伊豆七島におけるつつが虫病 - 感染症学雑誌 ONLINE JOURNAL

昭 和55年6月20日
原
279
著
伊 豆 七 島 に お け るつ つ が 虫 病(七
第三 報
島 熱)の
研究
ノ ネ ズ ミに お け る抗 つ つ が 虫 病
リケ チ ッア 抗 体 の 保 有 率1)
東京大学医科学研究所免疫学研究部
村
田
道
里
川
村
明
義
東京 大学医科学研科所寄生虫学研究部
野上
貞雄
白坂
昭子
田中
寛
(昭和54年10月26日受付)
(昭和54年12月4日 受理)
Key words:
Tsutsugamushi
disease, Rickettsia
年11月
ぼ 予 想 通 りに1976
七 島 熱3)が 三 宅 島 を 中 心 に 再 発 生 し た が,
今 回 の 流 行 は 前 回 の に 比 べ3)患 者 の 発 生 数 は 少
ネ ズ ミや ツ ツ ガ ム・
シ か ら の Rickettsia
く,又,ノ
Seroepidemiology,
Immunofluorescence
ズ ミや ヒ トに対 し従 来 の も の とは 違 い 病 原性 の弱
は じめ に
前 報1)2)に 述 べ た よ うに,ほ
tsutsugamushi,
い も のが 中心 で あつ た のか の いず れ か で あ ろ う.
前 者 を否 定 し後 者 で あ る こ とを 証 明 す るに は,今
回 強病 原性Rtの
分 離 が で きず,逆 に マ ウス に対
し弱病 原性Rt(三
宅株)が
分 離 で き,そ
の性 状
tsutsugamushi (Rt) 分 離 は,技 術 的 に進 歩 し,か つ
も明 らか に され た以 上2),実
Rtに 対 し よ り 感 受 性 の高 い ヌー ドマ ウス を 主 に
原 性Rtが 流 行 の主 役 を 演 じて い る証 拠 と して,
Rtが 分 離 で き なか つ た ノネ ズ ミが抗Rt抗
体 を
用 いた に もか か わ らず,抗Rt抗
ドブ ネ ズ ミ
体 陰 性 の1匹 の
(Rattus norvegicus; Rn)
ウス に よ って のみ分 離
か ら ヌ ー ドマ
継 代 で き る 弱 病 原 性Rt
際 に この よ うな弱 病
高 率 に 保有 し,か つ 島 の住 民 に不 顕 性 感染 が 淫浸
して い る こ とを 血清 疫 学 的 に解 明 す る必要 が あ
株(三 宅 株)以 外 は こ と ご と く不 成功 に終 つ た.
る.本 報 で は 三宅 島 で1977年1月
す な わ ち,ノ ネ ズ ミや ツ ツガ ム シ が マ ウス を用 い
ま で の間 に4回 に わ た り行 なつ た 野 外 調 査 の際 に
て 分離 で き る よ うな強 病 原 性Rtを
捕 獲 した ノネ ズ ミの血 清 中 の抗Rt抗
して いな か った こ とに な る.従
ほ とん ど保 有
つ て,今
回の流
ス し,第1回
行 が 小 規 模 で あ る原 因 と して 媒 介 ツツ ガ ム シ の
Rt保 有 率 が 極 端 に 低 いた め,ノ ネ ズ ミも ヒ トも
のが,ほ
殆 ん ど感 染 せ ず,た
100%に
また まRtの
分 離 のチ ャ ンス
に もめ ぐまれ な か つ た の か,介 在 したRtが
1)本
ノネ
論 文 の 要 旨は 第53回 日本感 染症 学 会 総 会(昭
和54年4月 東 京)に おい て 口演 され た.な お,本
研 究 の 一 部 は 厚 生 省 特 別 研 究費 補 助 金 と 大 山 健
康 財 団 学 術 助 成 金 の 援 助 に よっ て行 な わ れ た.
か ら1978年11月
体 を ト レー
の時 点 で は抗 体 が証 明 で きな か つ た
ぼ2年
の問 に 急激 に そ の 陽 性 率 が 上 昇
し,遂 に は 野外 生 活 を主 とす るノネ ズ ミでは ほ ぼ
抗 体 が証 明 で き る よ うに なつ た こ とを 明
らか に で きた ので,こ
住 人 の抗Rt抗
4)で報 告 す る.
こに報 告 す る.な お,島 の
体保 有 率 につ い て次 報(第4報)
材 料 と方 法
ノネ ズ ミの 血 清:三 宅 島 にお い て1977年1月18
感 染 症学 雑 誌
280
∼21日(第1回
野 外 調 査),同
年11月29日
∼12月
か つ た7).又IF間
第54巻
第6号
接 法 は 直 接 法 と違 い,3種
1日(第2回
野 外 調 査),1978年2月28日
∼3月
標 準 株 に 対 し交 差 反 応 が 強 い か ら5)6),標
2日(第3野
外 調 査)及
∼22日
は 必 ず し も3種
(第4回
野 外 調 査)の
れ25,8,20,18匹
捕 法 に よ りそ れ ぞ
清 を 分 離 した.な
別 を チ ェ ッ ク し,年
胴 長 を 測 定 し た.八
日 の 間,同
お,ノ
ネズ ミ
齢 を 知 るた め に頭
丈 島 で は1979年1.月17日
を 用 い る必 要 は な い.特
内 で イ エ ネ ズ ミ8匹
の ほ と ん ど がKarp型
は な い の で4),多
標 的 抗 原 にKarp株
結
を 生 捕 し,
果
示 す よ うに,三
て い た の に,捕 獲 し たRr15匹
ネ ズ ミ血 清 中 の 抗Rt
も 抗Rt抗
IF)間
屋 内 生 活 を 主 と す るRr2匹
接 法5)∼8)に よつ て 行 な つ た.標
準株 (Gilliam,
的抗原には
Karp, Kato)
を腹
腔 内接 種 に よ りそ れ ぞ れ感 染 させ,十 分 に 発 症 し
た マ ウス の 腹 膜 塗 抹標 本 を 作 成,室
温 にてアセ
トン前処 理 を10分 行 な つ た も のを用 い た.こ れ ら
標 本 を油 性 マ ジ ッ クイ ンキ に て縦 に 線 を引 き5
∼8力 処 区分 し,そ れ ぞ れ 別 個 の区 画 に被 検 血 清
の各 希 釈 列(一
次 抗 体)を
応 し,洗 浄,乾 燥 後
重 ね,37℃40分
一 次 抗 体 がRn
アカネズ ミ
・ クマ ネ ズ ミ
な つ た.な
(Rattus rattus; Rr.),
(Apodemus speciosus; Apo) 由来 の 場
中3匹
お,こ
は抗 体 が
の抗 体陰 性 中 の
1匹 か ら 三 宅 株 が 分 離 さ れ た(Fig.1)2).次
で第
3回 野 外 調 査 で は,Rrは
が抗
体 陽 性(28.6%)と
や つ と7匹
中2匹
な つ た に 対 し,い
ず れ も野外
生 活 が 中 心 で あ るRnは7/10(70%),Apoは2/3
(66.7%)と
抗 体 保 有 率 が 上 昇 し,遂
で はRnは85.7%,Apoは
に 第4回
抗 体 を100%保
有す る
れ に 反 し屋 内 生 活 が 中 心
で あ るRrは2/4(50%)に
標 識 抗 体 の中,
は いず れ
野外調査 では
は抗 体 陰 性 で あつ た
外 生 活 を 主 とす るRr6匹
に 至 つ た.(6/7と7/7)こ
濃 度 を 決 定 して あ る 抗 ラ ッ ト及 び抗 マ ウスIgG
とRn10匹
体 は 陰 性 で あ つ た.第2回
陽 性(50%)と
間反
さ らに あ らか じめ使 用至 適
fl uorescein isothiocyanate(FITC)
が,屋
宅 島 に おけ
野外 調 査 で は 当 時 す で に 患 者 が 発 生 し
抗 体価 は全 て免疫蛍光法 (immunofluorescence,
3種 のRt標
く と もGilliam型
を使 用 す る こ とで ほ ぼ十 分 で
Fig.1,Table1に
る 第1回
体 価 の 測 定:ノ
で,少
数 の 血 清 疫 学 を 行 な う時 に は,
あ る.
∼20
清 を 分 離 した.
抗Rt抗
に伊 豆 七
島 で は 今 回 の成 績 を 含 め 今 ま で 分 離 さ れ たRt株
島 で は イ タ チ を 放 つ た た め ノ ネ ズ ミが
と れ な い の で,屋
採 血,血
問 に,生
の 捕 獲 し た ノ ネ ズ ミを 心 臓 穿
刺 に よ り採 血,血
は 種 類,性
び 同 年11月20日
の
的抗 原
過 ぎ な か つ た.ノ
ズ ミ全 体 とす る と 第1回
∼ 第4回
の 間 にRtに
と急 激 に 上 昇 した こ と に な る.又
反 応 させ(共 に370C40分 間),再
に よ る抗 体 陽 性 率 の 生 活 習 性 の 差 の た め にRt保
グ リセ リ ン緩 衝 液(pH9.5)に
燥後
て封 入,透 過 式 蛍
光 顕微 鏡(千 代 田FM-2008)で
観 察 した.こ
の
ノ ネ ズ ミの種 類
有 ッ ツ ガ ム シ に 刺 れ る チ ャ ンス が 違 う こ とで 理 解
で き る し,し
か も,そ
れ ぞ れ の抗 体価 は 野外 生 活
際 陽 性 と陰 性 の血 清 対 照 は 必 ず 置 い た.こ の シス
のRnとApoが
テ ム で血 清 希 釈10倍 で も非 特 異 蛍 光 は 観 察 され な
ネ ズ ミ の 寿 命 は 自 然 界 で は ほ ぼ1力
Table
1
Serpositive
rate
in
field
対
す る抗 体 保 有 率 は0%→37.5%→55.0%→83.3%
合 には 前 者 を,ハ ッ カネ ズ ミの 場 合 に は 後 者 を
び 洗 浄,乾
ネ
rodents
trapped
は る か に 高 い 値 を 示 し た.又
in
Miyake
Island.
年 で,か
ノ
つ
昭 和55年6月20日
281
Fig. 1 Antibody titers against R. tsutsugamushi in field rodents sera trapped in Miyake Island
(by indirect immunofluorescence)
Rr:
*
抗Rt抗
Rattus
Isolation
rattus;
of
Rn:
Rattus
体 は せ いぜ い11ヵ 月 位 しか維 持 で きな い
こ とか ら して8),少
norvegicus;
Apo:
Apodemus
speciosus
R.tsutsugamushi
く と も三 宅 島 では 最初Rtの
性Rtが
今 回 の 流 行 の主 役 を 演 じ て い る 可 能 性 も
あ る.そ
の 証 明 の 一 つ と し て 三 宅 島 に お け る4回
感 染 を受 け て い な か つ た ノ ネ ズ ミが こ の2力 年 の
に わ た る 野 外 調 査 で,Rtが
間 に 高濃 度 のRtの
ネ ズ ミの 抗Rt抗
感 染 を受 け た こ とは 事 実 で あ
る.な お,1979年1月
八丈 島 で捕 獲 した 屋 内 に 主
と して 生 活 す るRr3匹
ず れ も抗Rt抗
とハ ツカ ネ ズ ミ5匹 は い
考
体 保 有 率 が 流 行 の経 過 に 従 つ て
上 昇 す る か 否 か を 検 討 し た.そ
ズ ミ全 体 と し て 見 て,最
か つ た の が(0/25),第2回
体 を 検 出 で きなか つ た.
%(11/20)→83.3%(15/18)と
察
今 回 の七 島 熱 の流 行 が 前 回3)の そ れ と様 相 を異
にす る原 因 と して,媒 介 ツ ツガ ム シ のRt保
有率
分 離 で き な かつ た ノ
の 結 果,捕
獲 ノネ
初 全 く抗 体 が 認 め ら れ な
以 降37.5%(3/8)→55
約2力
年 の 間 に急
激 に 抗 体 保 有 率 が 上 昇 した(Fig.1,Table
1).こ
の 抗 体 保 有 率 を ノ ネ ズ ミの 種 類 に よ る生 活 習 性 か
が 極 端 に低 か つ た た め に,ノ ネ ズ ミも ヒ トも殆 ん
ら見 る と,ツ
ど感 染 せ ず,従 つ て ノネ ズ ミや ツ ツガ ム シか らの
な い 屋 内 生 活 が 主 で あ るRrは0%→0%→28.6
Rt分 離 も極 め て 困難 だ つ た と も考 え られ る.し
%→50%と
か し,そ れ に し ては ツ ツ ガ ム シか ら も,68匹
(八 丈 島 で は 全 て 陰 性),野 外 生 活 が 主 で あ るRn,
捕 獲 した ノ ネ ズ ミか らも三 宅株2)以 外 のRtが
もの
分
離 で き なか つ た こ とは理 解 しに くい 点 で あ る.逆
に三 宅 株 の よ うに マ ウス(恐
ら くノ ネ ズ ミも)に
は殆 ん ど増 殖 しな い が,抗 体 は産 生 させ る弱 病 原
ツガ ム シ に刺 さ れ るチ ャ ンス の多 く
上 昇 が 緩 慢 で しか も 抗 体 が 低 い の に
は85.7%,Apoは100%陽
共 に,抗
性 と急 激 に 上 昇 す る と
体 価 も 高 い 値 を 示 した(Table
ノ ネ ズ ミの 寿 命 は 自 然 界 で は 約1力
1).又
年 で あ り,抗
Rt抗 体 の 維 持 も約11ヵ 月 と 言 わ れ る 以 上8),少
く
282
感染症学雑誌
と も三 宅 島 で は い ず れ か に 潜 ん で い たRtが
1976年11月
再 び
頃 よ り 出 現 し,免 疫 の な か つ た ノ ネ ズ
ミが こ の2力
年 の 問 にRt保
有 の ッ ツガ ム シに刺
さ れ る こ と に よ り高 濃 度 に 感 染(免
し か も そ のRtは
疫)を
受 け,
マ ウ ス で は 分 離 で き な く,三
宅
株 の よ うな 極 め て 病 原 性 の 弱 い も の で あ る 可 能 性
な る ご協 力 を 得 た.な お本 実 験 は 武井 み ど り,渡 辺 洋 子
諸 嬢 の 技 術 的 貢 献 に 負 う と ころ が大 で あ る.こ こ に,こ
れ ら の関 係 者 に 対 し深 甚 の謝 意 を表 す る.
住 所 変 更:川 村 明 義
験 研 究 所,郡
文
論
病
2)
しな い弱 病 原 性 の三 宅株 以 外 は成 功 しな か つ た こ
3)
にわ た る三 宅 島 で の野外 調 査 で 捕獲 した
ケ ッチ ア 分 離 は 陰 性)の
ト レー ス した 結 果,そ
(0/25),
の 保 有 率 が1977年1月0%
同11月37.5%
(3/8),
(11/20),同11月83.3%(15/18)と
示 した.特
1978年
2月55%
急 激 に上 昇 を
に 野 外 生 活 を 主 と す る ドブ ネ ズ ミ(0
%→50%→70%→85.7%)
→100%)は
と ア カ ネ ズ ミ (66.7%
そ の傾 向 が 強 く,こ
れ に 反 し屋 内 生
活 を 中 心 とす る ク マ ネ ズ ミ (0%→0%→28.6%
→50%)は
緩 慢 な上 昇 率 で あ つ た . この事 実 は 自
然 界 に お け る ノ ネ ズ ミ の 寿 命 と リ ヶ ッチ ア に 対 す
る抗 体 の 維 持 期 間 が ほ ぼ1力
て,少
く と も三 宅 島 で は 最 初 感 染 を 受 け て い な か
つ た ノ ネ ズ ミが,こ
受 け,し
年 で あ る こ とか ら し
の2力
年 の間 に 高率 に感 染 を
か も そ の リ ケ ッチ ア は マ ウ ス で は 分 離 で
き な く,ヌ
ー ドマ ウ ス で 増 殖 す る 三 宅 株 の よ う
な極 め て病 原 の弱 い もの で あ る可 能 性 が示 唆 され
る.
今 回 の 研 究 の 遂 行 に あ た り,東 京都 衛 生 局 公 衆 衛 生 部
の 今 川 八 束,小 川 和 栄,木 島博 保,中 村
敬,宮 入 毅 匡
の諸 先 生 の 御 援 助 を 受 け た こ とを 深 謝 す る.東 京大 学 医
科 学 研 究 所 免 疫 学 研 究 部 と 寄 生 虫学 研 究部 の メン バ ー
に は野 外調 査 に お い て ご協 力 を い た だ い た 。本論 文 の 作
4)
242-249,
研 究.
第一報
患者 の 発生状
リ ケ ッチ ア
1980.
二報
第3編,
1954.
宮 入 毅 匡,
島
マ ウス に 弱病 原性 で あ
感 染 症 誌,
1980.
東 京 都 衛 生 局:
坂 昭 子,
寛, 川
伊 豆 七 島 に お け る つ つ が 虫 病(七
研 究.第
第2編,
血清中にお
け る リ ケ ッ チ ア に 対 す る抗 体 を 免 疫 蛍 光 間 接 法 で
田中
伊 豆 七 島 に おけ るつ つ が 虫
る リ ケ ッ チ ア の 分 離 と そ の 性 状.
54:
チ ア の 存 在 す る 可 能 性 が 低 い こ と を 物 語 る.一
ノ ネ ズ ミ(リ
村 田 道 里:
熱)の
ウ ス で 分 離 で き る よ うな 強 病 原 性 リケ ッ
方,4回
(七 島 熱)の
白 坂 昭 子,
況 ヒ ノ ネ ズ ミ,ツ
ツ ガ ム シ よ りの
の 分 離, 感 染 症 誌, 54: 235-241,
つ ノ ネ ズ ミや ッ ツ ガ ム シ か ら の つ つ が
虫 病 リ ケ ッチ ア の分 離 も ヌ ー ドマ ウ ス に し か 増 殖
献
野 上 貞 雄,
村 明 義, 宮 入 毅 匡:
今 回 の三 宅 島 を 中 心 と した七 島熱 の流 行 は患 者
とは,マ
日本 文 化 厚 生 財 団 会 津 成 人病 試
山免 疫 研 究 所
1) 村 田 道 里,
が 少 く,か
第6号
成 に あ た り 同 研究 所 病 理 学 研 究 部 林 皓 三 郎 博 士 の 絶 大
が 示 唆 さ れ る.
結
第54巻
七 島 熱 の 調 査 研 究.
東 京 都,
木 島 博 保,
田中
るつ つ が虫 病
東 京,
村 田 道 里,
寛, 川 村 明 義:
(七 島 熱)の
研究
第1編,
1952,
1953,
野 上 貞 雄,
白
伊豆七島におけ
第四報
住民
に お け る抗 つ つ が 虫 病 リ ケ ッチ ア 抗 体 の 保 有
率,
感染症誌
(投 稿 中).
5) Bozeman, F.M. and Elisberg, B.L.: Serological
diagnosis of scrub typhus by indirect immunofluorescence. Pro. Sci. Exp. Biol. Med.,
12: 568-573, 1963.
6) Iida, T., Okubo, K. and Ishimaru, M.:
Immunofluorescence for seroepidemiological
study of Tsutsugamushi disease rickettsia.
Japan. J. Exp. Med., 36: 435-447, 1966.
7) Kawamura, A. Jr.:
Fluorescent antibody
techniques and their applications. 2nd Ed.,
University of Tokyo Press and University
Park Press. Tokyo, Baltimore and London,
1977.
8) Van Peenen, P.F.D., Ho, C.M. and Bourgeois,
A.L.: Indirect immunofluorescence antibodies
in natural and acquired Rickettsia tsutsugamushi
infections of Philippine rodents. Infect. Immun., 15: 813-816, 1977.
9) Shishido, A., Kohno, S., Hikita, M., Iida,
T., Kawashima, H. and Kawamura, A. Jr.:
Complement fixation and direct immunofluorescence for typing of Tsutsugamushi
disease rickettsia. Acta Medica et Biologica,
15 (Supple): 87-95, 1967.
283
昭和55年6月20日
Shichito
3.
Seroepidemiological
fever
survey
in Izu
Shichito
of anti-R.
field
Islands
tsutsugamushi
antibody
among
rodents
Michisato MURATA, Sadao NOGAMI*, Akiko SHIRASAKA*,
Hiroshi TANAKA* and Akiyoshi KAWAMURA Jr.
Department of Immunology and Department of Parasitology*, Institute of
Medical Science,University of Tokyo
A number of patients in recent Shichito lever endemic in Miyake Island was relatively small and
only one isolation of avirulent strain (Miyake strain) from a field rodent was succeed in nude mice.
These facts might indicate that presence of virulent strain which could isolate in conventional mice was
limited in nature.
Four time seroepidemiological surveys of field rodentsstudies
by indirect im-
munofluorescence in Miyake Island showed that antibody positive rate was increased rapidly from
0% (0/25) in January
1977 to 83.3% (15/18) in November 1978 (isolation ofRt
was negative).
Field rats, Rattus norvegicus(Rn) and Apodemusspeciosus (Apo) which were primarily living outdoors,
showed rapid increase and reached high seropositive (from 0% to 85.7% in Rn and from 66.7% to
100% in Apo).
On the contrary, Rattus rattus (Rr) which was mainly livingindoors,
raise seropositive rate (from 0% to 50%).
rodents were about 1 year.
showed slow
In nature, life span and maintenance of antibody of field
These facts might indicate that in Miyake Island, high percentage of
field rodents got infection in the last 2 years and the infected Rt was an avirulent strain like Miyake
strain which could grow only in nude mice.