I.都市規模別にみた夫の労働時間と所得

I.都市規模別にみた夫の労働時間と所得
図表 I-1 と I-2 は、2000 年代の雇用所得と週当たり労働時間の推移をそれぞれ表したも
のである。ここでは居住地域別に大都市とその他の市町村に対象者を分けて、その違いを
示している。対象は 30 代および 40 代を中心とした有配偶男性である。また対象は雇用者
に限定している。なお都市の定義、および調査対象の詳細については後述している。
まず所得の推移について図表 I-1 をみてみる。ここでの伸び率は個々人の対前年伸び率を
平均したものであり、平均所得の伸び率ではないことに注意されたい。所得水準について
は、終始、大都市が高い値にある。両者の間には 80 プラスマイナス 10 万円前後の差があ
る。平均値で見た場合、両者の比(大都市/その他市町村)は 2000 年調査では 1.13、直近
の 2006 年調査では 1.16 と大きくはなっているが、調査年を通して拡大のトレンドがある
わけではない。伸び率については両者の動きをみると、どちらか一方が一貫して高いとい
うこともなく、また同様の動きをしているともいえない。ただ 6 ヵ年の平均でみると、大
都市では 1.9%、その他の市町村では 0.9%と、大都市の方が1%ほど高くなっている。
図表I-1 夫の所得の推移
700
623
635
644
600
551
557
554
625
566
500
3%
558
400
2%
567
1%
2%
0%
1%
0%
2001
570
2%
300
2000
659
4%
3%
2%
︶
万
円
645
2002
大都市 所得
大都市 伸び率
2003
調査年
10%
8%
︵
所
得
664
1%
-1%
-1%
2004
2005
その他市町村 所得
その他市町村 伸び率
前
年
伸
4% び
率
平
2%
均
6%
0%
-2%
2006
一方、図表 I-2 の週当たり労働時間については、大都市、その他の市町村とも 50 時間を
超えており、30−40 代男性の長時間労働が常態化していることがうかがえる。ただ、一貫
して大都市の方が 4 ないし 5 時間ほど長い値を示している。大都市では所得が高い分だけ、
労働時間も長い結果となっている。
図表 I-2 夫の労働時間の推移
60
58
56.9
56.1
56.9
57.3
56.1
55.8
55.3
51.9
51.5
51.5
56
54
週
当 52
た
50
り
時 48
間
46
52.3
52.0
52.6
52.0
大都市
その他市町村
44
42
40
2000
2001
2002
2003
年
2004
2005
2006
集計対象
2006 年 10 月に 33 歳から 47 歳の女性の夫(2006 年の夫の平均年齢 41 歳)
2000 年から 2006 年にかけて継続して、雇用者であったもの
対象数 351 人(大都市 84 人、その他市町村 267 人)
「大都市」=東京都区および政令指定都市
「その他市町村」=上記以外の市町村