2014 年度三美グループ環境活動報告

2015 年 9 月 24 日
2014 年度三美グループ環境活動報告
2014 年度(2014 年 5 月~2015 年 4 月)の三美グループの環境活動をご報告します。
※三美グループとは、ISO14001 の認証範囲である「三美印刷(株)と以下のグループ会社」の総称です。
(株)サンビプロダクトセンター/(株)サンビバインディングセンター/(有)ピー・アイ・ティー
1. 2014 年度の環境活動
(1)FSC®森林認証(COC 認証)
2014 年 12 月に FSC®森林認証(COC 認証)の年次審査を受審しました。
※FSC®森林認証紙は、適切な森林管理を認証する国際的な機関である FSC®の基準に適合した
森林からの木材を原料として製造された用紙です。印刷物に FSC®森林認証紙のマークを付ける
には、林業者だけでなく、製紙会社から紙商社、印刷会社に至るまで、流通・加工に携わる全ての
法人が認証を受けていなければなりません。三美印刷は、2008 年に認証を取得しています。
(2)CTP 廃液の削減
現在稼動中の 2 台の同型の CTP(刷版出力機)は、いずれも「廃液を従来の約 1/8 の量に濃
縮する廃液削減装置」及び「残りの 7/8 を再生水として現像装置に戻す再生水再利用装置」と
ともに導入したものです。1 台目の導入は 2012 年 7 月、2 台目は 2014 年 2 月ですが、この 2
台目の導入をもって従来型 CTP からの置き換えが完了したため、2014 年度(2014 年 5 月か
ら)は、従来型が無くなった状態で、廃液削減装置が期初から年間を通してフルに効果を発揮
した初めての年となりました。CTP 廃液量削減の成果を以下のグラフに示します。
CTP廃液量の推移
トン
60
2012年7月
1台目導入
50
40
30
53.2
20
38.9
2014年2月
2台目導入
10
9.5 0
2011
2012
2013
4.5 2014
※廃液の削減は、産業廃棄物の減量となり、輸送や焼却時のエネルギー使用量削減をもたらします。
1
(3)PLATE to PLATE アルミリサイクルシステムへの参加
富士フイルムの PLATE to PLATE アルミリサイクルシステムに参加しています。これは、
使用済み刷版のアルミニウムをプレート製造に再利用する仕組みであり、ボーキサイトから精
錬した新地金で作る従来の版と比べ、約 60%の CO2 削減ができるとされています。
→PLATE to PLATE システムの紹介ページ
このリサイクルシステムへの参加(使用済み刷版の供給)を通じた三美印刷の 2014 年度の
CO2 削減量は、2013 年度の 336 トンとほぼ同等の 334 トンでした。
(4)パウダーレスインキの使用開始
2014 年 7 月から 9 台ある印刷機のうちの 1 台で、同年 9 月からもう 1 台で、T&K TOKA
製のパウダーレスインキ「ベストワン キレイナ」の使用を開始しました。裏付き防止のための
パウダーの散布が不要になるという画期的なインキです。
→ベストワン キレイナの紹介ページ
※パウダーは「インキが紙の裏面に付いてしまうトラブル(裏付き、または裏移りと言います)」の防止に
不可欠なものとして長年に渡って使われてきましたが、一方でパウダーには「印刷物のザラつき」や
「印刷機に粉が堆積して紙面に落ちるトラブル(ボタ落ちと言います)」が起こり得るなど様々なデメリ
ットもあります。環境面では、「工場内が粉で汚れて作業環境が悪化すること」や「湿し水が汚れやす
い→水の交換頻度が増える→廃棄物が増える」などが挙げられます。パウダーレスインキの使用によ
り、このようなデメリットを改善することができます。
(5)ラミネート加工機の導入
2015 年 2 月に、従来は外部の加工所に委託していたラミネート加工を内製化するために、
三美印刷の工場内に Komfi 社製の自動ラミネーター・Sagitta(下記写真)を導入しました。
※内製化により、外部の加工所との間の紙の輸送に要していたエネルギーが削減できます。
※ラミネート加工とは、紙の表面に PP(ポリプロピレン)その他の透明フィルムを貼る加工です。
「紙を破れにくくし、保護すること」や「光沢等を出して見栄えを良くすること」が主な目的です。
特に書籍の表紙ではよく行われます。
2
(6)洗浄剤は GP 資機材認定製品を使用
印刷機のブランケット、ローラー、給水に使う洗浄剤は、日印産連のグリーン基準に適合し
た GP(グリーンプリンティング)資機材認定製品を使用しています。
※なお、三美印刷の総合工場部はグリーンプリンティング認定工場(認定番号 B-10045)です。
グリーンプリンティング認定制度と GP マークについては、以下をご参照下さい。
→グリーンプリンティング認定制度の紹介ページ
2. 2014 年度の環境実績
(1)エネルギー使用量の推移
トン
900
800
エネルギー種類別使用量(CO2換算値)
846.0
45.2 14.7 860.5
42.1 18.1 871.7
39.2 14.2 786.1 800.3 818.3 2012年度
2013年度
2014年度
700
600
500
400
300
200
100
0
電気
都市ガス
ガソリン
※上記グラフにおける CO2 量への換算は、以下の係数を適用しています。
電気: 0.423 kg-CO2/kWh
都市ガス: 2.27 kg-CO2/㎥
ガソリン: 2.30 kg- CO2/ℓ
・2014 年度の三美グループ全体のエネルギー使用量は、CO2 換算値で 871.7t(トン)でした。
・871.7t の種類別内訳は、電気が 818.3t、ガソリンが 39.2t、都市ガスが 14.2t です。
・電気の 818.3t のうち、581.5t は総合工場部(以下、工場と略)、残り 236.8t は工場以外の
3 つのサイト(本社ビル、IT ビル、CTC ビル)での使用です。
・工場の電気の 581.5t は、前年度の 549.2t から 5.9%増加しましたが、2014 年度は生産量
(印刷通し枚数)も 5.8%増加しており、原単位(注)では 0.46%の増加にとどまります。
注:原単位 = 一定量の生産(この場合、通し枚数)に必要な生産要素(この場合、電気)の量
・871.7t は前年度比 1.3%の増加となりましたが、仮に生産量が前年度と同じだったとします
と、2014 年度の工場の電気は 549.2t × 原単位増加率 = 551.7t で収まり、合計は 551.7 +
236.8 + 39.2 + 14.2 = 841.9t で、前年度比は 2.2%の減少となっていたと計算されます。
3
(2)PLATE to PLATE アルミリサイクルシステムへの参加による CO2 削減量
p.2 の 1.(3)項にて既述の通り、2014 年度は 334t(注)でした。
注:プレート製造のためのリサイクルを通じて三美印刷が「貢献した」CO2 削減量であり、
三美グループ自身の CO2 排出量の推移(p.3 の 2.(1)項のグラフ)には含まれません。
(3)廃棄物排出量の推移
トン 廃棄物及び再資源物、種類別排出量
450
400
85.9%
81.4%
85.7%
70%
300
60%
334.6 310.2 200
319.2 30%
100
0
50%
40%
150
50
90%
80%
350
250
100%
20%
68.8 7.4 2012年度
43.3 7.6 2013年度
39.2 14.0 10%
0%
2014年度
可燃
不燃
再資源物
リサイクル率
※リサイクル率 = 再資源物 ÷ (可燃 + 不燃 + 再資源物)
・2014 年度の可燃ごみと不燃ごみの合計は 53.2t で、前年度の 50.9t から 4.5%増加しました。
不燃は 43.3t→39.2t と減りましたが、可燃が 7.6t→14.0t と増えた結果です。
・可燃の増加の主な要因は、本社ビルと CTC ビルで引越し(転出&転入)やレイアウト変更
工事があったことに伴う排出量の増加です。
・不燃の減少の主な要因は、CTP 廃液の減少です。
CTP 廃液についての詳細は、p.1 の 1.(2)項にて既述の通りです。
・再資源物も加えた量は 372.3t で、前年度の 361.1t から 3.1%増加しました。
※三美グループにおける主な再資源物は、工場の印刷/製本の工程で発生する損紙やヤレ紙
などと呼ばれる使えなくなった紙や使用済み刷版などです。
・2014 年度のリサイクル率は、前年度の 85.9%から微減の 85.7%でした。
4
3. 2015 年度環境目的・目標
2015 年度は以下の目標の下、環境保全活動に取り組んでまいります。
環境目的
1
有害な排出物の削減
目標
揮発性有機化合物の排出削減
GP 認定機材の使用
2
資源・エネルギーの有効活用
サイト別に電気・ガス・ガソリンの使用量を前年比 3%削減
(原単位含む)
3
ゼロエミッション
各サイトで廃棄物排出量を前年比 5%削減
4
環境に配慮したサービスの提供
グリーン電力、GP マーク、FSC®マーク、PUR 製本など
5
有益な環境活動の推進
サイト別に目標を決め取り組む
以上
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