住宅性能表示制度における「液状化に関する参考情報の提供」に関する手引きに係る質疑応答集 No. 1 該当 P P2 該当箇所 質問内容 回答 Ⅰ-1 液状化に関す 戸建分譲の場合, 「申請者からの申し出」の「申請者」は建 戸建分譲において,建築主が決まっていない場合の申請者は建 る参考情報の提 築売主になるのでしょうか?また,記載するのは義務でし 築売主になります。また、記載するのは任意とされています(本 供の基本的な考 ょうか?任意でしょうか? 手引き P.2 を参照) 。 大潮などによる地下水位の変動を考慮する必要があるので 大潮などの影響により地下水位の変動が顕著な場合は,留意す しょうか?また,水位予測は必要でしょうか? ることも考えられます。設計者判断により原位置で測定した地 え方 2 P21 Ⅱ-3 地盤調査 下水位と指標を算出する際に用いる地下水位が異なる場合は, 地下水位の情報又は地盤調査から得た液状化に関する指標の 備考欄にその根拠を示すことが考えられます。 3 P21 Ⅱ-3 地盤調査 推定N値は,礫質土においても平成 25 年度国土交通省建築 本手引きでは,平成 25 年度国土交通省建築基準整備促進事業 基準整備促進事業提案の推定式を採用して良いでしょう において砂質土地盤における N 値の推定式を紹介しておりま か? す。調査法による差異の補正方法のひとつとして参考とするこ とも考えられますが,礫質土の推定式でないことには留意が必 要です。 4 P24 Ⅱ-3 地盤調査 表 3.2.2 に掲載されているソイルキャッチャーは、2015 年 3 各調査方法においては,平成 25 年度国土交通省建築基準整備 月 31 日付で一般財団法人ベターリビングにて,建設技術審 促進事業の時点における名称並びに内容であることをご理解 査(BL 認定証明‐018)を取得し,名称もソイルキャッチ 頂くとともに,次回の改訂時には修正を検討させて頂きます。 ャー(α)に変更になっており,その内容に修正していた だきたい。 1 5 6 P26 P26 Ⅱ-3 地盤調査 Ⅱ-3 地盤調査 液状化の要素として細粒分含有率と地下水位が大きく関係 ご指摘のとおりとも考えますが,モニタリングしない限り,地 していることは確かですが,2011 年東北地方太平洋沖地震 震時の水位測定は非常に難しいと考えられます。 で経験したように,最初の地震動で地下水位が上昇し,水 本手引きは「考え方の例」を示しております。この例なども参 位が元に戻る前の余震により液状化が発生することは稀で 考にしていただき,地下水位の設定など液状化検討を行う際の はない。平常時の地下水位で液状化の危険性を判断するの 地盤条件は,設計者が個別に検討し,設定して頂くことになる はどうかと思われますが,いかがでしょうか。 と考えられます。 地下水位が GL-2.5m以深(𝐻1 ≧2.5m)の地盤で𝑁𝑆𝑊 ≧30 「表 3.2.3 の土層はサンプリングが省略できるとなっていますが,𝑁𝑆𝑊 は,一般に「液状化の可能性が低いと想定される地盤」の参考 ≧30 の土層は細粒分含有率𝐹𝐶 ≦ 35%の透水性の高い砂混じ 数値を示したもので,サンプリングが省略できる考え方の目安 り粘性土~粘土混じりの砂質土層や,シルト混じりの細砂 です。 である確率が高い。 液状化の可能性が高いと想定されるのであれば、サンプリング 今回のように GL-5m~GL-10mまで液状化を考えた場合, の実施をお勧めします。 中地震でも液状化する地盤である可能性が高いと思われま 表 3.2.3 の適切な運用に期待いたします。 サンプリングが省略できる地盤条件の考え方の例」 すがいかがでしょうか。 7 P34 Ⅱ-3 地盤調査 SWS 試験+サンプリング調査で国総研プログラムを使用し 本手引きでは,平成 25 年度国土交通省建築基準整備促進事業 て推定値で𝐹𝑙 値や𝐷𝑐𝑦 ,𝑃𝐿 値を出して判定する案ですが、 で検討された「SWS 試験調査+サンプリング調査による液状化 SWS 試験孔でサンプラーを用いて試料を採取しても,ボー 判定手法」を掲載させていただきました。 リング調査で採取した試料との整合性は、ばらつきが大き したがいまして,本手引きは,液状化判定はこの方法でなけれ い。 ばならないと規定したものではありません。 補正をかけて安全側で判断するにしても標準貫入試験の N コストや時間的制約がなければ,標準貫入試験や三成分コーン 値と SWS 推定 N 値のばらつきの問題や土質、湿潤単位体 貫入試験も良い判定手法であると考えます。 積重量,細粒分含有率𝐹𝐶 の数値も推定値を使っているなど, 設計者判断で,適切な液状化判定をお願いいたします。 かなり安全側の数値となり,液状化しない地盤まで液状化 するという評価になる危険性が危惧される。 この方法は二次判定としては好ましくないと考えます。 2 むしろ,液状化マップと土地条件図の微地形区分、現地踏 査での電柱傾斜等の障害,SWS データ,水位、推定土質で 一次判定し,液状化の可能性が疑われる場合は,二次判定 として標準貫入試験や三成分コーン貫入試験を実施して, 𝐷𝑐𝑦 や𝑃𝐿 値で判定するほうが現実的で妥当性があると思いま すがどうでしょうか。 8 Ⅱ-3 地盤調査 細粒分含有率𝐹𝐶 を求めるためには,必ず粒度試験を行わな 液状化の指標の検討をする場合には,細粒分含有率𝐹𝐶 の設定を ければなりませんか? 適切に行うことが大切と考えられます。𝐹𝐶 の設定は粒度試験に よることが原則ですが,客観的な資料により細粒分含有率𝐹𝐶 を 安全側に設定することにより指標を算定することも考えられ ます。 【参考文献】 手引き第9章 9.4 節 液状化の検討に関するQ&A 液状化の指標の検討 (2) 𝐹𝑙 値,𝐷𝑐𝑦 値,𝑃𝐿 値による検討 p.128 9 Ⅱ-3 地盤調査 SWS 試験のサンプラーにより細粒分含有率𝐹𝐶 を評価する場 本手引きでは,平成 25 年度国土交通省建築基準整備促進事業 合は,必ず平成 25 年度国土交通省建築基準整備促進事業提 で提案された細粒分含有率 Fc の補正方法を紹介しております。 案の補正式を使わなければなりませんか? 提案されている補正式は既存の SWS 試験の各種サンプラーで の検証によるものですので,改善改良されたものや採取方法の 工夫により,従来よりも精度向上が期待できると考えられる方 法による場合は,より適切な細粒分含有率𝐹𝐶 の設定をすること も考えられます。 【参考文献】 手引き第9章 9.3 節 3 液状化の検討に関するQ&A 地盤調査 (3)粒度試験(細粒分含有率)p.126 10 P35 Ⅱ-4 液状化の指標 液状化指標を示すにあたり,「地表面から 5m の範囲で検討 検討範囲の選択は,SWS 試験結果等を踏まえて設計者による の検討 する場合」と「地表面から 10m の範囲で検討する場合」が 判断となります。 記載されていますが,検討範囲はどちらでも良いのでしょ うか? 11 P58 Ⅱ-5 液状化対策の 検討 深層混合処理工法における地震時の水平力検討に関して, 深層混合処理工法における地震時の水平力検討に関しては,下 戸建住宅を対象とした場合の設計の考え方をご教示願いた 記の資料が参考になるかと考えます。 い。 ・日本建築センター:改訂版 建築物のための改良地盤の設計 及び品質管理指針,平成 16 年 4 月 ・日本建築センター: 「改訂版 建築物にための改良地盤の設計 及び品質管理指針」Q&A 集,平成 22 年 3 月 ・日本建築学会:建築物のための地盤改良設計指針案,2006 年 11 月 12 P58 Ⅱ-5 液状化対策の 検討 液状化対策については,深層混合処理工法(柱状改良など) を適用することは可能でしょうか。 深層混合処理工法(柱状改良など)も建物の傾斜などを防止, 低減する効果を期待して,液状化に関連して行う住宅基礎等に 関する工事のひとつと考えられます。 なお,平成 25 年度国土交通省建築基準整備促進事業の検討 結果でも,2011 年東北地方太平洋沖地震の液状化の発生地域 において,柱状改良等の従来工法で設計・施工された建築物の 液状化被害が,ある程度低減できたとする例が報告されていま す。柱状改良体の先端を液状化の可能性が小さい層とすること が,ある程度不同沈下量(傾斜角)の低減効果が期待できる方 法のひとつと考えられます。 【参考文献】 ①手引き第 5 章 ・5.2 節 4 液状化対策の検討 液状化被害低減工法 p.60 ・5.3 節 2011 年東北地方太平洋沖地震での液状化被害 からの考察 pp.63~65 ②東京都都市整備局:液状化による建物被害に備えるための手 引き,2013.3 13 P70~ Ⅱ-7 液状化に関す 「日本住宅性能表示基準・評価方法基準解説 2015」の中に 1) 本手引きにおいても,P.4 の 11 行目に同様の解説をしてお る参考情報の 記載されている解説と今回説明された内容で若干の食い違 ります。 記載内容と例 いがありますが,今後どのように取り扱ったらよいかご教 2) 本手引きは,液状化判定用の地盤調査方法はこの方法でな 示いただきたい(評価機関としてはあくまでも提供された ければいけないと規定したものではありません。コストや時間 項目を評価書に転記するというスタンスであることが前提 的制約など実情を鑑みて,設計者判断で適切な地盤調査方法を ですが) 。 選択することが適切と考えられます。 1) 液状化に関する広域的情報で, 「なし」と記載できるの 3) (ロ)欄は,液状化に関連して行う地盤に関する工事の記 は,調査によって情報が存在しないことを確かめた場合で 録・計画にあたります。べた基礎は,当該住宅基礎における工 あって,調査をしていない場合は, 「不明」と記載するとあ 事に該当するため,(ハ)欄に明記することが適切と考えられ るが,本手引きには触れられていない。 ます。 2) SWS 試験による場合の制限で, 「調査深度は GL-10m まで」, 「液状化判定用の SWS 試験箇所数は 1 ヶ所」 ( 「小規 模建築物の簡易な液状化判定手法の提案」からの抜粋)が 本手引きでは特に触れられていない。 3) (ハ)液状化に関する当該住宅基礎等における工事の 情報のところで,べた基礎も工法として書けるということ でしたが, (ロ)の中の「液状化に関連して行う地盤に関す る工事の記録・計画」のところにべた基礎を書く必要はな いのか? 5 14 P70~ Ⅱ-7 液状化に関す る参考情報の SWS 試験で貫入深度が GL-5.0m より浅い場合の検討はど 手引き P26「サンプリングが出来ない場合や省略する場合の考 のようにすればよいか。 え方」や,P125 の 9.3 節「SWS 試験」に関する Q&A に記載 記載内容と例 の通り,貫入不能や既存建物の影響で調査ができない場合は, 近隣ボーリングデータや,その他資料などを総合的に検討して 頂くことが考えられます。 15 P76 Ⅱ-7 液状化に関す 設計住宅性能評価申請時と建設住宅性能評価申請時で変わ 申請先の評価機関にご確認いただいた上で指導に従ってくだ る参考情報の った場合,変更設計住宅性能評価申請をするのでしょう さい。 記載内容と例 か?情報提供ということですので,その時点のものとして 考え「変更手続き」等の対応は不要なのでしょうか? 16 P100 Ⅱ-8 液状化に関す 非液状化層(𝐻1 )と液状化層(𝐻2 )による液状化評価にお 本検討例では「最大検討深度 10m の図表を適用した。 」として る参考情報の いて,𝐻1 ,𝐻2 法での液状化評価をやっていますが,判定対 おりますが,実際の検討では地盤調査結果のうち地表面から 検討例 象が GL‐5m までであれば,簡易図表を GL‐10m のもの 5m までの深度を判定対象層としておりました。結果は検討深 非液状化層 を使う必要はないのでしょうか?GL‐5m のものを使って 度 5m の図表を適用した場合の結果と相違はありませんが,本 ( H1 ) と 液 状 化 層 も結果は同じになると思います。GL‐10m を使うときは 来 10m の図表の適用は,最大 10m までを検討対象とした地 (H2)による液状化 GL‐10m までを判定対象にするものと思っていたのです 盤調査結果によることが適切であると考えられます(正誤表, 評価 が違うのですか? その他内容に関する補足説明参照) 。 8.2 節 詳しくは手引き 4.2 節「(1)液状化の影響が地表面に及ぶ程度の 検討(小規模基礎指針)」 (pp.35~36)をご参照下さい。 6
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