KADOKAWA の動向 オーディオブックの市場の盛衰を決める決断 2015

KADOKAWA の動向
オーディオブックの市場の盛衰を決める決断
2015 年 10 月 1 日
日本オーディオブック制作社協会
テレビ東京で放送されたワールドビジネスサテライトによると、アマゾンジャパンのオ
ーディブルと KADOKAWA が作品の交渉をしているそうです。KADOKAWA というと、現
在の日本の出版最大手であり、文芸書はそんなに数は無いと思いますが、ライトノベル(SF
ファンタジー小説)では市場の 7 割以上を占めていると言われており、オーディオブック
にまだ興味のない読者へのアプローチでは有効なコンテンツを持つ権利者だと考えます。
ライトノベルは決まったビジネスモデルがあり、売れた原作をアニメ・ゲーム化して、収
益を上げる構造が出来ています。そのため、作品がアニメやゲームになった場合は固定のイ
メージを市場は持っており、それを損ねる作品を作ると、一気に人気が下降します。
仮に KADOKAWA がアマゾンジャパンと版権交渉で成立した場合、どうなるかを想像し
てみます。アマゾンジャパンはコンテンツを単純に音声化すれば良いと考えていますが、そ
れだと、上に挙げたイメージを損ねるので、新規オーディオブックユーザーは激高し、二度
と聞かないという形を作るかも知れません。また、コンテンツのイメージを損ねることによ
って、KADOKAWA もコンテンツのブランド毀損をする事により、多大な損害を被ること
になります。
アマゾンジャパンは作品を傷つけたとき、損害賠償をするのでしょうか?今の所、別部門
で大手出版社とアマゾンジャパンは良好な関係を築いていますが、オーディオブックで後
退する可能性も秘めている気がします。
オーディブルが日本のオーディオブック市場を潰して、撤退するというのが容易に想像
出来ますが、日本式に沿って作れば、どうやって収益を上げるのかが気になります。アマゾ
ンジャパンはプラットフォームホルダーなので、作品がお金を産まなくても、配信料で売上
を上げれば良いので、他社よりは有利ですが、他のコンテンツホルダーが作品を提供しない
状態を自分自身で作っていると思います。
ダウンロード配信は 7/14 のサービス開始前に実験的に行われていましたが、現時点では
完全にスマートフォンに流す仕組みになっているので、廃止されているかも知れませんが、
ダウンロード専売のものも作れないと、厳しいでしょう。
KADOKAWA だけに優遇契約をするとなると、他社は面白く無いとは思います。多分、
すると思います。
以上