群構造に基づく複合ヒッグス模型の分類と実験による

物理学教室セミナー (11 月 12 日)
富山大学 大学院 理工学教育部 物理学専攻
理論物理学研究室 修士課程 2 年 小鳥 慎也
発表タイトル
群構造に基づく複合ヒッグス模型の分類と実験による検証可能性
要旨
素粒子物理学におけるヒッグス粒子は、素粒子に質量を与える非常に重要な素
粒子である。現在、ヒッグス粒子については、その本質がまだわかっていないた
め、ヒッグス粒子が素粒子ではなく複合粒子である場合も議論されている。この
ような立場の一つに、ヒッグス粒子が擬南部・ゴールドストンボソンであると見
るものがある。南部・ゴールドストンボソン (NGB) とは、大局的対称性が破れた
際に現れる質量を持たない粒子のことであるが、その内で何らかの機構によって
質量を持つ NGB を擬南部・ゴールドストンボソン (pNGB) という。
よく知られた pNGB としては、量子色力学のパイオンがあり、ヒッグス粒子
=pNGB と考える場合には、クォークの複合粒子であるパイオンとの類似からヒッ
グス粒子がさらに基本的な粒子の複合粒子であると考えられる。
一般に対称性の破れ方によって現れる NGB の種類や数は異なるため、考える対
称性に対応してさまざまなヒッグス粒子が考えられるが、そのような対称性と現
れるヒッグス粒子の対応は既に先行研究がある [1]。本発表では、そのような対応
について、SO(5) 対称性が破れることでアイソスピン2重項のヒッグス粒子が現
れる最小複合ヒッグス模型と、SO(6) 対称性が SO(5) 対称性に破れることでさら
にアイソスピン 1 重項のヒッグス粒子が現れる場合の二つの模型に注目する。こ
れら二つの場合で、群の構造に基づいてヒッグス粒子の背後の物理を理論的に研
究し、加速器実験でそれらの模型を区別することが可能かどうかを議論する。
[参考文献]
[1]B. Bellazzini, C. Cski, J. Serra, Eur. Phys. J. C(2014)74:2766
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