『確定拠出年金(DC)の制度改正』

2015年8月 今月のトピック
『確定拠出年金(DC)の制度改正』
アナリスト 佐藤 明
2015年8月14日作成
『確定拠出年金(DC)の制度改正』
アナリスト 佐藤 明
 1990年代後半から続いた賃金の低下により多くの国民が老後の生活設計に不安
を抱えていることを背景に、私的年金制度の改正が進められています。
 今国会(第189回国会)に「確定拠出年金(DC)の制度改正」に関する法案が提出
されているほか、厚労省は企業年金として現在の確定給付型(DB)と確定拠出型
に加えて第3の制度(DBとDCの中間型)の創設を検討している模様です。
 今月のトピックでは、既に法案が提出されている「確定拠出年金法等の一部を改
正する法律案」の内容について見てみます。
法案主旨
企業年金の普及・拡大
ライフコースの多様化へ
の対応
制度運用の改善
具体策
施行期日
簡易型DC制度の創設
公布から2年以内
個人型DCへの小規模事業主
掛金納付制度
公布から2年以内
拠出額規制単位を月単位から
年単位へ変更
2017年1月1日
個人型DCの加入可能者拡大
2017年1月1日
年金資産の持ち運びを拡充
公布から2年以内
継続投資教育の努力義務化
公布から2年以内
運用商品提供数の抑制
公布から2年以内
指定運用方法の導入
公布から2年以内
2
『確定拠出年金(DC)の制度改正』
アナリスト 佐藤 明
厚⽣年⾦基⾦の基⾦数と加⼊者数
企業年⾦制度等の加⼊者数
確定拠出企業年金
万人
2,000
1,500
1,000
500
0
9
確定給付企業年金
33
3
基金数
万人
1,200
2,000
1,800 1,0871,039
単独・連合型(左軸)
1,000
1,600
総合型(左軸)
1,400
835
800
加入者数(右軸)
1,200 1,1111,046
600
1,000
783 615
531 522
800
478 466 456 447 437
420 408 400
288
162 144 124 121 112 100
600
83 84 65
400
200
626 610 574 545 525 515 502 496 496 495 494 486
466
200
0
0
厚生年金基金
71
135 126
適格退職年金
173 219 271 311 340
371 422 439 464
1,087
314
505
1,039
384 430
835
506
570
647
615
727
801 796 788
531
522
782
478
466
456
917 859
778 655
447
569 507
443 349
437 420 408 363
250
126
年度
年度
3
『確定拠出年金(DC)の制度改正』
アナリスト 佐藤 明
4
アナリスト 佐藤 明
個人型DCの加⼊者数
万人
25.0
21.2
18.3
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
1.4
2.8
4.6
6.3
8.0
9.3 10.1
11.2
12.4
13.8
15.8
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
0.0
2001
『確定拠出年金(DC)の制度改正』
年度
年⾦制度全体の加⼊者数(2014年3月末現在)
※2015年10月以降、制度変更により共済年⾦は厚⽣年⾦保険に統合される予定。共済年⾦の
3階部分である「職域加算部分」は廃⽌され、新たに「年⾦払い退職給付」が創設される。
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『確定拠出年金(DC)の制度改正』
アナリスト 佐藤 明
制度運⽤⽅法の改善項目
改善項目
ポータビリティの拡充
移換先の制度
内容
確定給付
企業年金
企業型DC
個人型DC
中小企業
退職金共済
確定給付
企業年金
○
○
○
(×→○)
企業型DC
×→○
○
○
(×→○)
個人型DC
×→○
○
中小企業
退職金共済
( ○)
( ×→○)
企業型DC、個人型DCからDBへ年金資産の持ち運びを可能にする。
拠出規制単位の年単位化
企業型DCの掛金は改正前は月単位だが、これを年単位にして拠出限度
額の使い残しを解消する。
運用商品数の抑制
運用商品数に一定の制限を設けることにより、運用商品を厳選し、加入者
が選択しやすくする。
運用商品の改善
現行では少なくとも3つ以上の運用商品と1つ以上の元本確保型商品の
提供を義務付けているが、これを分散投資を促進する観点からリスク・リ
ターン特性のの異なる3つ以上の運用商品の提供義務に一本化。
加入者の消極的な投資行動を反映して元本確保型商品での運用が多い
指定運用方法の規定の整備 ため、長期の資産形成を促進する観点から商品選択を行わない加入者
は自動的に指定された運用商品に投資する仕組みの規定を整備。
継続投資教育の努力義務化
ポータビリティの拡充
現行は配慮義務となっている投資教育を努力義務にすることで、投資教
育の継続実施を促す。
移
換
前
に
加
入
し
て
い
た
制
度
•
•
•
×
×
○
移換可能:○、移換不可:×、制度改正で移換可能:×→○。
中退共からDBへの移換は、制度改正で合併等の場合も可能となった。
中退共から企業型DC、DB・企業型DCから中退共への移換は合併等
の場合のみ可能となった。
6
『確定拠出年金(DC)の制度改正』
アナリスト 佐藤 明
DC制度の改善点に関するアンケート
(%)
50.0
40.0
30.0
38.1
27.5
26.0
20.2
20.0
19.6
19.3
14.0
10.0
0.0
運⽤資産構成(DCとDB)
確定拠出企業年金(DC)
12.0
5.2
6.2 4.2
国内株式
外国株式
確定給付企業年金(DB)
12.3
0%
15.4
20%
38.3
20.6 13.5
保険
預貯⾦
その他
短期資産
外国債券 一般勘定
国内債券
29.3 13.6
40%
60%
16.5
3.9
9.0
80%
100%
7
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