石巻西高実況中継 第56号

石巻西高実況中継
~学校の情報や生徒の様子をリアルタイムで家庭に届けます~
平成27年3月13日 第56号
発行者:校長 齋藤幸男
実況中継第56号は「みやぎ鎮魂の日シンポジウム」についてです。
昨年度は,東松島市教育委員会が主催でしたが,今年度から本校の同窓
会が主催することになりました。本校の卒業生と在校生が中心となり,「震
災を語り継ぐ」活動の具体的な実践について,生徒一人ひとりの問題とし
て受け止めていってください。
この取り組みにより,「命と向き合う防災教育」の重要性を地域に発信し
ていくことになります。創立30周年後の石巻西高は,石巻地域のリーダ
ーとしてだけでなく,日本の若者達とつながる活動が大切になります。主
催を快諾してくださった本校同窓会長の木村孝禅氏に心より感謝いたして
います。今回のテーマは「被災地から未災地へ」です。
同窓会長の木村孝禅氏
シンポジウムの前に,卒業生の伊藤健人君から「青い鯉のぼりプロジ
ェクト」がありました。以下は,彼の紹介の文章です。
<2012年3月石巻西高等学校卒業。2011年3月11日東日本大震災時(当
時高校2年)は,宮城県東松島市大曲浜地区に在住し,津波で母、祖父、祖
母、弟を亡くした。自宅跡から弟が好きだった青いこいのぼりが出てきた
のは、震災の2週間後だった。伊藤さんは、母方の祖父から兄弟で習った
和太鼓を楽しそうにたたいていた姿を思い出した。「何もせずにいたら、自
分がどうにかなりそうだった」との思いから,宮城県美里町の邦楽演奏グ
ループ「3D―FACTORY」に和太鼓の演奏会を持ちかけ、青いこい
のぼりを全国から募った。2011年5月5日、自宅跡に204匹を掲げ、演
伊藤健人君からのメッセージ
奏会を開いた。そして,2014年3月11日から5月5日まで「青い鯉のぼり
プロジェクト」を実施し、現在もその活動を継続している>
次は,コーディネーターの諏訪清二先生です。前兵庫県立舞子高等学校
で環境防災科開設時より科長を務め,インド洋大津波、四川大地震など海
外の被災地で防災教育と心のケアのプロジェクトに参加しています。国内
の被災地でも生徒とともにボランティア活動に従事してきました。文部科
学省「東日本大震災を受けた防災教育・防災管理等に関する有識者会議」
など,防災教育関連の委員を務めています。昨年のシンポジウムに引き続
き今年も来校してくれました。日本で最初の環境防災科を持つ兵庫県立舞
子高校と2番目の災害科学科を設置する多賀城高校をつなぐ役割を果たし
諏訪清二先生
ているのが石巻西高校です。
今回のシンポジウムを実施するにあたって,中心になって行動してくれ
たのが,卒業生の志野さやかさんです。「校長の第一秘書」と自称しつつ,
「ひとつ上」の西高に近づくために一生懸命になって活動しています。ま
た,宮城県職員として働く同級生の鈴木亜紀さんは,今回の全体司会をつ
とめてくれました。仕事を休んでかけつけてくれたことに,心から感謝し
ています。このように,ひとつの行事を成功させるためには,目に見えな
いところで打合せを繰り返しながら,念入りに準備をすすめてくれたから
こそできるのだということを,在校生諸君は決して忘れないようにしてく
ださい。そして,何よりもうれしかったのは,昨年度まで本校の職員であ
った舘内浩二先生と千葉由紀先生が参加してくれたことです。胸が熱くな
卒業生の志野さやかさん
りました。
さらに,今回のシンポジウムには,矢本一中と矢本二中と鳴瀬未来中
からも代表の生徒が参加しました。自分の考えをしっかりと持ち,全体
の場で堂々と発表する姿に多くの参加者が感銘を受けました。
全体で100名ほどの参加人数でしたが,もう少し多くの西高生に参
加してもらいたかったと感じています。先生から言われるからではなく
て,自らの意志で行動してもらいたいものです。
最後になりますが,駐車場整理をしてくれた野球部や会場準備にあた
ってくれた運動部,記録を担当してくれた放送部に感謝します。
矢本二中の雁部君の思い