小ヶ倉保育園

小ヶ倉保育園
対象年齢:2 歳~3歳(1クラスを、2 年間を通して観察)
ねらい:1クラスを集中的に又、継続的に行ない、わらべうた遊びを通し、礼儀・作法、
また歌が身に付いているかを観察目的とした。また、発達が気になる子を中心に、
集団行動、言葉、興味の点でどのように変化があるのかを、続けて行ない観察を
した。
主に使ったわらべうた:
「たなわたし」
「こんこんちきちき」
「まめちょ」
「かれっこやいて」
「てんやのおもち」
工夫した点:・発達が気になる子どもが3人いたために、1人は発達が気になる子を見る
保育士がいること。
・決して無理強いはせず、子ども主体とするようにし他の子どもが気が散ら
ないように隅っこへ移動するなどに工夫をした。
・静かな環境で行なうこと。
・楽しい雰囲気の中で行なうこと
・時期によって、時間を長くしたり、短くしたり、ダラダラと行なわず子ど
達の集中度合いに合わせること
・自然と歌の歌詞を覚える事ができるように普段の保育中にわらべうたを取
り入れること
・あらかじめお約束をしておくこと
発達が気になる子:・興味がある活動には参加するが、興味がない活動には全く参加しな
い。言葉の発音が上手く出来ないが歌はよく覚えるTくん。
・興味の対象がとても多く、集団活動に参加していてもすぐに興味が
出来ると動き出すH君。保育士がお話しても聞くことが難しい。
・全く活動に参加する様子が見られないY君。
「たなわたし」
まず保育士が手本を見せると「何がはじまるんだろう?」と真剣な表情でみる子ども
達♪保育士とお盆をもらうお友だちのやりとりをじっとみている様子が見られた。
発達が気になるH君も、他の所へ移動していたが自分から興味を示し椅子に戻ってきた。
そして順番に、子ども達に渡していくと更に真剣な表情が見られた。
「まだかな?」と、
期待を膨らます様子がとても感じられる。
ここで、とても成長を感じたのは、他のお友だちが何かをしていることに注目すること
がとても難しく、お話をしたりしていた子ども達が以前より静かに聞いたり、見たりする
ことが出来るようになった。
「はいどうぞ」
「ありがとう」も日に日に身につき、初めは保育士が手本で見せるだけで
あったが自分達で自然と言い合う姿が見られる様になった。
また、この様な興味がとてもわくような物が目の前にあるとザワザワとしだしていたこと
もあったが、今ではじっと自分の席に座り待つという事が出来るようになった。
とても驚いたのが、
「~ちゃんありがとうだよ」と、
「ありがとう」をいっていなかった
お友だちに対して、教えてあげるという様子が見られた。
他のお友だちに対してのおもいやりや教えてあげようとすることが自然と出来るようにな
った。
そして、ある程度たった頃に、コップに本当に水を入れてみた所、自然と以前よりも、持
ち方歩き方が慎重になっていた。自分達で考えこぼれない様にと工夫をすることが出来て
た。道具を使ってのわらべうたは、子ども達にとってとても新鮮なようで、楽しんでやっ
ていた。1年間を通し、わらべうたから色々なことが自然と出来るようになったことをじ
※反省点
たなわたしのわらべうたの中でおままごとのコップの中に水を実際に入れて行なった所
普段のおままごと遊びの中でもコップの中に水を入れて遊ぶ姿がみられた。
わらべうたで保育士がしていたことを真似をしたようだ。
これを踏まえて、普段の中ではしてはいけないということを教えなくてはいけないと反省
をした。
「こんこんちきちき」
初めは、円になるという所からのスタートで、座ってみんなで活動をすることを自然と
初めていった。
(みんなで集まることからのスタート。だんだんと寝転んでみたり)
お気に入りのお人形をもってくる子ども達。持ってこずに見ているだけの
子どもも中にはいた。
1年前の、初めの頃の様子として、お人形をブンブンと振りお唄を歌う所からのスタート
あった。
回数を増やしていくうちに円になって座わる事が習慣になり、発達が気になる子ども以外
の子ども達はだんだんと、保育士の話しを集中して聞けるようになっていった。
また、お約束ごとに「お人形さんは、優しく渡そうね」
「優しい声で歌おうね」と無理のな
い程度に伝えていった。この時、自然と身に付けていってほしかったので保育士が手本と
ように動作や動きにはとても気をつけた。
すると、座っている時にお友だちがお人形を持っている時は静かに待つ、お人形は優し渡
すことが出来るようになっていった。また、床の上に座ることより、もしかすると椅子に
座ると聞くかもしれないと思い椅子にしてみると、聞く事が出来る様になった。
後半になると、わらべうたするよの一言で自分で椅子も持ってくるようになった。
わらべうたを通して大きな成長を感じることが出来た。1番の成長は、みんなで綺麗に円
になることが出来るようになったことである。
発達が気になる子どもも1年間で、ほとんど参加することが出来るようになり、普段の保
育中の自由遊びでも自然と歌ったりする姿が見
られた。わらべうたを通してとても感じたことは、集団行動が苦手な子ども達にとって
歌を通して楽しみながら、無理なくお集まりができることは、素晴らしいと感じた。
どのわらべ歌も、普通の歌と違って特有のリズムであったりメロディーであったりするの
で子ども達をとても惹きつけてくれることをとてもよく感じた。
普段の生活の中でも、わらべ歌を取り入れていきたいと思った。
お茶汲み体験
対象年齢:年長児
以前に3歳児でもしたお茶汲み体験をした。以前と違う所は、冷たい水を使っていた所を、温
かいお湯を使って行なった。子ども達は、「なにが始まるんだろう?」とワクワクとした雰囲気
の中でスタート。まず初めに、急須を見せ「これなんだ?」というと「やかん!」という声もきくこ
とができた。
お家で見たこともあった様で知っている子どももいた。お茶の葉を見せ匂いをかがせてみると
「苦い匂い」「さわやかな匂い」と色々な意見があって感性豊かな子ども達だった。
実際にお湯を入れて順番に汲んでいった。家でもやったことがあるのかみんなとても真剣で、
上手に汲んでいた。手の添え方が上品で、慣れた手つきの子もいて驚いた。
「はいどうぞ」「ありがとう」の声掛けも自然と出来ていた。実際にお友達からもらったお茶を飲
むと「おいしい」「にがーい」「あつい」なかには、「さばの味のする~」「まぐろの味のする~」な
ど色々な意見が聞くことが出来た。
子ども達の本当に感性豊かな言葉を沢山聞くことができた。最後は、先生達に気持ちを込めてお茶を汲んだ。
「おいしい」と言ってもらえて嬉しそうな子ども達だった。とっても楽しいお茶汲み体験になった
ようだった。
感想
普段しているわらべうたとは違い実際に急須などの道具を使うと子ども達の様子がぐっと
変わった。いつもは落ち着きがない子ども達が真剣に聞く様子がみられた。お家でも急須
を使うようになった子もいて、昔ながらの急須を使うという体験にもつながったのではな
いだろうか。いい体験になったと思う。
追記
三歳児のお茶汲み体験様子
普段しているわらべうた遊びの「たなわたし」に出てくるお茶を、実際に急須を使って体験。
ただし、お湯を使わず冷たいお茶を利用した。
「これなーんだ?」と、急須を見せると「お茶ー!」と答える子ども達。
「お母さんがしてるー」「おばあちゃんがしてるー」と、急須は見たことはあるようだった。
説明をすると、「なんだろう?」という顔の子どもたち。
そして、お茶酌み体験スタート!!
ちょっぴり緊張気味の子どもたち。
実際にみんな真剣な表情でとても上手に酌んでいた。そして、お茶がこぼれないように、上手
に手も添えていた。
子ども達にとって新しい体験になったと思う。