告発事実 関 東 信 越 厚 生 局 社 会 保 険 審 査 官 稲 見 敏 和 は審 査 請 求 人 ● ● ● ● (以 下 「請 求 人 」とい う。)が 平 成 27 年 1月 20日 に 行 った審 査 請 求 に 対 して、平 成 27年 5 月 29日 、審 査 に 関 す る通 達 を故 意 に 無 視 し、根 拠 の ない 個 人 的 な見 解 に 基 づ い て審 査 を終 え、棄 却 の 決 定 を行 った。 これは 明 らか に不 当 な審 査 であり、刑 法 第 193条 の 公 務 員 職 権 濫 用 罪 に該 当 する。 被告発人の刑事処罰を求める意思表示 社 会 保 険 審 査 官 は 、「審 査 官 」とい う言 葉 の 響 きか ら、裁 判 官 の ように公 正 な審 査 を行 うもの であると請 求 人 ば か りでなく、一 般 の 被 保 険 者 、及 び 全 国 民 は 信 じ ている。 その 姿 勢 こそが 社 会 保 険 審 査 官 の 本 来 の 健 全 な姿 であり、大 前 提 の は ず だか らである。 しか し稲 見 敏 和 は 、中 立 ・公 正 とい う一 般 の 職 業 よ りも高 い 倫 理 性 が 求 め られ る職 務 に 就 きなが ら、不 当 な決 定 を行 い 、世 間 か ら寄 せ られ てい る信 頼 を見 事 に 裏 切 った。 これ は 我 が 国 の 社 会 保 険 、とりわ け 年 金 制 度 に 対 して懐 疑 的 となってい る国 民 の 不 信 をも助 長 し、国 民 の コンセ ンサ スを求 め てい か ねば ならない 今 後 の 年 金 制 度 の 改 正 に 対 してもマイナスの 要 因 となるもの で あ るため、厳 重 な処 罰 を求 める。 告発に至る経緯 社 会 保 険 審 査 官 に は 職 権 行 使 の 独 立 性 まで は 認 められていない。 本 審 査 請 求 の 棄 却 は 、被 疑 者 が それ を不 当 に 行 使 した、す なわ ち職 権 を濫 用 したため に 、「可 能 」となった もの である。 社 会 保 険 審 査 官 は 、その 職 務 の 性 質 上 、中 立 ・公 正 を本 位 をして審 理 を行 わ ねば ならない。 これ に関 して当 該 審 査 事 務 を円 滑 に 進 め るため 、詳 細 な通 達 が 出 されている。 前 記 通 達 の 中 で、決 定 書 の 理 由 に つ い ては 次 の よう に通 知 されている。 「 決 定 書 の 理 由 は 、事 実 関 係 、請 求 人 の 申 立 の 趣 旨 、 決 定 庁 の 陳 述 、及 び こ れ に 対 す る 審 査 官 の 判 断 を 明 確 に 示 す こと」( 社 会 保 険 審 査 事 務 取 扱 上 の 注 意 事 項 に つ い て- 昭 和 25年 9月 29日 保 険 発 第 194号 ) また事 実 の 認 定 及 び 判 断 に つ い ては 次 の ように 通 知 されている。 「 争 点 に関 して請 求 人 等 が 積 極 的 に提 出 した資 料 を採 用 しなか った場 合 に は 、そ の 理 由 を 明 ら か に す る こと」( 社 会 保 険 審 査 官 事 務 取 扱 要 領 - 平 成 元 年 7月 10日 保 険 発 第 60号 ・年 発 第 3850号 ) しか るに 平 成 27年 5月 29日 、稲 見 敏 和 は 、こ れ ら の通達事項をまったく遵守せずに審理を終了し、棄 却の決定を行った。 現 在 、社 会 保 険 に お け る不 服 申 立 に 対 す る審 査 制 度 としては 、社 会 保 険 審 査 官 及 び 社 会 保 険 審 査 会 法 (以 下 「官 会 法 」とい う。)が 定 め られ てお り、い わ ゆ る 一 審 に 相 当 す る機 関 が 社 会 保 険 審 査 官 (以 下 「審 査 官 」とい う。)、二 審 に 相 当 す る機 関 が 社 会 保 険 審 査 会 (以 下 「審 査 会 」という。)とされている。 現 行 の 審 査 官 が 設 置 され たの は 昭 和 28年 9月 1日 の ことであるが 、その 前 駆 をなすもの は 昭 和 25年 4月 1 日 に設 置 された「社 会 保 険 審 査 官 」である。 ただし審 査 方 法 として、現 行 の 審 査 会 が 合 議 制 を採 ってい るの に 対 して、審 査 官 が 独 任 制 で あ ることに 着 目 す るならば 、審 査 官 の 源 流 は 昭 和 22年 9月 1日 に 設 置 された「保 険 審 査 官 」に溯 ることになる。 昭 和 22年 9月 1日 前 の 審 査 制 度 では 、一 審 に 相 当 す る機 関 が 地 方 社 会 保 険 審 査 会 、二 審 に 相 当 す る機 関 が 中 央 社 会 保 険 審 査 会 で 、審 査 方 法 は 両 者 と合 議 制 であった。 しか しなが ら当 時 も審 査 請 求 事 件 は 増 加 の 傾 向 に あ ったため 、不 服 申 立 の 審 査 を迅 速 か つ 適 正 に 行 う 必 要 が あった。 この ため、昭 和 22年 9月 1日 、合 議 制 の 地 方 社 会 保 険 審 査 会 は 独 任 制 の 保 険 審 査 官 となったの である。 したが って、こうした経 緯 を鑑 みるならば 、審 査 官 の 審 査 方 法 たる独 任 の 権 限 は 、 あ く ま で も 審 査 を 迅 速 かつ適正に行うためにのみ行使されるべきであっ て、その裁量権に中立・公正から逸脱した行為、す なわち被疑者の行った独裁までは含まれない。 この 点 に関 しては 、官 会 法 第 2 0 条 、 及 び 2 4 条 に お い て 、審 査 会 の 委 員 に つ い て は 職 権 行 使 の 独 立 性 、 及び身分保障が特別に規定されているにもかかわら ず、審査官に対してはそれらの規定が一切ないこ とか らも明 らか である。 す なわ ち審 査 官 に は 、 職 権 行 使 の 独 立 性 ま で は 認められておらず、審査官は不当な決定をした場 合 、 身 分 上 も 不 利 益 を こ う む る ことになる。 そこで 、稲 見 敏 和 の 当 該 行 為 に つ い て、当 告 発 人 は 、専 門 家 として甚 だ疑 義 を抱 か ざるを得 ない 点 が 多 々あ ったため 、被 疑 者 に 対 して、審 査 の 疑 義 を質 す 処 分 照 会 状 を平 成 27年 6月 1日 付 の 郵 便 にて送 付 した。 この 照 会 は 、稲 見 敏 和 が 根 拠 の な い 私 的 感 覚 を 絶対基準とし、審査に関する通達及び判例を故意 に 無 視 し た 結 果 、「 棄 却 」 が 「 可 能 」 と な っ た も の で あ るため 、その 理 由 を求 め たもの で あ ったが 、これ に対 する稲 見 敏 和 か らの 回 答 は なか った。 この ため 当 告 発 人 は 、平 成 27年 6月 8日 付 の 郵 便 に て、審 査 官 は 一 般 の 被 保 険 者 や 国 民 か ら 「 裁 判 官」に準じた見方をされているため、疑義を質す 照会を受けたからには、社会通念上から判断して も 、 誠 実 に 説 明 す る 責 務 が あ る として、回 答 を求 め た。 しか し、それでも稲 見 敏 和 か らの 回 答 は なか った。 そこで 当 告 発 人 は 、最 後 通 牒 として、稲 見 敏 和 に さ らなる回 答 の 催 告 を平 成 27年 6月 15日 付 の 郵 便 にて 行 った。 この 催 告 状 は 当代理人(当告発人)が処分照会の合理的 理由を明示し、審査に関する通達を故意に無 視した理由について再三再四求めているにも か か わ ら ず 、稲 見 敏 和 が 回 答 で き な い の は「 稲 見敏和自身が当代理人(当告発人)の疑義を 払拭できない不当な審査を行ったと認めてい るから」に他ならないからである。 すなわち稲見敏和には当初から中立公正な 審査を行う意思は全くなく、当初から棄却の みが審査の目的であったため、当代理人(当 告発人)が明示した審査に関する通達に従え ば、その目的を達成することができないため に、当該通達を故意に無視したということ になる。 したがって、この判断に異議があれば、 審査に関する通達を故意に無視した理由を回 答するように と求 めためたもの であった。 これに 対 しても結 局 、稲 見 敏 和 は 無 回 答 の 姿 勢 しか 示 さなか った。 しか し、この 無 回 答 によって稲 見 敏 和 は 異 議 な し と して、当 告 発 人 の 判 断 を明 らか に認 め た ことになる。 以 上 か ら、稲 見 敏 和 の 行 為 が 公 務 員 職 権 濫 用 罪 に該当することは明白である。
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