関西本線

関西本線
◆路線概要
関西本線は、愛知県名古屋市の名古屋駅から亀山
れ 2 本ずつ合わせて 4 本、普通が王寺駅~JR 難波駅
駅、奈良駅を経て大阪府大阪市の JR 難波駅に至る
間に 4 本運転されている。木津駅~奈良駅間には奈
鉄道路線である。名古屋駅~亀山駅間が東海旅客鉄
良線・片町線(学研都市線)の列車も乗り入れてい
道(JR 東海)
、亀山駅~JR 難波駅間が西日本旅客鉄
る。また、早朝には JR 難波・王寺方面から奈良駅
道(JR 西日本)の管轄となっている。このほか日本
経由で京都行きの直通列車が運転されており(その
貨物鉄道(JR 貨物)の四日市駅~塩浜駅間、平野駅
逆の京都発奈良・王寺経由の JR 難波行きはない)
、
~百済貨物ターミナル駅間の貨物支線を持つ。
夕方以降も時刻表には記載がないものの先述の区
間を双方向に直通する列車が数本運転されている。
◆加茂駅~亀山駅間
加茂駅~亀山駅間は閑散区間で、ワンマン運転の
普通列車のみが運転されている。かつては奈良方面
など他区間と直通する列車もあったが、2001 年 3
月以降はすべてこの区間内の運転となっている。こ
の区間は関西本線の中ではほかの区間と比べて運
転本数は少なく、ほぼ毎時 1 本の運行である。ただ
▲電化と非電化の境である加茂駅
◆JR 難波駅~加茂駅間
伊賀上野駅~加茂駅間に限っては区間列車の設定
があり、同区間のみ朝と夕方から夜間にかけては毎
時 2 本程度の運行となっている(かつては昼間時も
加茂駅~JR 難波駅間は、各駅に停車する普通と加
伊賀上野駅~加茂駅間の区間列車の設定があった
茂駅~JR 難波駅間に快速、加茂駅~大阪環状線間に
が、現在は廃止されている)
。ただし、全駅で交換
大和路快速・区間快速が運転されている。ほかに和
が可能とはいえこの区間は全線単線であり、行き違
歌山線・桜井線・JR 難波方面の直通列車もある。日
いを行う列車があるため、運転間隔は 60 分または
中は 1 時間あたり大和路快速が加茂駅・奈良駅~大
30 分の等間隔ではない。このほか、柘植駅で夜間滞
阪環状線直通にそれぞれ 2 本ずつ合わせて 4 本、快
泊を行い翌朝加茂駅へ折り返す加茂駅~柘植駅間
速が王寺駅・和歌山線高田駅~JR 難波駅間にそれぞ
の区間列車などがある。
◆亀山駅~名古屋駅間
◆使用車両
各駅に停車する普通列車のほか、河原田駅間から
伊勢鉄道伊勢線・紀勢本線・参宮線に直通する快速
「みえ」、線内のみ運転の快速、ラッシュ時のみの
区間快速が運転されている。昼間は 1 時間あたり、
名古屋駅~四日市駅間で快速と普通が各 2 本、四日
市駅 ~亀山駅間で快速(ただしこの区間は各駅に
停車)1 本の運転である。このほかに伊勢鉄道の普
通列車が四日市駅~河原田駅間に乗り入れる。「み
え」をのぞいていずれの列車も昼間を中心にワンマ
ン運転が行われている。なお、この区間は調査・乗
車していないので、紹介はここだけとさせて頂く。
◆路線情景
電化区間の今宮~加茂と、非電化区間の加茂~柘
植に乗車したので、この区間の路線情景について紹
▲201 系(おおさか東線)
@放出~徳庵
大阪環状線でも使われている車両。関東地区(中
央線・京葉線など)は 2011 年までに定期運用終了・
撤退したが、関西地区では現役で走っている。また、
田窓から 3 分割窓への変更など、延命を目的とした
体質改善工事が施行されている。
介する。221 系で今宮を出ると、南海本線に乗り換
えが出来る新今宮に到着。次の駅の天王寺で阪和線
に乗り換えが出来るのだが、南海のラピートと JR
阪和線の関空快速が隣の駅でのバトルを繰り広げ
ている。ここからは大阪環状線とも別れ、都心を離
れる。久宝寺でおおさか東線と合流し、うぐいす色
の 201 系と 103 系が王寺まで同じ線路を走行。王寺
に到着すると、和歌山線と桜井線に乗り換えが出来
る。田舎へ入っていき畑が見えてくると電化区間の
終点、加茂に到着する。ここから先は非電化区間と
▲103 系(おおさか東線)
@放出~徳庵
なり、キハ 120 系が担当し亀山を目指す。加茂を出
国鉄通勤型電車を代表する車両。現在は大阪地
ると、民家が見えなくなり山の中を走行する。山の
区・九州地方のみ定期運用が残っており、阪和線・
中を流れる木津川に並行して走るところからは、車
奈良線・などでも走っているが、大阪環状線は 201
窓からの景色がとても良い。平地に出ると島ヶ原に
系と同じように体質改善されているので、201 系の
到着。
横と比べても分からない。うぐいす色は少なくなっ
平地や山々を通り抜けると、調査の終点・柘植に着
てきている。
き草津線に乗り換えることが出来る。
▲221 系更新車「大和路快速」
@柏原
▲221 系未更新車 4 両
@柏原
▲221 系更新車 4 両
@柏原
1989 年に西日本によって初めて新規に設計・製造
された車両。関西地区の幅広い運用に就いていて、
製造本数も多い。違う形式の 223 系などとの連結を
するので、関東の E233 系と E231 系の連結に似てい
る。「大和路快速」や「新快速」などでも走ってい
るため、いろいろなところで見ることが出来る。
4 両・6 両・8 両があるが、連結させることによって
4 両+4 両・4 両+6 両・4 両+8 両の運用もある。
スカートの部分やライトなど、さまざまな部分が
変更されていることに一目瞭然だ。
▲221 系更新車の車内
更新前と比べて車内は大きく変わり、座席が変更、
トイレを車椅子での利用に対応し、大型化(円弧形
ドア採用)、客用ドアガラスを UV カットの複層ガ
ラスに交換などが変更された。
▲柏原駅名表
▲キハ 120 系
@柘植
西日本旅客鉄道(JR 西日本)のローカル線用の小
▲草津線を走る 113 系
調査した最後の駅である柘植からは草津線が草
型気動車。0 番台 8 両と 300 番台 6 両が配置され、
津まで出ていが、ここでも 221 系が使われている。
関西本線の非電化、亀山駅~加茂駅間で運用されて
上の写真は 221 系に混じって走る 113 系だ。関東で
いる。2001 年 3 月までは木津駅を経由して奈良駅ま
は、顏が似ている 115 系が両毛線などで活躍中。
で入線していたこともあった。基本的に 1 両である
が、一部の列車が 2 両編成で運転されている。塗色
は前面と屋根・裾部に紫の塗装が施されている。
◆調査を終えて
関西本線は加茂を境に、路線が分かれていること
が分かった。都会の方から来る電車と田舎を走る気
動車が、あまりにも違いすぎて驚いてしまのだが、
こういう路線も面白いと思う。特に有名でもなく一
般的な路線ではあるが、乗ってみると風景が変わり、
良い路線だということが分かる。読者の皆さんも是
非、乗ってみてはどうだろう?
◆参考文献
Wikipedia:関西本線・使用車両
▲201 系の側面行先表
@柏原
路線情景でも書いたが、JR 環状線~加茂を結ぶ
221 系と、おおさか東線と同じ車両を使っていて JR
難波~王寺を結ぶ 103 系と 201 系、非電化の加茂~
亀山を走るキハ 120 系の 3 種類に分けられている。