1 ひずみ波交流 【ひずみ波交流】 実際に扱う交流は、正確な正弦波形をしていない場合が多い。正弦波でない交流波を非正弦波またはひずみ 波という。 ひずみ波は、任意の波形の繰り返しを表したものであり、数学的には周波数の異なるいくつも正弦波 (周波 数成分) に分解することができる。そのうち、周波数の最も低いものを基本波という。 ひずみ波を分解してみると、基本波および基本波の 2 倍、3 倍、…、n 倍というような周波数を含んだもの になる。これら n 倍の周波数成分を高調波という。 【交流波形のひずみの度合いを見る目安】 1 実効値 = 最大値 × √ 2 2 平均値 = 最大値 × π √ 最大値 = 2 ; 1.414 波高率 = 実効値 π 実効値 = √ ; 1.11 波形率 = 平均値 2 2 高調波の実効値 波形ひずみ率 = 基本波の実効値 【リプル率】 交流電源を整流回路などによって単一方向に流れる電流へ変 換した場合、電流は直流のような一直線となるのではなく、正 か負のどちらか片方で波形を描いている。この波形は脈流と呼 ばれる。 脈流は平滑回路*1 によってある程度平坦にされるが、完全な 直線にはならない。この時、脈流の平均値となる直線からプラ ス方向、マイナス方向に変動している部分がリプル(ripple : さざ 波) である。 コンデンサを利用した平滑回路では、電圧がある値を超える まではコンデンサが充電され、逆に電圧が一定値を下回ると放 電する、というコンデンサの性質によって平滑化を行っている。脈流の電圧が高い部分では充電を行い、低い 部分では放電することにより負荷に電流を供給することで、電圧の上下差をより平坦に近づけている。 さらに、交流の成分を遮断する性質を持っているチョークコイルを通すことで、リプルをほとんど除去し、 直流に近い電流を得ることができる。 リプル率は、電源整流回路の直流出力に含まれている変動分 (交流成分) の程度を示すもので、一般に、直流 出力の電圧の平均値 Vdc に対する、変動分の実効値 Vac との比で表される。 リプル率 = *1 Vac × 100 [%] Vdc 電子回路の一種で、整流された電流の中に含まれている脈流をより直流に近い状態に(平滑化)するための回路。
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