主な納入物件 事業・製品を通じた社会貢献

主な納入物件
エネルギープラント
■中国木材株式会社日向工場
工事名称
設備能力
納入地
中国木材バイオマス発電所(日向)
燃料:木質燃料
蒸気条件(常用)
:75t/h×6.0MPaG×460℃
発電量:18,000kW
宮崎県
■株式会社ウッドワン
工事名称
設備能力
納入地
木質バイオマス発電設備設置工事
燃料:木質燃料
蒸気条件(常用)
:28.6t/h×6.0MPaG×425℃
発電量:5,800kW
広島県
事業・製品を通じた社会貢献
水処理プラント
■西部スラッジセンター
■霞ヶ浦浄化センター
1. バイオマス発電の推進
2. 電力小売市場への参入
3. 社外表彰
工事名称
設備能力
納入地
西部スラッジセンター蒸気発電設備工事
形式:5系小型蒸気発電機
発電能力:160kW×1基
札幌市
35 TAKUMA CSR REPORT 2015
工事名称
霞ヶ浦浄化センター第7系列水処理設備
機械設備(第1期)工事
設備能力 砂ろ過池(高速型)
:M50×3台×2池
処理水量:18,000m3/日
納入地
城県
事業・製品を通じた社会貢献 1
バイオマス発電の推進
バイオマスを燃料とする発電プラントは、当社が最も得意とする商品の一つです。2012年7月の「再生可能エネル
ギーの固定価格買取制度(FIT/Feed-in Tariff)」の開始により、安定的な収益が見込めるようになったことから、
バイオマス燃料を用いた発電事業への取り組みが活発化しており、当社も多数の施設を受注しています。
また、工場内で使用する電気や蒸気をまかなうボイラの燃料転換事業も複数受注しております。
発電出力規模
バイオマス発電プラントにとって、燃焼炉は発電設備の核となる重要な機器であり、燃焼方式の選択がバイオマス
発電事業を左右するともいえます。当社が保有する燃焼方式のうち、木質バイオマス発電によく使用される代表的な
燃焼方式をご紹介します。
階段式ストーカ
10,000kW以上30,000kW未満
5,000kW以上 10,000kW未満
1,000kW以上 5,000kW未満
使用燃料に応じた燃焼方式のご提案
株式会社津軽バイオマスエナジー
バイオマスへの燃料転換
株式会社花巻バイオマスエナジー
株式会社一戸フォレストパワー
中国木材株式会社
伊万里工場
特種東海製紙株式会社 島田工場
株式会社岐阜バイオマスパワー
株式会社
有明グリーンエネルギー
いぶきグリーンエナジー株式会社
中越パルプ工業株式会社
川内工場
三重エネウッド株式会社
真庭バイオマス発電株式会社
中国木材株式会社
日向工場
土佐グリーンパワー株式会社
合同会社えひめ森林発電
株式会社ジャパンファーム
トラベリングストーカ
燃料投 入時に、体 積の大
きい燃料ほど長い燃焼時
間を確保できるよう炉内
に燃料を散布します。階段
式ストーカと同じく、比較
的ゆっくりとした燃焼であ
り、燃料の発熱量・含水率
や形状への対応範囲が広
いことが特徴です。
(2012年7月以降に受注したバイオマス発電施設)
【ご採用例】真庭バイオマス発電株式会社
真庭バイオマス発電株式会社殿は、集成材メーカー最
大手である銘建工業株式会社・真庭市・真庭木材事業協
同組合など9団体の官民共同出資により設立された国内
でも数少ない木質バイオマス発電事業会社です。
本発電所では、真庭市域の未利用木材を主燃料として
おり、本事業を通じて、地域の林業・木材加工業の発展や
雇用創出が期待されています。
【設備概要】
○設置場所:岡山県真庭市
○発電出力:10,000kW
固定価格買取制度におけるバイオマス燃料 [円/kWh]
:FIT制度における売電単価(平成27年度)
未利用木材(出力2,000kW以上の発電所)
[32円/kWh]
(出力2,000kW未満の発電所)
[40円/kWh]
林 業において木材として利用できない「林 地残
材」や利用価値の低い「切捨間伐材」はこれまで利
用されてきませんでした。固定価格買取制度では、
他のバイオマスよりも高い買取価格を設定すること
で、これらの利用促進を図っています。
廃棄物系[17円/kWh]
一般廃棄物や下水汚泥といった廃棄物系バイオ
マス、家畜のふん尿といった畜産業由来バイオマス、
製紙汚泥や黒液といった工業由来バイオマスが該当
します。
37 TAKUMA CSR REPORT 2015
一般木材[24円/kWh]
未利用木材とリサイクル木材を除く木材を総称し
て、一般木材といいます。製材工場から排出される
製材端材、おがくず、バーク(樹皮)をはじめ、農園
由来の剪定枝やダム流木等の木材が該当します。
リサイクル木材[13円/kWh]
住宅解体時等に発生する建築廃材のことです。建
築廃材は、従来から木質バイオマスボイラの主燃料
として使用されており、現時点で最も普及している
木質燃料です。
流動層
高圧空気で流動する砂が、
燃料の表面を削りながら
燃 焼するため、未 燃分が
少なく、ボイラ効率が高い
ことが 特 徴 です。高含 水
率の燃料 をはじめ、多種
多様な燃料に対応します。
【ご採用例】 株式会社岐阜バイオマスパワー
株式会社岐阜バイオマスパワー殿は、岐阜県の豊富な
森林資源の有効活用による森林整備への貢献、再生可能
エネルギーの活用によるCO2排出量の削減、地産地消型
の資源循環型社会の実現などを目的として、岐セン株式
会社の出資により設立された木質バイオマス発電事業会
社です。
本発電所では、従来の建築廃材系燃料に比べて高水分
で利用価値が低いとされてきた未利用木材と工場副産物
である一般木材を燃料として利用し、
有効活用しています。
【設備概要】
○設置場所:岐阜県瑞穂市
○発電出力:6,250kW
TAKUMA CSR REPORT 2015 38
献
【設備概要】
○設置場所:宮崎県日向市
○発電出力:18,000kW
株式会社ウッドワン
貢
レンゴー株式会社 八潮工場
会
中国木材株式会社 本社工場
事業・製品を通じた
株式会社ウッティかわい
松江バイオマス発電株式会社
【ご採用例】中国木材株式会社日向工場
中国木材株式会社殿は、製材はもとより集成材、プレ
カットまで幅広く手がけられる大手総合木材企業であり、
今日では工場の製材・乾燥加工工程で発生する副産物をバ
イオマス燃料として活用する発電事業にも積極的に取り組
まれ、国内3拠点で発電事業を行う木材産業界最大の発電
能力を有する会社です。
日向工場殿に納入した設備は将来的な燃料の多様化を
考慮し、
さまざまな性状・形状のバイオマス燃料に対応する
ことが可能な階段式ストーカを採用しています。
社
三洋製紙株式会社
ごみ焼却技術に由来した
もので、発熱量・含水率や
形状・大きさが異なる燃料
でも均一に燃焼させるこ
とができます。また、プラ
ントを稼 働させるための
電力(所内動力)が他の方
式に対して少ないことも
特徴です。
事業・製品を通じた社会貢献 2
電力小売市場への参入
∼タクマ新電力事業開始による発電事業者・電力消費者のメリット拡大を目指して
電力の自由化とは
総合的なサービス
電力自由化とは、地域の大手電力会社だけでなく、新電力事業者(特定規模電気事業者/PPS:Power Producer and
Supplier)や地域外の大手電力会社からも電気の売買が自由にできるようになることです。
電力自由化には発電側と小売側の2種類があり、発電側はすでに全面自由化されています。小売側は、50kW以上の
需要家についてはすでに自由化されており、2016年には全面自由化が予定されています。
これにより開放される市場規模は約7.5兆円以上とも言われており、その顧客獲得を見据えた電力業界の動きは活発
になっています。
なお、自由化された範囲で新電力事業者が電気を供給した場合も、電気は大手電力会社と同じ送電網によって需要
場所まで届けられます。このため、電力の信頼性・品質が劣るということはありません。
施設運転(燃料調達)
●
スケジュール
●
人員採用、育成
●
資金計画
●
事業採算
大手電力会社
A・B・C
計画
(コンサルティング営業)
メンテナンスサービス
薬品等販売
設計・施工
電力買取・供給
電力買取・供給のご提案
〈A地域需要〉
〈B地域需要〉
〈特別高圧需要〉
〈高圧需要〉
〈低圧需要〉
2000年自由化
2004・2005年
自由化
2016年
自由化予定
〈C地域需要〉
※新電力事業者からの電力供給が不足しても、電力会社が不足分を補填する仕組みとなっています。
タクマ新電力事業への参入
2015年4月、当社は自由化の背景を踏まえ、新電力市場へ参入しました。
近年のエネルギー市場において注目度の高い、バイオマス発電プラントや廃棄物発電プラントを数多く建設し、その
特性を熟知するプラントメーカーとして、お客様に電力買取を含めた総合的なサービスを展開します。
タクマ新電力の供給電源
ボイラ・環境プラントメーカーとして数多くの納入実績を有する当社は、プラントを建設するだけでなく民間企業との
合弁事業やPFI事業※を行っており、バイオマス発電プラント・廃棄物発電プラントを運転する自社グループ電源を保有
しています。これら自社グループ電源の他、お客様にも電力の買取をご提案していきます。
今後、当社が建設したプラントから生み出される電気が持つ、クリーンな価値を評価して買い取り、付加価値のある
電力として社会に還元していきます。
※PFI(Private Finance Initiative)事業:公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力および技術的能力を活用して行う事業手法。
●
タクマ新電力スキーム
電源調達
国内発電プラント
208施設
うち バイオマス発電プラント
需要管理
廃棄物発電プラント
電力販売
高圧/特別高圧
当社納入電源
北海道電力
いわて県北クリーン株式会社
45施設
(PFI事業)
発電出力:860kW(廃棄物発電施設)
65施設
東北電力
タクマ太陽光発電所(自社)
発電出力:1,950kW
(太陽光発電設備)
自社グループ電源
北陸電力
中国電力
需要予測
●
バイオパワー勝田
●
いわて県北クリーン
タクマ播磨工場太陽光発電
●
●
オフィスビル
ひたちなか東海ハイトラスト
電力会社等
地方公共
団体施設
九州電力
2016年
自由化予定
(
需給バランス調整
沖縄電力
一般家庭
中部電力
関西
四国電力 電力
株式会社バイオパワー勝田
(DBO事業)
低圧
)
東京
電力
ひたちなか・東海ハイトラスト株式会社
卸売
日本卸電力取引所(JEPX)
39 TAKUMA CSR REPORT 2015
工場
安定操業
収益向上
献
大手電力会社
C
施設管理
●
貢
大手電力会社
B
●
各種届出
会
小売
大手電力会社
A
補填
(電力不足時)
当
社
新電力事業者
工程管理
●
(タクマ合弁事業)
発電出力:4,990kW
(木質バイオマス発電施設)
発電出力:4,600kW
(一般廃棄物発電施設)
商店
TAKUMA CSR REPORT 2015 40
事業・製品を通じた
C地域
●
設置場所、
インフラ検討
社
A・B・C地域
施設規模、形式
●
竣
工
B地域
電力自由化後
3)運転管理
●
受
注
電力自由化前
2)建設
1)事業検討
お客様
発電
電力自由化済
A地域
プラントメーカーである当社は、プラント引渡し後もメンテナンスサービスや薬品等の販売を通じ、プラントの安定的
な運転維持管理に携わってきました。これらに加え、当社が新電力事業を行うことで、バイオマス発電プラントや廃棄
物発電プラントの事業収益向上を目指すお客様に対し、電力買取・供給も含めた総合的なサービスを提供します。
事業・製品を通じた社会貢献 3
社外表彰
̶「都市ごみのメタン発酵と焼却によるコンバインドシステム」が
平成26年度新エネ大賞において「新エネルギー財団会長賞」を受賞
当社が開発した「都市ごみのメタン発酵と焼却によるコンバインドシステム」が、一般財団法人 新エネルギー財団
主催の平成26年度新エネ大賞において「新エネルギー財団会長賞」を受賞しました。
コンバインドシステムとしての新規性ならびに比較的小規模な地方自治体におけるごみ処理施設への普及が期待
できるものとして評価されたものです。
システムの概要
システムの概要
本システムは一般 廃棄物(都市ごみ)処 理において、
収集可燃ごみのうちメタン発酵に適したものを高温乾
式メタン発酵処理する「バイオマス設備」とメタン発酵
に適さないものおよびメタン発酵残渣を焼却処理する
「熱回収設備」とから構成されるコンバインドシステム
です。
バイオマス設備においては、厨芥類等のメタン発酵に
適したものを特別に分別収集することなく、従来の方法
で収集したごみを新たに開発した機械式選別装置により
施設内で分別してメタン発酵に供します。発生したメタ
ンガスを用いた高効率なガスエンジン発電による熱電併
給を実施している点において、小規模処理施設では国内
で前例を見ない施設です。
さらに、発電した電気を「再生可能エネルギー固定価
格買取制度(FIT)」により電気事業者に販売することで
ランニングコストを大幅に低減でき、経済的にも優れた
システムです。また、収集ごみを全量焼却する場合と比
較して、発生する温室効果ガス(CO 2)の量を削減でき、
低炭素社会実現にも貢献しています。
2013年8月に稼 働を開始した南但クリーンセンター
(兵庫県朝来市)は、日本で初めて本システムを導入した
施設です。
南但クリーンセンターの施設概要
●
施設規模
バイオマス設備
36t/24h×1系列(高温乾式メタン発酵方式)
熱回収設備
43t/24h×1系列(ストーカ式焼却炉)
●
CSRの取り組み
エネルギー回収(計画値)
バイオガスからの発電
382kW(最大時、発電効率37%)
焼却設備での熱回収
熱回収率:15.3%(通年、冬季を除く)
南但クリーンセンター
バイオマス設備
ステークホルダーダイアログ
脱硫装置
ごみクレーン
脱湿装置
受入ごみホッパ
ごみクレーン
プラットホーム
微量有害物
除去装置
メタン発酵槽
選別ごみホッパ
破砕選別装置
受入ごみピット
分離水処理設備
バイオマス
設備用
ごみピット
選別ごみ
ミキサー
熱回収設備
発酵残渣処理設備
熱回収設備用ごみピットへ
ガス貯留槽
余剰ガス昇圧
ブロワ
余剰ガス
燃焼装置
No.1ガス昇圧
ブロワ
助剤
空気加熱器
ガス冷却室
プラットホーム
再燃焼室 焼却炉
焼却ごみホッパ
消石灰
有害ガス除去装置
ごみクレーン
ろ過式
集じん装置
触媒
反応
装置
No.1
ガス発電機
No.2ガス昇圧
ブロワ
No.2
ガス発電機
二次燃焼用
送風機
セメント原料化
灰ピット
システムフロー(南但クリーンセンターの例)
41 TAKUMA CSR REPORT 2015
消費者課題
コミュニティへの参画
社会貢献活動
凡 例
押込送風機
環境
公正な事業慣行
誘引通風機 煙突
熱回収設備用
ごみピット
企業統治
人権・労働慣行
破砕装置
選別ごみ
切出装置
将来に向けたCSR活動
ごみの流れ
空気の流れ
排ガスの流れ
再利用水の流れ
灰・ダストの流れ
バイオガスの流れ
薬剤の流れ
発酵残渣の流れ