バランスピストン式圧力制御バルブ タイプ DV,DVE,DF

バランスピストン式圧力制御バルブ
タイプ DV,DVE,DF
パイロットバルブ タイプPV,PG
pmax = 420 bar
圧 力
= 120 l/min
流 量 Qmax
1.
概 要
このバルブは油圧システム内(DIN ISO1219-1による)の圧力を制御する
ことが目的です。
' 圧力制御バルブが過度のピーク圧力(安全バルブ)や最高使用圧力を
制限するために使用します。通常は閉じられ、設定圧力に達すると出口
へ解放されます。圧力設定は流量に関わらずバルブ内の内径により,一
定に保ちます。
' シーケンスバルブは流量に関わらず,入口と出口間の一定の差圧を保持
します。
' このバルブは設定圧力に達するまで閉じられ,設定値を超えた時に非常
に低い圧力損失で解放します。
圧力制御バルブタイプDV,DVE、DFはパイロット圧力で制御します。これら
のバルブは本体とパイロットバルブで構成されます。バルブ本体は摺動ス
プール①とスロットル②から成る圧力補償機構があります。これは入口
ポートPから出口ポートR(A)がバネ③力で常時閉止状態になります。バネ
空間(制御空間)④はパイロットバルブのポペット⑤により,出口ポート
を閉止します。バネ⑥はバルブの設定圧力を制御します。設定圧力に達し
た時点で作動油が流れ始めます。:入口ポートP→絞り②→ポペット③→出
口ポート⑦(流量制御)制御空間④内の圧力は入口ポートの圧力が加えら
れ,生成された背圧より高くなります。この油圧力はバネ力と背圧が絞り
の先端で再度バランスが取れるまでバネの方向にピストンを押します。
ポートR(A)を出る作動油は断面積⑧の絞り部Bは上記の力により、設定値
まで減圧します。この流れは設定制御油によりわずかに減少します。2つ
の圧力範囲(最高使用圧力100barおよび420bar)の有効な背圧はバネの低
負荷により2または5barのみです。
バルブタイプDVは制御流量がR(A)またはX(L)(上図および2.3項の図を参照)への流れの可否により圧力シーケンスバルブか供
給バルブかの機能が判断されます。これらのバルブは追加したバルブが制御空間に接続された時に,ポンプアンロードやさまざ
まな設定圧力等任意に作動させることができます。(5.1項参照)
バルブ本体
2.3
アイドル位置(上部)
5
バランスピストン式
圧力制御バルブ
3
1
1
6
2
(a)
入口側
バルブピストン,ブッシング(組合せ)
2
スロットル
3
バルブスプリング
4
コントロールキャビティ
5
バルブポペット(パイロットバルブ)
6
調整スプリング(パイロットバルブ)
7
ドレン(パイロットバルブ)
8
ポンプ供給P→R(A)刊の絞り部
8
圧力設定位置(下部)
7
4
出口側
HAWE HYDRAULIK SE
STREITFELDSTR. 25 • 81673 MÜNCHEN
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(a) 発生する可能性があるコンタミから絞
り部を保護するスクリーンフィルタ
D 4350
圧力制御バルブ タイプDV..
February 2000-01
D 4350
2
2.
主な仕様データ
2.1
パイロット圧力バルブ
(パイロットバルブについては2.2項参照)
DV 3 GHR .. - WN 1F - G 24 - 250
形式例 :
表 1: 基本形式
bar単位での圧力設定値,表4も参照し
てください。
形式
バルブ種類
DV
圧力制御バルブ
(内部ドレンタイプ)
DVE
圧力制御バルブ
(外部ドレンタイプ)
表 7:
形式
リモートコントロールバルブ
(圧力コンペンセータ)
DF
WN 1F
表 2: サイズ
圧力設定範囲
ポンプ
アンロード (bar)
(表4参照)
バルブ
非通電
3
4
5
流量 Qmax
(l/min)
40
80
120
WH 1F
P
接続
サイズ
3
4
配管接続
205V
DC
AC
50 ,
60 Hz
表 6:
形式なし 標準仕様
ポート寸法は
寸法図参照
---
B
N
H
2 ... 100
5 ... 350
5 ... 420 2)
2
5
形式
圧力設定 範囲
(bar)
ポンプアンロード時の
クラッキング圧力
(bar)
2.2 サーボバルブ
DVEバルブがシーケンスバルブ(3項参照)として
使用され,リーク量が多い場合,オリフィスを取り
付けることで約60%の漏れ量が軽減できます。
オリフィス付
(DVEのみ)
表 5: 操作時の調整
パイロットバルブPG1N(H)(2.2項によ
る)は"N"または"H"を選択した場合,
圧力範囲が決まります。
形式なし
標準,工具で調整
R
手動調整
F
ピンヘッド
押しボタン
(パイロットバルブ)
形式
レイアウト(図面)
マニホー
ルド取付
圧力設定
範囲
(bar)
PG 1 N
PV 1 N
2 ... 100
PG 1 H
PV 1 H
5 ... 420
PG 1 NR
PG 1 NF
PV 1 NR
PV 1 NF
2 ... 100
PG 1 HR
PG 1 HF
PV 1 HR
PV 1 HF
5 ... 420
配管接続
タイプ
PG1
タイプ
PV1
本体DF..の
ポートXから
B 5585 034
圧力設定
備 考
1)
調整工具で
調整後,ロッ
クナットで
固定
タイプPG1..は本体DF(2.1項による)のX
ポート(2.3項図4aから4C参照)を通じて
遠隔操作できます。そしてタイプDVバル
ブ(3項参照)の圧力制御機能が追加でき
ます。
回転ノブま
たは押しボ
タンで調整
可能(表5
参照)
タイプPV1は本体バルブDV(E)(2.1項参
照)上に直接取りついています。詳細は
2.3項図1aから3bを参照してください。
DVからDVEバルブに変わる場合にプラグ(V5585
035)が取り付いていなければなりません。(2.3
項,図3a,3bを参照)
タイプDVEが供給バルブとして使用する場
合,オリフィスB 5585 034は約40%の流量
を制御します(3項参照)
A 4350 007 タイプDV,DVEからタイプDFに変換
するための必要な部品2)。
詳細はDF..のXポートから表7を参照。
2)
230V
他の電圧やプラグに
ついてはD7470A/1を
参照してください。
バルブ
非通電
表 4: 圧力使用範囲(目安値)の下の数値は流量に影響を受けます。
(3項参照)
1)
110V
5
G 1/2 G 3/4 G 1
DIN ISO 228/1
マニホー
ルド取付
V 5585 035
98V
WH 1D バルブ通電
表 3: 接続方式
G
24V
WN 1D バルブ通電
420
形式
G 12 G 24 G 98 G 205 WG 110 WG 230
12V
350
形式
電 圧
お客様で圧力設定,圧力調整される場合は必ず圧力計を確認して行ってください!
同様に表7を参照してください。表1によるタイプDFがこの圧力範囲を対象にしていれば,DF..-420でお願いします。
D 4350
2.3
バランスピストン式圧力制御バルブの種類
レイアウト(図面)
バルブ本体とサーボバルブからなる構造
図
: DV 4 PHR - 280
ベントポート
(リモートコントロール)
形式例
バルブ本体
1a
入口
1b
(付録5.1
項の回路図も参照)
(付録5.1項の回路図も参照)
機 能
圧力制御バルブ
形式例
ベントポート
(リモートコント
ロール)
ドレンタイプ:内部
シーケンスバルブ
ドレンタイプ:内部
バルブは供給ライン上
に取り付け。
: DV 5 GNR - WN1F - G 24 - 90
ソレノイドバルブ
ドレンタイプ(備考)
Rポートでの背圧を避け
Rポートでの背圧を避け
る,または外部ドレン制御
る,または外部ドレン制御
図3a
図3 a
戻りラインまたはバルブ,
アクチェータ
サーボバルブ
シンボル
2/2ウェイソレノ
イドバルブ,ポン
プアンロード機
能付圧力制御バ
ルブ
ドレンタイプ:内部
圧力制御バルブ
ドレンタイプ:外部
2
Rポートの背圧を避けるため
に,必要であればメインの戻り
ラインをタンクにつなげ,各々
の戻りラインにはつなげない
でください。
入口
戻りライン
形式例
: DVE 4 PHRB - 250
ドレン油
このオリフィス板は
供給バルブに使用で
きます。
3a
入口
Rポートの背圧は圧力設定値に
影響を受けません。
シーケンスバルブ
3b
戻りラインまたはバルブ,
アクチェータ
プラグ
形式例
: DF 5 GN
圧力制御バルブ
リモートコントロールのピス
トンバルブの機能はサーボバ
ルブ(圧力または直動制御バ
ルブ)の接続タイプで決まり
ます。
ドレンタイプ:外部
ドレンの流量が高い(3項)
場合オリフィス板を使用。
高い作動圧力を設定する場合
は調整ノブを使用。
ドレンタイプ:外部
サーボバルブは2.2項の圧力制
御バルブです。背圧が高く,ま
たは可変サーボバルブの戻りラ
インが直接オイルタンクとつな
がっている場合。
4a
差圧バルブ
ドレンタイプ:外部
パイロットバルブ PG 1
(2.2項参照)
サーボバルブは2.2項の圧力
制御バルブです。
4b
入口
シーケンスバルブ
ドレンタイプ:外部
ドレン
エンドプレート
オリフィス付
サーボバルブは2.2項の圧力
制御バルブです。
4c
入口
ドレン
2/2ウェイバルブ
(ドレンまたは
ストップバルブ)
パイロットバルブ
D 7470 A/1
4d
ドレンタイプ:外部
パイロットバルブは2/2ウェイ
バルブタイプWN(H)1D
です。D7470A/1参照
3
D 4350
4
3. その他の仕様
名 称
バランスピストン式圧力制御バルブ
シンボルは2.3項参照
サーボバルブ,
シンボルは2.3項参照
デザイン
スプールバルブ
シートバルブ
取り付け方式
本体に2つの通し穴
本体ネジ穴
接続サイズ DIN ISO228/1に準拠
配管ネジ G1/2,G3/4,G1または
マニホールド取り付け
配管ネジG1/4 (PG1..)
マニホールド取り付け(PV1..)
質量(重量)
サイズとデザイン
...3G
...4G
...5G
...4P
...5P
PG 1..
PV 1..
1.1 kg
2.0 kg
2.5 kg
0.3 kg
0.3 kg
1.5 kg
2.0 kg
ソレノイドバルブ0.6kg追加
取付位置
任 意
流れ方向
P → R (A)
操作圧力
P, R(A) ,
X(L) = 420 bar
作動油
DIN 51524 パート1 㹼 3相当の油圧作動油;ISO VG 10 㹼 68 ,DIN 51519
始動時粘度:min. 約 4; max. 約 1500 m㎡/s 推奨粘度約10 500m㎡/s
生分解性作動油HEES(合成エステル)でもご使用できます。
ただし,運転時の油温は+70℃以下に抑えてください。
温 度
周囲温度: 約 -40㹼+80℃
作動油: 約 -25㹼+80℃; 粘度範囲に注意してください!
運転時の油温が少なくとも+20℃以上高くなるのであれば,始動時の温度は-40℃まで許容できま
す。(但し,粘度範囲に注意してください!)生分解性作動油: 作動油製造メーカの指示に従って
ください。パッキンの劣化等を考慮して,油温は+70℃を越えないようにしてください。ソレノ
イドバルブが装着され,周囲温度が35℃を超える場合,2.2.1項D7470A/1の追加情報を守ってくだ
さい。
a)
b)
c)
d)
e)
f)
g
DV(E) 3 GH
DV(E) 3 GN
DV(E) 4 PH
DV(E) 4 GH
DV(E) 4 PN
DV(E) 4 GN
DV(E) 5 GH
DV(E) 5 PH
h) DV(E) 5 GN
DV(E) 5 PN
背 圧
(=バルブDV..-WN(H)1F(D)付
の背圧と同じ最低調整圧力
DV...-WN(H)1F(D)
|p (bar)
特性曲線
供給バルブの流量制御は供給
圧力に依存
供給圧力 (bar)
流量 Q (l/min)
サーボバルブ内蔵
オリフィス
標準タイプ
ドレン量は供給圧力の上昇ととも
に増加し,極端な場合,オリフィス
なしで6.5l/min,オリフィス付で
4.3l/minになります(10barのク
ラッキング圧力と350barの供給圧
力時に適用)。設定圧力未満で約
0.7l/minのリークがあります。
ドレン量 Q (l/min)
圧力調整(形式なしまたは形式Rに
ついては表5参照)
操作圧力 (bar)
球状押しボタンの作動力
形式 (表4) Δp/回転
N
H
作動力 (N)
20 bar/turn
70 bar/turn
測定時の作動油粘度60m㎡/s
D 4350
4. 外形寸法図
単位mm,寸法は予告なく変更する場合があります!
4.1 圧力制御バルブ(ソレノイド制御バルブなし)
サーボバルブまたはカバープレートは4.3項,4.4項を参照してください。
配管取り付け用
サイズ5
サイズ3,4
# 8.5
#10.5
タイプ DF
タイプ DF
タイプ DV, DVE
タイプ DV, DVE
Size
サイズ
a
b
c
d
e
f
3
60
65
30
35
34
27 11
8.5 7.5 8.5 8.5
4
65
71
40
38.5
39
25 15
10
ポート径
DIN ISO 228/1
g
h
P, R(A) = G 1/2
G 3/4
X(L) =
G 1/4
i
10
3
4
k
7
l
11
ポート径
DIN ISO 228/1
P, R(A) = G 1
X(L) =
G 1/4
マニホールド取り付け用
サイズ4
4
サイズ55
マニホールドはHAWE
から提供しません。
最大トルク
42 Nm
タイプ
DF
タイプ DF
寸法の不明箇所は
サイズ4を参照して
ください。
タイプ DV, DVE
最大トルク
20 Nm
穴加工図(上から見た図)
Typ DV, DVE
タイプ
穴加工図(上から見た図)
M8, 深12
M10, 深12
5
D 4350
6
4.2 圧力制御バルブ(ソレノイド制御バルブタイプWN(H)1F(D) D7470A/1による)
配管取り付け用
緊急手動操作
サイズ3,4,5
ケーブルグランド
Pg 9
手動操作用補助工具
(先のとがった物は使用し
ないでください。)
2)
サイズ
a
b
3
35
38
4
41
46
5
41
49
1)
この寸法は製造業者によります。DIN43650では最大で
40mmになります。
2)
コネクタは左右90°回転取付できます。
マニホールド取り付け用
サイズ4
4
サイズ55
D 4350
4.3
圧力制御バルブ用サーボバルブ
マニホールド取り付け用 (サイズPV 1..)
工場出荷
時の設定
形式 R 1)
可変式
形式 F
(ピンヘッド)
工場出荷
時の設定
adjustement
調整範囲
distance
形式 R
可変式
配管取り付け用 (サイズPG 1...)
初期トルク
42 Nm
M8
通し穴
P = 17.12x2.62 NBR 90 Sh
R = 4.47x1.78 NBR 90 Sh (2 x)
ポート径DIN ISO 228/1
P ,
ポート
穴加工図(上から見た図)
1)
M8, ポート
4.4
メクラプレート
R = G 1/4
(A 4350 007)
最大トルク 42 Nm
寸法の不明箇所は上図を参照してください。
寸法の不明箇所は下図(形式Fを含む)を参照
してください。
7
D 4350
8
5.
付 録
5.1
2 .3 項用回路例
図1 a用回路図
バルブ,アクチェータへ
バルブ,アクチェータへ
タイプ DV
タイプ DV
パイロットバルブ
タイプWN1F
D7470A/1参照
ポンプアンロードリモートコントロール付圧力制御バルブ
として使用
圧力制御バルブとして使用
図4 a用回路図
バルブ,アクチェータへ
バルブ,アクチェータへ
タイプPG 1..
PG 1..
タイプ DF
タイプ DF
例としてパイロットバルブは制御部に取り付けできます。
圧力調整およびポンプアンロード機構付圧力制御バルブ
として使用
図2 用回路図
バルブ,アクチェータへ
バルブ,アクチェータへ
低圧
タイプ PG 1..
高圧
タイプ DV
タイプ DV
電気アンロード接続機構付圧力制御バルブとして使用
図1 b用回路図
図3 b用回路図
回路1へ
2圧制御および電気アンロード機構制御
回路2へ
回路1へ
回路2へ
タイプ DVE
タイプDV
ポンプから
2つの制御回路が1つの直動制御バルブで制御する場合,
チェックバルブ(点線)は回路2からの逆流を可能にす
るために取り付ける必要があります。
ポンプから
回路1と2の間に一定の差圧をつけるために、2/2ウェイパイロット
バルブ(例:オリフィス付D7470A/1)がXとタンクラインにつなげ
られた場合,回路2は必要に応じて(Δp-Q特性に従い低い解放圧
力)回路1と同じ圧力で作動することができます。