洗浄後
の第 1
洗浄効果の検討を続け、牛乳の脂肪やタンパク質によ
と搾乳前に採取した。
る汚れの洗浄除去効果を向上させる方法を考案する必
要がある。
各試験期終了後に搾乳ラインの分解調査を行い、
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