【ひずみ波交流】

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ひずみ波交流
【ひずみ波交流】
実際に扱う交流は、正確な正弦波形をしていない場合が多い。正弦波でない交流波を非正弦波またはひずみ
波という。
ひずみ波は、任意の波形の繰り返しを表したものであり、数学的には周波数の異なるいくつも正弦波 (周波
数成分) に分解することができる。そのうち、周波数の最も低いものを基本波という。
ひずみ波を分解してみると、基本波および基本波の 2 倍、3 倍、…、n 倍というような周波数を含んだもの
になる。これら n 倍の周波数成分を高調波という。
【交流波形のひずみの度合いを見る目安】
1
実効値 = 最大値 × √
2
2
平均値 = 最大値 ×
π
√
最大値
= 2 ; 1.414
波高率 =
実効値
π
実効値
= √ ; 1.11
波形率 =
平均値
2 2
高調波の実効値
波形ひずみ率 =
基本波の実効値
【リプル率】
交流電源を整流回路などによって単一方向に流れる電流へ変
換した場合、電流は直流のような一直線となるのではなく、正
か負のどちらか片方で波形を描いている。この波形は脈流と呼
ばれる。
脈流は平滑回路*1 によってある程度平坦にされるが、完全な
直線にはならない。この時、脈流の平均値となる直線からプラ
ス方向、マイナス方向に変動している部分がリプル(ripple : さざ
波) である。
コンデンサを利用した平滑回路では、電圧がある値を超える
まではコンデンサが充電され、逆に電圧が一定値を下回ると放
電する、というコンデンサの性質によって平滑化を行っている。脈流の電圧が高い部分では充電を行い、低い
部分では放電することにより負荷に電流を供給することで、電圧の上下差をより平坦に近づけている。
さらに、交流の成分を遮断する性質を持っているチョークコイルを通すことで、リプルをほとんど除去し、
直流に近い電流を得ることができる。
リプル率は、電源整流回路の直流出力に含まれている変動分 (交流成分) の程度を示すもので、一般に、直流
出力の電圧の平均値 Vdc に対する、変動分の実効値 Vac との比で表される。
リプル率 =
*1
Vac
× 100 [%]
Vdc
電子回路の一種で、整流された電流の中に含まれている脈流をより直流に近い状態に(平滑化)するための回路。