第4回

15/05/15
ハードウェア概論
第4回
パイプライン処理の効果
パイプラインの深さ
1つの命令を分けたステージの数
パイプラインピッチ
1ステージの実行に要する時間
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パイプライン処理の効果
D : パイプラインの深さ
P : パイプラインピッチ
N : 命令数
としたときのパイプライン処理時間は
(D+N-1) * P
CPUのアーキテクチャ(設計指針)
CISC(Complex Instruction Set Computer)
CPUに高機能な命令をもたせることで,一つの命令で
複雑な命令を実現
RISC(Reduced Instruction Set Computer)
CPUに単純な命令しかもたせない代わりに,それらを
ハードウェアのみで実装させることで高速処理を実現
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CISCとRISCの比較
CISC
RISC
複雑
命令体系
単純
多い
命令の種類
少ない
可変
命令長
固定
可変
実行時間
固定
マイクロプログラム
ハードウェア制御
ワイヤードロジック
RISCについての補足
ワイヤードロジック(結線論理)
物理的に結線された論理回路
すべての(単純な)命令をハードウェアで実装
命令の追加や変更は難しい
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RISCについての補足
命令の実行速度は速く,命令長や実行速度
はほぼ一定なので・・・
パイプライン処理の実行効率がよくなる
メモリ
RAM
ROM
Random Access
Memory
正式名称
Read Only Memory
読み書き可能
特徴
読み出しのみ
揮発性
性質
不揮発性
揮発性 :電源を切ると記憶内容が消失
不揮発性:電源を切っても記憶内容が保持
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RAM
SRAM
DRAM
Static RAM
正式名称
Dynamic RAM
フリップフロップ
使用回路
コンデンサ
高速
速度
低速
高い
集積度
低い
高価
価格
安価
キャッシュメモリ
用途
主記憶
RAMについての補足
リフレッシュ
定期的に内容を再書き込みすること
時間経過で放電されるコンデンサを使っ
て情報を蓄えるDRAMに必要
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RAMの構成要素
v 増幅を行うトランジスタ
v 蓄電を行うコンデンサ など
トランジスタにはさらにCMOS型とバイ
ポーラ型などがある
マスクROM
v 読み出し専用のメモリ
v 製造時にデータを書き込む
v ROMといわれたら通常はマスクROMをさす
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PROM(Programmable ROM)
v ユーザの手で書き換えることができるROM
v EPROM(Erasable PROM)
紫外線照射で消去可能
v EEPROM(Electrically EPROM)
電圧をかけて消去可能
v フラッシュメモリ
電圧をかけてブロック単位での消去が可能
主記憶装置の高速化
レジスタ
CPU内にある一時的
な記憶装置
圧倒的な速度差
主記憶装置
CPUはメモリ内の読み書きがはじまると
待たされることになる
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主記憶装置の高速化
全部高速なレジスタやメモリにするとコ
ストがかかる
レジスタと主記憶装置との速度差をうめ
る装置を導入する
キャッシュメモリ
CPU
高速
低速
キャッシュメモリ
主記憶装置
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キャッシュメモリへの書き込み
ライトスルー方式
l  CPUがキャッシュメモリと主記憶装置の
両方に書き込む
l  高速化は期待できないが,キャッシュメモ
リと主記憶装置の内容は常に一致してお
り,信頼性が高い
キャッシュメモリへの書き込み
ライトバック方式
l  CPUはキャッシュメモリのみに書き込み,
キャッシュメモリの内容が書き換えられる
ときに更新される部分を主記憶に書き込
む
l  書き込み処理は高速化できるが,書き込
みミスのリスクは高まり,制御がむずかし
くなる
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1次キャッシュと2次キャッシュ
CPUと主記憶装置との速度差が大きいときは,
多段構成にすると効果がある
CPU
1次
キャッシュ
今は2次キャッシュまで
含むCPUが多い
2次
キャッシュ
SRAM
主記憶
DRAM
ヒット率
キャッシュメモリは小容量
目的のデータが常にキャッシュメモリに
あるとは限らない
目的のデータがキャッシュメモリになけ
れば主記憶装置にアクセスする
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ヒット率
ヒット率
目的のデータがキャッシュメモリに存
在する確率 h
NFP
目的のデータがキャッシュメモリにない
確率 1 - h
ヒット率 + NFP =1
実効アクセス時間
キャッシュメモリ,主記憶装置のアクセス時間と
ヒット率がわかれば,平均のアクセス時間(実効
アクセス時間)が求まる
T = h * Tc + (1 - h) * Tm
h : ヒット率
Tc : キャッシュメモリのアクセス時間
Tm : 主記憶装置のアクセス時間
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小テスト
【1】 パイプライン処理において,分岐命令に
よってCPUの高速化がはかれなくなることを何
というか.
【2】 【1】の対策として,分岐されるかを予測し,
実行確率の高い方を先読みする手法を何とい
うか.
【3】 パイプライン処理を行う回路を複数もたせ
ることで,複数の命令を実行できるようにする手
法を何というか.
小テスト
【4】 表はあるコンピュータの命令ミックスであ
る.このコンピュータのMIPS値を求めなさい.
命令種別
実行時間(ナノ秒)
出現頻度(%)
命令1
10
50
命令2
40
30
命令3
40
20
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