【ビジネスニュースレター2015年11月号】成長戦略としてのM&A~目的

ビジネスニュースレター
2015 年 11 月号
日頃は「ビジネスニュースレター」をご愛 読 いただき、誠 にありがとうございます。
今月号は、【成長戦略としての M&A~目的の多様化する中堅・中小企業の M&A】 と 【不祥事への対応
~不祥事の発生により信用を失わないために~】 をテーマにとりあげています。
成長戦略としての M&A
~目的の多様化する中堅・中小企業の M&A~
メディアで大きく取り上げられる大企業の
加速させることを選択しました。現在は内部
案件だけでなく、国内の中堅・中小企業にと
管理体制が強化されたことはもちろん、受け
っても M&A は日常的な経営手段の 1 つとし
入れ前よりも新規施設開設のスピードアップ
て定着しつつあります。
も図れ、更に将来的な株式公開も視野に入れ
国内の中堅・中小企業にとって M&A は、こ
れまでは事業承継の手段としての側面が強く、
ております。
上記の話は一例でしょうが、企業規模が拡
後継者不在の高齢なオーナー経営者からの相
大していくにつれて、自分達だけで企業を伸
談が多く寄せられていました。
ばしていくには、ガバナンスや資金面などに
一方で最近は、成長途上にある中堅企業の
30~40 代の若手オーナー経営者が、戦略的に
自社を成長させることを目的に M&A を活用
するケースも増加傾向にあります。
過去にご相談をいただいた例として、ある
介護企業の 30 代若手オーナー経営者がおら
れました。地方都市でしっかりとした収益基
盤を持ち成長途上にありましたが、社内の内
部管理体制が十分に整備されておらず、また
同業大手と比較して、新規拠点開設のスピー
ドに課題を抱えていました。解決策として、
若手オーナー経営者が引き続き経営を担いな
がら、プライベートエクイティファンドの出
資を一部受け入れることで、当該ファンドの
人脈や資金などの経営資源を活用し、成長を
不安を感じている為、解決策として「ヒト・
モノ・カネ・情報」を得る戦略的な M&A を活
用する若手オーナー経営者は更に増加してく
ると思われます。
弊社は、公認会計士や税理士、社会保険労
務士といった専門家が中心となり、多面的な
観点から経営課題を解決し、成長戦略を支援
するサービスも提供しております。
不祥事への対応
~不祥事の発生により信用を失わないために~
不祥事が発覚した場合、不祥事対応の目的は
以下のとおりです。
① 発覚以降の損害の最小化
② 損害範囲の明確化
③ 損害の回復
④ 管理体制の見直し・強化
⑤ 信頼の回復・強化
これら目的の達成に向け、まず「事実関係の
最近、東芝の不祥事に加え、マツモトキヨ
調査」が必要となります。不祥事が事実か、事
シ HD の子会社における不正会計、さらに旭化
実の場合はその内容、発生頻度等を明確にする
成建材によるデータ不正問題が大きな注目を
と共に、その後の「対応策」を検討します。
浴びています。上場企業及びグループ会社に
また、
「調査」と並行し「被害拡大を防止す
おける不祥事の話題は絶えません。不祥事が
るための処置」を早急に講じることが必要で
与える影響の深刻さはメディア等で報じられ
す。事実関係の明確化に注力し過ぎ、時間を
ているとおりです。もちろん、不祥事は非上
かけていると損害が拡大する恐れがあります。
場企業においても、当会社のみならず債権者、
さらに、会社内外に根拠のない風評が流れる
取引先、グループ会社等様々な利害関係者に
ことも考えられます。
リスクを発生させる可能性があります。
最後に、再発防止策として有効な「ガバナ
最近では、多くの会社が不祥事の発生防止
ンス機能を構築」し、初めて信頼の回復へ繋
のための対策に取組んでおり、社内の規程整
がることになり、一連の対応が完了すること
備、従業員への意識向上の研修等を実施して
となります。
います。一方で、ヒトが会社を動かしている
風評の広まるスピードと不祥事が与える影
ことから、
「不祥事の芽」を絶やすことは難し
響の深刻さから、様々な「リスクの芽」を早
いとも言えます。このため、
「発生防止の対策」
期に摘み取り、企業価値向上に向けた経営者
を考えるのと並行し、「発生した場合の対応」
のサポート役としてのガバナンス機能強化が必要
も検討しておく必要があります。
とされています。
弊社ビジネスニュースレターでは、毎号、ビジネスシーンで欠くことのできない
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本書がビジネスの最新情報入手のための一助になれば幸いです。
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