2015 年世界不動産連盟 APREC(アジア太平洋地域不動産会議)概要 世界不動産連盟日本支部 2015 年 9 月 10 日から 12 日までの 3 日間にわたり、ハワイ(於:ホノルル、ヒルトン・ハ ワイアン・ビレッジ)において、世界不動産連名の主催によるアジア不動産地域不動産会議 -APREC が「太平洋を越えての成功 - 新しい開発のコンセプト」をテーマとして、8 カ国 から 207 名が参加して開催された。日本からは瀬川信義日本支部会長を始め、19 名が参加 した。 1.アジア太平洋地域委員会(9 月 10 日 15:30~16:30) 委員長のリム・ラン・ユアン シンガポール支部会長からの歓迎の挨拶の後、各国から支 部の現状、会員数の増減に対する報告があった。シンガポールとマレーシア支部は活発 に活動しており支部会員数は順調に増加していると報告があった。 日本支部からは支部の現状や会員数の動向(昨年より 5 名増)等に関する報告を行った。 2.開会式(9 月 11 日 9:00~) ハワイの先住民による伝統的な儀式が披露された後、アメリカ支部の APREC ハワイ大 会組織委員長、ジョアン・サトウ氏による開会の辞に続き、ホノルル市長のカーク・コ ー ド ウ ェ ル氏 か ら 歓 迎の 挨 拶 と 、今 大 会 の メイ ン セ ッ ショ ン で あ る*TOD(Transit Oriented Development)サミットでの活発な議論と、プロジェクトの完成による市民の生 活と福祉の向上、民間会社との連携によるコミュニティの活発化に対する大いなる期待 が語られた。 最後に前世界会長ロビン・ウォーターズ氏からは、これからの不動産業界 の発展に向け、アジア太平洋地域の各国間の協力・連携が不可欠である旨の挨拶があっ た。また、ダニエル・グロッセンバッカー世界会長は、同期間に NY で国連の会議があ るために APREC には参加出来ないとの報告があった。 *TOD=公共機関に基盤を置き、自動車に依存しない社会を目指した都市開発 引き続き、基調講演が行われ、英国王立チャータード・サベイヤーズ協会(RICS)の前会 長で、資本市場について世界中でコンサルタントとして活躍してきたスティーブン・G・ ウィリアムズ博士より不動産業界へのグローバルな資本の移動をテーマとした講演があ った。 3.アジア太平洋地域 TOD サミット(9 月 11 日 10:45~) 今回の会議のハイライトであるこのサミットには、FIABCI の会員のみならず、ハワイ州 政府、ホノルル市役所の担当者、ハワイ州議会議員等多くの聴衆が集まって行われた。 パシフィック リソーシズ パートナーズ社(今大会のメインスポンサー)ジョン・ホワイト 専務理事をモデレーターとして、ホノルル市の TOD 管理責任者のルー・ハリソン氏、 FIABCI シンガポール支部長のリム・ラン・ユアン博士、インドネシアの メトロ レール トランジット(MRT)社長、D. ボーズタミ氏から各国の TOD の実例の紹介がなされた。 日本からは株式会社日建設計、プロジェクト開発部門チーフプランナーの横尾茂氏が東 急沿線の TOD 事例と日本とホノルルの開発状況の比較を中心に講演を行った。 4.その他のセッションと閉会式 9 月 11 日午後~12 日午前中にかけて「環境を考慮したリゾート開発」、 「ホノルルの海水 を使った空調設備」、「スマート、サステナブルで且つ利益をもたらす都市開発」等をテ ーマにしたセッションが活発に行われた。最後に開かれた「アジア太平洋地域不動産パ ノラマ」では、日本を含む各国より不動産市場の最新情報が報告され、シンガポールと マレーシアでは加熱する不動産熱に対して政府により抑制案が出されていること等、オ ーストラリア、シドニーで 4 年に亘って不動産が高騰しているのは、主に中国人が子供 の就学前に住宅を買って移住してきているためで、地元の若者の住宅所得が難しくなっ てきていることが問題になっていること等報告された。 閉会式では、ジョアン・サトウ氏から参加者への感謝の言葉が述べられ、会議の成功が 讃えられるとともに閉会した。 5.今後の予定 今大会では、今後の会議予定が以下の通り報告された。 2015 年 12 月 2 日~ 5 日 ビジネスミーティング ブリュッセル(ベルギー) 2016 年 5 月 21 日~26 日 第 66 回世界総会 パナマ(Sheraton Hotel Panama) 2017 年 9 月 22 日~24 日 韓国 第 16 回 APREC 釜山市(Lotte Hotel)
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