CISPR 32-日本語決定版 rev2.pptx

IRSC02224
CISPR 32
中立的、包括的な
マルチメディアエミッション規格
を目指して、
今後の立証、技術及び活動
Swedish Post and Telecom Authority
1.原動力は技術の融合
・CISPR SC I はSC EとSC Gが2001年に統合して
誕生した。
・SC Eは従来アナログ技術を用いた家電製品を扱
い、SC Gはデジタル技術を用いたIT分野を扱っ
ていた。
・SC Iが創設された原動力は、これらの2つの分野
とその他の新技術の融合である。
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1.融合の加速
・SC Iが2001年に業務を開始したときの融合の一例
として、CDプレーヤーがある。
これは、コンピュータではデータを読み書きする
ために使われていたが、ホームエンターテイメント
システムでは音楽を聞くために使われた。
・同じ技術だが異なった適用の例である。
・今日、融合がとても進んでおり、スマートフォン
とスマートTVの根本的違いはスクリーンの
大きさだけとなっている。
1.SC Iの活動内容
・SC Iの基本的活動内容は、以前のCISPR 13, 20, 22, 24 の適用範囲の製品をカバーする新しい
マルティメディアのエミッションと
イミュニティ規格を開発することであった。
・これらの規格の主な違いは、SC EとSC Gで
開発された規格において確立された測定方法で
あり、それらは異なる技術をカバーしている
ため全く異なっていた。
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1.異なる規格化文化
・当初の議論においては、SC EとSC Gでは測定
方法が適切か、や 許容値をどのように決定
すべきか、という点において全く異なった
方向性であった。
・そのため、CISPR 13とCISPR 22を統合させる
よりも、白紙に戻して全く新しいエミッション
規格を作ることを決定した。
2.いくつかの予期しない発見
・CISPR 13とCISPR 22の要求事項の検証の過程に
おいて、規定文が、参考情報としての図に関する
ある数例においてかなり違うことが明らかになった。
しかしながら、数多くの試験所は規定文よりも
図を基に試験を実施していた。
・その結果、CISPR 32では、多大な労力を費やし
規定文と図の整合を図った。
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2.CISPR 32の青写真
・全く新しい規格を制定すると決めてから、
新しい規格を形成するための原則に合意する
必要があった。
・それは・・・
2.一般原則の決定
・明確で合理的で使いやすい構成とする。
・明確に定義された項に論理的に分離された
内容があることを確実にする。
・将来、可能な限り技術的に中立にすることにより
規格を検証する。
・サービスにはかかわりなく物理層の上に要求事項
を設ける。
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2.一般原則の決定
・必要な場合は、文章を羅列することによって
生じる曖昧さを排除するために表を用いる。
・既存のエミッション規格から文章または
アイデアを引用する際は、解釈の違いに
つながる曖昧さを排除する。
・測定方法の選択と構成を合理化する。
2.一般原則の決定
・要求事項の詳細な規定を附属書に掲載する。
・試験の効率化や合理化と新測定技術の開発の
促進のために代替試験方法を導入する。
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2.一般原則の決定
・論争につながるような不明確な解釈を排除
するために、規格に適合性についての項を設
ける。
(これは代替測定方法で非常に必要になった)
・規制や法規に関するすべての記述は削除する。
3.CISPR 32の適用範囲
・この国際規格は3.1.23項に定義したように、
AC又はDC 600V以下の電源定格を有する
マルチメディア機器(MME)に適用する。
・CISPR 13とCISPR 22の適用範囲の製品は
この規格の適用範囲に入る。
・プロフェッショナル用のMME機器もこの
規格の適用範囲に入る。
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3.CISPR 32の目的
・電波スペクトラムの保護の適切なレベルに
ついて規定する要求事項を定め、9 kHz~
400 GHzの周波数範囲において意図したとおり
の無線業務が運用できるようにする。
・測定の再現精度および結果の繰り返し精度を
保証するための手順について規定する。
3.マルチメディア機器
以下のような装置
・情報技術装置
・オーディオ機器
・ビデオ機器
・放送受信機
・娯楽用照明制御装置
・又は、それらの組み合わせ
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3.情報技術装置
ITEの概念には極めて広範囲の装置が含まれるの
で、
それに留意することが重要である
例えば:
• コンピュータ
• インターネット
• 電気通信
• 無線
• および 関連装置
3.マルチメディアポート
・マルチメディア機器に関連付けられる多種類
のポートが存在する。
・これらのポートの類似又は混合した特性から
生じる曖昧さや混乱を防ぐために
様々なポートを定義することに多大の努力を
費やした。
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3.要求事項の分類
エミッション要求事項の分類は、以下のいずれによる
かが終わりなき議論の対象となっている:
・共通エミッション規格
・CISPR 22 クラスAとB
CISPR 32 のクラスの定義は、活発な議論の末に決め
られた。
3.CISPR32の分類
・機器のクラスB要求は、住宅環境内での放送
サービスの適切な保護を提供することを意図して
いる。
・主に住宅環境で使用を目的とする機器は、
クラスB許容値を満足しなければならない。
その他の全ての機器はクラスA許容値を満足しな
ければならない。
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3.CISP 32の分類
・放送受信機はクラスB機器
・注記 クラスA要求を満足する機器は、
住宅環境内での放送サービスの
適切な保護を提供しないかもしれない。
3.要求事項
• 明確に定義された測定方法がない許容値は意
味がない。
• CISPR 32は要求事項を規定している。
• 規格に適合するには、「許容値」ではなく要求事
項を満たさなければならない。
• 要求事項は、明確な測定方法に従って測定した
一つの許容値から成り立っている。
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3.測定事項
• 共通節が1つある。
• 重要なのは第2節で、様々なモジュールを持つ
ホストシステムをどのように取り扱うか、である。
• 各節は、外部のいくつかの附属書を参照してど
のようにして測定を行わなければならないか、
及びどのようにして予備測定を行うか、を取り扱
っている。
3.装置取扱文書
• 使用者が何らかの特別な対策を講じる必要が
あることを使用者向け文書で明確にすることを
要求している。
• さらに、クラスA装置を住宅環境で使用すること
に対して警告をすることを要求している。
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3.適用性
• 適用性とは変な名前だとたぶん思われるだろう
が、簡単にいえば、測定は附属書Aに従って関
連するポートについて行うことを要求している。
• この項は測定を行う必要がある最高周波数も規
定している。
3.適合性
• 適合性の項は、規格への適合を保証するため
に用いる判定基準を規格に導入した最初の項
である。
• その目的は、確かに適合しているかどうかにつ
いての議論や論争を最小にすることにある。
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3.適合性
• CISPR 32 は、いくつかの要求事項の試験に
選択肢を認めている。言い換えると、関連
する許容値について任意の一つの試験法を
自由に選択し使用してもよい。
• 異なる試験法を適用することにより、
必ずしも同じ結果が得られることは保証され
ない。
3.適合性
• 重要なのは、CISPR 32の適合は、代替測定法の
どれか一つを適用することで達成できることを明
らかにしていることである。その方法に対する許
容値を満たせば、要求事項を満たすということに
なる。
• このことは代替試験法の一つで適合しても別の
試験法の結果が不適合になることもあるというこ
とを意味する。
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3.測定の不確かさ
• 測定装置の不確かさはCISPR 16-4-2に従って
計算される。
• しかしながら、これはCISPR 32の適合を判断す
る際には考慮されない。 4.第 2 版について
• 第1版の準備段階で、いくつかの測定法といくつ
かのタイプの装置を含めないという決定が行わ
れた。
• それは、あまりにも異論が多く、各国委員会の
投票で否決という結果を招きかねないという心
配があったからである。
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4.第 2 版について
これらの異論が多い問題は更なる検討を行い、
別々のCDを準備してコメントを求めるために回付
することが合意された。各国委員会からのコメント
に基づいて複数のCDVが発行され、可決された
CDVの内容を統合して最終的に一つのFDIS(現在
承認された)となった。
4.第 2 版における全般的な変更
• 第1版は、異なる文書処理ソフトウェア間の変換
に問題があり、かなりの間違いが入っていた。
• いくつかの図にも間違い、又は解釈が難しいも
のが入っているというコメントが寄せられた。
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4.第 2 版における特定の変更
• 全電波無響室(FAR)を用いて関連する許容値を
適用する新しい放射測定法は第2版に導入され、
組み込まれた。
• FAR測定は卓上型装置のみに限定されている。
4.第 2 版における特定の変更
• EUTの試験配置に関する新しい表、表D.1が導
入された。
• この表により、EUTの配置に関してこれまでより
よくわかるようになった。
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第 2 版における特定の変更
• 1GHzを超える測定にはリニア平均検波器を使
用しなければならない。
• EUT台の材質としては発泡体を使うべきで
ある。
• テレビジョンを試験する際に選択すべき
チャンネルが明確にされている。
4.新しい附属書H及びI
• 家庭用衛星放送受信システムの室外ユニットの
測定のために新しい規定である附属書Hが導入
された。
• 代替試験法及び関連許容値に関する新しい
情報的な附属書Iが導入された。
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4.新しい附属書H
• この附属書は、給電ホーン(アンテナ)が
ある場合、ない場合のLNBユニットの試験
方法を詳細に記述している。
• 確定する必要がある動作条件を明確にして
いる。
• 試験のときにLNBをどのように配置すべきかを
記述している。
訳注)LNB:Low-Noise Block converter
衛星放送受信信号コンバータ
4.新しい附属書I
Annex I は以下のような新しい代替試験法及
び関連する許容値を紹介している:
• GTEM セル • リバーブレーションチャンバー
• この附属書にはこれらの測定法の制約事項について詳
細な記述がある。
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4.新しい附属書I
• リバーブレーションチャンバーのための
許容値はまだ評価中であり、今後の
CISPR32の修正のときに変わるかもしれ
ない。1GHz以下の周波数の許容値は示して
いない。
• リバーブレーションチャンバーはかなり将来的な
測定法と思われる。
4.できなかったこと
• 測定の不確かさの取り扱いをCISPR総会の決
定に合わせる提案は各国委員会により否決さ
れた。
• この否決は技術的というよりは政治的なものだ
ったかもしれない。
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5.1 第 2 版以降
• 第2版は、第1版に対してかなりの改善を
もたらすだろう。
• 作業は、ここでは終わらない。
• 重要なトピックスは、今後の修正規格として開発
を続ける必要があるだろう。
5.2 CISPR 32の今後のトピックス
• • • • • 誘導結合式充電 (ワイヤレスバッテリ充電)
二重絶縁MMEのための伝導試験法
RMS 平均値検波器
AC電源ケーブルの終端制御 Non-local関連装置の試験配置のインピーダン
スの制御作業
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5.2 CISPR 32の今後のトピックス
• テレコムポートのコモンモード電流プローブ測定
法
• DSLとイーサーネットポートのためのスペクトラ
ムマスクの開発
• テレコムポートの伝導エミッション測定のための
正しい電流許容値の復活
5.2 CISPR 32の今後のトピックス
たぶん、でも問題児.....
• PLC
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欧州で整合したPLC規格
• CISPR SC Iで行った作業に基づく
• CISPRでは合意に達しなかった
• CISPRのプロジェクトは険悪な作業の雰囲
気で議論に終始した
EN 50561-1 (30 MHz以下のPLC)
• スペクトラム計画と類似の実際的な進め
方が規格の基本
• 認知無線技術が使用されている
• HF帯をPLCのために使用すると他の周波
数帯を圧迫する
• スペクトラムの有効利用を改善する
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EN 50561-1 の主な特徴
• アマチュア無線周波数帯に固定ノッチ
• 安全関連業務に固定ノッチ
• 放送帯域にダイナミックノッチ
• 30MHzより上では CISPR 22/32 のような
放射要求事項
EN 50561-1 (30 MHz以下のPLC)
• この規格は市場を「きれいに」した
• チップセットは今は規格の要求事項に基
づいている
• 規格は無線業務の保護にかなりの改善を
示している
• CISPR 22 は必要信号を扱うことを全く意
図していなかった
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EN 50561-1 で残っている問題
• ノッチの深さや幅は十分か?
• 相互変調の面はカバーされていない... • PLC + 例えば、スイッチング電源からの
不要エミッション
• 30 MHzより高い PLC 信号をどのように取
り扱うか
EN 50561-2 & 3
• アクセス系に関するパートは現在CENELECで投
票にかけられている(端末が適格な公益事業者
に管理されているところでは更なる緩和の可能
性がありうる)
• 30 MHz以上のPLCのパートはまだ議論をしてい
るところ
• 主な問題は無線業務ではなくG速DSLの保護 • 再びスペクトラムマスク手法 + 放射測定
• 87.5 MHzより上にはPLC信号はない.