特殊降下機を利用した軌道仮受直下での既設高

2015年12月14日
東急建設株式会社
―特 殊 降 下 機 を 利 用 し た 軌 道 仮 受 直 下 で の 既 設 高 架 橋 解 体 ―
東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:飯塚恒生)は、生産性の向上に向
けて施工の機械化を進めています。このたび、相模鉄道本線の星川・天王町駅付近連
続立体交差工事(第1工区)において、盟和工業株式会社(本社:東京都新宿区、社
長:谷口聖司)と共同で製作した特殊降下機を使用して、大幅な工期短縮を実現しま
した。
本工事は市街地の中での鉄道営業線改良工事であり、軌道やホームを仮受けしなが
ら 既 設 高 架 橋 を 解 体 ・ 撤 去 し 、 高 架 橋 駅 舎 を 新 設 す る も の で す ( 図 1 参 照 )。
一般に、既設高架橋の解体・撤去作業は、高架橋下の仮受支保工や作業足場が配置
されている非常に狭隘な中で、高架橋躯体を分割し、仮受材や足場に影響を与えない
ようにクレーンやジャッキ及び重機等で慎重に降下・搬出しなければなりません。そ
の た め に 高 架 橋 躯 体 を 重 量 1 t 程 度 以 下 に 小 さ く 分 割 す る 必 要 が あ り 、工 期 に 関 す る 課
題がありました。
この課題を解決するために、既設高架橋の仮受と、大きなブロックで降下・搬出が
できる特殊降下機(固定式と移動式)を製作・導入しました。
横梁・柱部は、固定式特殊降下機で横梁を仮受けした後、ワイヤーソー等で横梁と
柱 ( 重 量 50t 程 度 ) を 高 架 橋 か ら 分 離 し ま す 。 次 い で 柱 部 を 撤 去 し 、 横 梁 を 降 下 し ま
す ( 写 真 1 )。
ス ラ ブ ・ 縦 梁 部 は 、 タ イ ヤ を 装 着 し た 移 動 式 特 殊 降 下 機 で 仮 受 け し 、 重 量 10t 程 度
に分割切断します。その後、軌道やホームの仮受け部材を避けながら降下・搬出しま
す ( 写 真 2 、 写 真 3 )。
鉄道営業線直下の狭隘なスペースでの解体工事において、施工の合理化を図った特
殊降下機を使用することで、安全かつ効率的な作業が可能となり、大幅な工期短縮を
実現しました。その結果、工費の低減も図ることができました。
1
【工事概要】
工事名称:星川・天王町駅付近連続立体交差工事(第1工区)
事業主体:横浜市
設計監理:相模鉄道株式会社 プロジェクト推進部
工事場所:神奈川県横浜市保土ヶ谷区天王町2-45地先
工
期:平成16年4月~平成31年3月(予定)
工事概要:相模鉄道本線(星川~天王町駅)連続立体交差化事業は、天王町駅から
横浜新道までの約1.9kmの鉄道を高架化することにより、同区間の
踏切9箇所のうち7箇所を立体交差化(2箇所を廃止)し、地域交通の
円滑化及び地域の一体化による生活環境の向上や踏切事故の解消を図る
ことを目的としています。
当第1工区は高架橋構造の天王町駅部を含む施工延長約310mの区間
です。終点方(海老名方)の高架橋・擁壁構造の112.5m(うち、
高架橋区間62.5m)については、軌道仮受けし、既存構造物を撤去
してから高架橋を新設します。残りの既存駅部については、耐震補強な
どを施し有効活用します。
施 工 者: 東 急 ・ 錢 高 ・ 奥 村 ・ み ら い 建 設 共 同 企 業 体
【今後の展開】
土木構造物の老朽化に伴う更新工事など、都市部での構造物解体の需要は今後拡大
するものと思われます。東急建設は、多くの営業線改良工事で蓄積された施工ノウハ
ウを生かし、本工事で採用した技術を応用・展開していきます。
図1
軌道、ホーム仮受け断面図
2
写真1
写真2
切断した横梁部の固定式特殊降下機による降下状況
切断したスラブ・縦梁部の移動式特殊降下機による降下・縦取り状況
写真3
切断した縦梁・張出部の移動式特殊降下機による搬出状況
【本件に関する問合せ先】
東 急 建 設 株 式 会 社 管 理 本 部 経 営 企 画 部 広 報 グ ルー プ
T E L 0 3 -5 4 66 -5 0 08
FA X 0 3 -5 4 66 -5 06 9
3
真 安 ( さね やす )
E -m a i l :we b m a ste r @ to kyu -c ns t.c o .j p