※ ジャンルごとに、毎回テーマを変えてご案内します。 SMGレポート SMGレポート レポート 2207 電子記録債権法(H20 (H20. 20.12. 12.01施行 01施行) 施行)の現状① 現状① 【金融】 電子記録債権法(H 電子記録債権-通称「電子手形 電子手形」-について、取り上げてみたいと思います。 電子手形 電子手形(以下「電手」と略称します)は、今のところ未だ、一般に流通するまでには至っておりません。 理由の一つには、電手決済サービスに参加している金融機関が商工中金(政府系)の中核1行と地銀14行の 併せて15行(首都圏では一行もない)にとどまっていることが挙げられます。<-22/06/18現在-> 金融機関自体に、サービス機会の拡大→有料顧客の獲得→地域優位性の確立という動機付けが、十分働い ていない※1のかもしれませんが、当局側は将来展望について案外楽観的です。 ※1 中国、東海地区の参加実績が飛びぬけて高く、首都圏ではゼロベースというのも、地域経済を反映した反応の違いでしょうか。 流通が今ひとつの状況下では「電手」への認識も、それ程高まってはいないようですが、見聞する限りこの仕組 みは、事業の資金手当にとって無視できない存在となってゆくのは確実では無かろうかと思われます。 試みに「電手」の成り立ちを追ってみると、その根拠が分かってまいります。 電子記録債権法は平成19年制定、20年12月施行ですが、経済産業省では早くから検討課題に挙げられて いた模様で、検討小委員会のプレスリリースは、16年※2の4月に行われています。 ※2 この平成16年には「動産・債権譲渡特例法」も成立しており、一連の流れを形成しています。当時、金融機関の不良債権処理 は未だ終息しておらず、発生要因の一つとして不動産担保融資にばかり頼る弊害が指摘され、在庫や売掛金などの動産や債 権を担保とする貸し出し-ABL-に軸足を移させようという推進力が働いていました。 在庫や売掛金は、バランスシート上「流動資産 流動資産」に計上されていますが、実際には身動きが取れなくなって「トリモチ トリモチ資産 流動資産 トリモチ資産」化し 資産 ている状況も多く見られることから、良く言えば本来の意味の流動資産にしようとした法整備とも考えられます。 報告書では、※2にあるような実情や手形取引の急激な縮小(別紙PDF資料1)に触れ、売掛債権と手形債権の良 いところ(別紙PDF資料2)を集約した形の「電子記録債権」※3の有用性について述べています。 要約すると、次のようになります。 ①印紙税が 印紙税が掛らない② らない②自在に 自在に分割して 分割して譲渡 して譲渡できる 譲渡できる③ できる③譲渡通知などが 譲渡通知などが不要 などが不要④ 不要④保管の 保管の手間がかからない 手間がかからない ⑤紛失や 紛失や盗難、 盗難、偽造の 偽造の危険が 危険が無い⑥ファクタリング等 ファクタリング等、所定の 所定の金融機関に 金融機関に限定された 限定された資金化 された資金化から 資金化から解放 から解放… 解放… ※3 電子記録債権は、債権者と債務者双方が電子債権記録機関(現在の指定機関は、三菱東京UFJの子会社JEMCO一社のみ) =電子債権の登記所と考えておけば分かりやすいでしょう=に債権発生を知らせること(発生記録の請求)から開始されます。 サービサーの買取債権の処理迅速化が背景にある-との説もある中、この仕組みについて掘下げて参ります。
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