茶病害虫防除情報 【第 9 号】 平成 27 年 7 月 13 日 鹿児島県経済連・肥料農薬課 三・四番茶摘採後の病害虫防除対策 ・四番茶摘採後の病害虫防除対策 梅雨明けも間近になりました。これから三番茶の生産が早場産地から中間・遅場産地へ と進んでいくと思われます。厳しい気候と市況の中毎日ご苦労様です。 これからは、病害虫の活動は最も盛んな時期になりますので発生状況に注意しましょう。 三番茶を摘採した後発生する病害虫には輪斑病・チャノミドリヒメヨコバイ・チャノキイ 輪斑病・チャノミドリヒメヨコバイ・チャノキイ ロアザミウマ・ハマキムシ類・ ロアザミウマ・ハマキムシ類・ヨモギエダシ ハマキムシ類・ヨモギエダシャク ヨモギエダシャクなどがあります。この時期の防除は、来 ャク 年の一番茶の基になる秋芽の充実や樹勢維持のために極めて大切です。 ☆ 防除の考え方 「やぶきた」園の輪斑病防除は摘採直後に行いましょう。チャノミドリヒメヨコバイ・ チャノキイロアザミウマは梅雨明け後増加しますので、摘採後から秋芽(四番茶芽)萌芽 前に防除し、秋芽への加害を未然に予防します。ヨモギエダシャクは発生状況を観察し、 多い場合は出来るだけ虫が小さい若齢幼虫期に防除します。ハマキムシ類はハマキコン N またはハマキ天敵による防除を実施していない園では発生に注意し、同時防除します。 今年は中切り・深刈りなど更新園が特に多いですが、更新後の樹勢回復のため再生芽の 萌芽・生育初期のチャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマ防除および「やぶ きた」園では生育期の新梢枯死症、炭疽病、再生芽整枝後の輪斑病防除は的確に行います。 輪斑病、チャノミドリヒメヨコバイなどの防除薬剤の一部には耐性菌発生や薬剤感受性低下がみら れますので薬剤選択にも留意してください。 ☆ 輪斑病 新梢枯死症・・・やや多 今年の発生は、二番茶摘採後までは並~やや多発生の状況でした。梅雨明けは、三番茶 摘採期以降まで遅れる気象予報のようです。三番茶の摘採時に降雨・高温・多湿状態が続 きますと発生が多くなりますので、注意が必要です。病原菌はこのような気象条件で増殖 し、雨天時や葉が濡れている状態で摘採や整枝を行うとその切口から感染・発病します。 このため薬剤防除は摘採・整枝後できるだけ早く行うことがポイントです。薬剤によって 摘採直後散布で有効なものと、3 日後までの散布でも有効なものがありますので選択して 使用します。摘採直後に防除が出来ない場合は、摘採 1 週間後頃に 1cm位整枝して直ち に防除します。深達性展着剤を加用すると効果が高まります。また、台風の強風雨による 傷からも感染しますので、防除可能な園では台風通過後早めに薬剤散布します。 今年も更新園が多いですが、「やぶきた」園は更新後の再生芽生育期(新梢枯死症防除) と整枝直後(輪斑病防除)には必ず防除しましょう。 1 ☆ チャノミドリヒメヨコバイ・・やや少 チャノキイロアザミウマ・・少 ・・少 今年は両害虫ともこれまで発生はやや少なく推移し、二・三番茶芽の被害も少ないでし た。これから梅雨が明けて、乾燥した天気が続くようになると発生は多くなります。増殖 が早く、油断すると秋芽の生育・充実が著しく阻害されます。まず、秋芽の萌芽する前に 防除して密度を低く抑えておきます。残効性の長い薬剤の使用が望ましいです。 中切りなどの更新園は再生芽が集中的に被害を受け、樹勢回復が著しく遅れますので、 特に注意しましょう。 ☆ コカクモンハマキ チャハマキ ヨモギエダシャク ・・・少 最近発生が多くなり、毎年この時期から被害が増加します。発生がダラダラと不揃いに なりますが、いずれも若齢幼虫期や巻葉初期に防除することがポイントです。 表 三・四番茶摘採後 ・四番茶摘採後、 番茶摘採後、更新園および台風後の 更新園および台風後の病害虫薬剤防除法 および台風後の病害虫薬剤防除法 対象病害虫 対象病害虫 輪斑病 防除時期 使用薬剤・使用濃度 摘採・台風直後(3 日後迄) 使用基準 カスミンボルドー 1000 倍 30 日前 1 回 アミスター 20 フロアブル 2000 倍 14 日前 3 回 (やぶきた園-摘採 (やぶきた園-摘採・ 摘採・ (3 日後迄) 整枝後 基幹防除) (直後) ダコニール 1000 700~ 700~1000 倍 10 日前 1 回 (直後) フリントフロアブル 25 2000~ 2000~3000 倍 14 日前 2 回 10 日前 1 回 (台風後緊急防除) 台風後緊急防除) 新梢枯死症・炭疽病 新梢枯死症・炭疽病 更新園再生芽生育期 ダコニール 1000 (更新園再生芽生育期 更新園再生芽生育期) 再生芽生育期) (萌芽~2 葉期) フロンサイド SC 2000 倍 14 日前 1 回 アミスター 20 フロアブル 2000 倍 14 日前 3 回 700 倍 10 日前 1 回 コルト顆粒水和剤 2000~ 2000~3000 倍 7 日前 2 回 黒葉腐病(臨機防除) チャノミドリヒメヨコバイ 摘採後 摘採後~萌芽前 ハチハチ乳剤 チャノキイロアザミウマ (ウンカ・スリツプス) (基幹・補完 (基幹・補完防除) ・補完防除) ハスモンヨトウ ダコニール 1000 更新園再生芽 萌芽~生育期 1000~ 1000~1500 倍 14 日前 1 回 サンマイトフロアブル 1000~ 1000~2000 倍 14 日前 2 回 ガンバ水和剤 ガンバ水和剤 1000~ 1000~1500 倍 14 日前 1 回 摘採後(若齢幼虫期) アファーム乳剤 (臨機防除) ヨモギエダシャク コカクモンハマキ・チャハマキ (補完防除) (補完防除) ☆注意 ① 2000 倍 7 日前 1 回 8000 倍 7 日前 2 回 1000~ 1000~2000 倍 7 日前 1 回 フアルコンフロアブル 4000~ 4000~8000 倍 7 日前 2 回 カスケード乳剤 4000 倍 7 日前 2 回 フェニックスフロアブル 2000 倍 7 日前 1 回 スピノエースフロアブル 2000~ 2000~4000 倍 7 日前 2 回 ディアナ SC 7 日前 1 回 ファルコンフロアブル 摘採後(若齢幼虫期) アファーム乳剤 (補完防除) 700 倍 2500~ 2500~5000 倍 四番茶摘採予定 四番茶摘採予定園では 予定園では三番茶摘採 園では三番茶摘採後には 三番茶摘採後にはカスミンボルドー、 後にはカスミンボルドー、コテツフロアブル カスミンボルドー、コテツフロアブルは使用しない。 コテツフロアブルは使用しない。 ② ストロビルリン系、ネオニコチノイド系、IGR ストロビルリン系、ネオニコチノイド系、IGR 系(脱皮阻害)、IGR 系(脱皮促進)薬剤の使 系(脱皮促進)薬剤の使用は 薬剤の使用は 耐性菌・薬剤抵抗性発生回避のため 耐性菌・薬剤抵抗性発生回避のため年 剤抵抗性発生回避のため年 1 回の使用が望ましい。 回の使用が望ましい。 2
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