特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)施設整備(創設・増床)の手引き (平成27年4月1日) この手引きは、県条例、県要綱及び厚生労働省通知等に規定されるもののほか、特別養護老人ホーム の整備にあたって留意すべき事項について記載している。 1 施設の概要 原則として65歳以上で、身体上又は精神上著しい障害があるため常時の介護を必 要とし、かつ、家庭で介護を受けられない高齢者のための施設 2 入所対象者 要介護3から5までの要介護者及び居宅において日常生活を営むことが困難であ ることについてやむを得ない事由があると認められる要介護1又は2の要介護者 3 事業主体 都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人(老人福祉法15条) 4 施設基準 ユニット型施設の場合 (主なもの) (1) 必置施設・設備 ユニット(居室、共同生活室、洗面設備・洗面所、便所)、浴室、医務室、 調理室、洗濯室又は洗濯場、汚物処理室、介護材料室、事務室、その他運営 上必要な設備 (2) 居室は原則個室(夫婦部屋の整備は、2人室も可) (3) 居室はおおむね10人以下のユニット(生活単位)を形成し、共同生活室 に近接して一体的に設ける。 (4) 居室の1人当たり床面積は10.65㎡以上(有効面積、洗面含む、便所 除く) (5) 共同生活室の面積はそのユニットに属する入居者 1 人あたり2㎡以上 (6) 廊下幅は原則として中廊下の場合は2.7m以上、片廊下の場合は1.8 m以上(幅員は内法で、手すりから測定する) (7) 原則として、建築基準法上の耐火建築物。2 階建又は平屋建の場合で、一 定の要件に該当する場合は、準耐火建築物で可。 ※ ユニットケアの理念に基づき空間配置、構造設備について配慮すること。 ※ 多床室の整備は認められない。 5 人員基準 【例:定員30人、50人施設の場合】 (主なもの) 6 職 種 入所定員 職 30 50 施設長 1 1 医 生活相談員 1 1 栄養士 1 介護支援専門員 1 種 入所定員 30 50 1 1 看護・介護職員 10 17 1 うち看護職員 2 3 1 機能訓練指導員 1 1 師 施設整備費 H27年度 広域型 県補助金(創設、増床の場合)(ユニット型のみ補助対象) 補助金 特養本体 240万円/床 併設ショートスティ 115万円/床(10床を上限) 7 施設用地 (1) 特別養護老人ホームを経営する事業の安定的、継続的な運営を確保するた め、施設設置に必要な土地及び建物については、事業主体が所有権を有して いるか、国又は地方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けていること。 やむを得ず、国又は地方公共団体以外の者から施設用地の貸与を受けて設 置する場合でも次の要件をいずれも満たすこと。 ① 事業の存続に必要な期間の地上権又は賃借権を設定し、かつ、これを 登記すること。 ② 賃借料の水準は、無料又は極力低額であること。また、法人が当該賃 借料を長期間にわたって安定的に支払う能力があると認められること。 (2) 施設用地には、抵当権等所有権以外の権利関係が存在しないこと。なお、 存在する場合は、選定後、当該権利関係の抹消を行うこと。(施設整備に係 る(独)福祉医療機構からの借入及び同融資の協調融資に係る抵当権は除く) (3) 都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、農地法、砂防法、森林法、 自然公園法、建築基準法、景観条例、文化財保護法その他土地の利用に関す る法的規制について関係機関にあらかじめ協議を行い、当該用地に施設の建 築が可能であるどうか確認すること。 (4) 土砂災害特別警戒区域等災害に関する指定がある区域には立地しないこ と。 (5) 日照、騒音、悪臭、振動、地形等に関して、入居者の健全な生活の維持の ためにふさわしい周辺環境であること。 (6) 一般住民が生活している地域から離れたところに孤立して立地する形態で はなく、交通の利便、周辺の生活環境等から、家族や地域とのつながりを保 つことができる立地であること。 8 資金計画 (1) 施設整備資金については、補助金、(独)福祉医療機構(同融資の協調融 資を含む)からの借入金のほか、確実な寄附金、自己資金(既存社会福祉法 人)によること。 (2) 運転資金については、寄附金、自己資金(既存社会福祉法人)であること が望ましい。 (3) 中長期的にみて、適正な資金計画であること。(借入金の償還が確実であ ること) 9 地元への説明 等について 10 整備に係る契 建設計画、工事等について、予定地の隣接地権者、地元自治会等に対する説明を 十分に行い、同意を得ること。 県から補助金を受けて、施設整備を行う場合は、公共工事に準じた扱いにより、 約について 入札等により契約手続きを行うこと。 11 (1) 県介護保険事業支援計画に基づく整備 整備の流れ (手続き関係) 県及び市町村では、3年間を計画期間とする(現計画は、第6期計画、平成 27~29年度)介護保険事業(支援)計画の中で、介護老人福祉施設(特別 養護老人ホーム)のサービス利用者見込数を定めている。県計画では、市町村 計画のサービス利用者見込数を、県全体で積み上げ、整備計画床数を定めてい る。計画期間における各年度の整備については、計画の整備計画床数の範囲内 で行う。 (2) 市町村による選定 特別養護老人ホーム等の施設は、施設所在地市町村の住民の利用が中心にな ることが予想され、当該市町村の介護保険事業計画に大きな影響を与えるた め、施設整備を行うにあたっては、市町村が行う公募等の手続きにより選定さ れることを条件としていること。 (3) 県による選定 市町村により選定された整備計画について、県介護保険事業支援計画に定め る整備計画床数の範囲内で、県が選定を行う。 (4) 整備計画についての協議 (3)により、選定された事業主体は、詳細計画について検討及び県と事前 協議を行い、遅くとも工事入札日の2か月前までに、県に整備計画書を提出す ること。 (5) 社会福祉法人の設立(既設法人を除く) 特別養護老人ホームを設置できるのは、都道府県、市町村、地方独立行政法 人又は社会福祉法人に限られること。 社会福祉法人を設立するには、施設整備の事前協議と並行して法人設立の事 前協議及び法人設立認可申請を法人所轄庁に行う必要がある。 【法人所轄庁について】 区 ① 分 主たる事務所が市の区域にある社会福祉法人で 所轄庁 市長 その行う事業が当該市の区域を越えないもの ② 当該社会福祉法人の行う事業が2以上の都道府 厚生労働大臣 県の区域にわたるもの ③ ①及び②以外 都道府県知事 (6) 老人福祉法に基づく施設設置認可申請 開設日の概ね1か月前までに、老人福祉法に基づく特別養護老人ホームの設 置認可申請を、県に提出する。 (7) 介護保険事業所指定申請 開設日の2か月前の末日までに、県に介護保険事業所指定申請を提出する。 (スケジュールの一例については、次頁参照) 14 その他 奈良市内での施設整備については、事業者選定、設置認可及び介護保険事業所 指定は奈良市役所で行う。 15 問い合わせ先 〒631-8501 奈良市登大路町30番地 奈良県健康福祉部長寿社会課 施設整備係 電 話 0742-27-8534(直通) メール [email protected] ※奈良市内での施設整備については、奈良市役所にお問い合わせください。 ※地域密着型特養(定員29人以下)の設置については、施設所在予定地の市町村 役場にお問い合わせください。
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