「しゃぶしゃぶ温野菜」の学生アルバイト労働問題の事実経過について

平成 27 年 9 月 13 日
ブラックバイトユニオン
「しゃぶしゃぶ温野菜」の学生アルバイト労働問題の事実経過について
このたび、「しゃぶしゃぶ温野菜」で勤務していたブラックバイトユニオン(以下、当
ユニオンという。)の組合員である学生アルバイトの労働問題の内容と、「しゃぶしゃぶ温
野菜」を経営するフランチャイズ店運営会社ならびにフランチャイズ本部である株式会社
レインズインターナショナル(しゃぶしゃぶ温野菜、牛角、かまどか、土間土間などのブ
ランドを展開)に対する当ユニオンの団体交渉の申入れに関しまして、一部報道がなされ
ています。
また、株式会社レインズインターナショナルによって、当ユニオンへの回答内容が一部
公表されていますので、当ユニオンといたしましても、申入れ以降の事実経過を下記の通
りご報告いたします。
記
1、
「しゃぶしゃぶ温野菜」勤務の大学生アルバイトの被害内容
① 長時間・連続勤務――大学生アルバイトの4ヶ月連続勤務並びに12時間労働
昨年末から勤務日数が増加し、今年の1~3月は、月に2~4日程度の休みとなり、今
年の4月12日~8月11日までの間は4ヶ月連続で1日も休まず勤務しています。休職
直前の数ヶ月間は、13時過ぎに出勤して26時近くまで働いており、約12時間勤務し
ていました。また、多額の賃金未払いが発生しており、賃金支払額は最低賃金を下回って
います。
② 自腹購入――食べ放題10人前など合計して十数万円の自腹購入
今年の4月頃より、食べ放題10人前で3万数千円などの自腹購入を強いられました。
十数回にわたり自腹購入をさせられ、少なくとも被害額は十数万円に及びます。自腹購入
は架空購入でもあり、お金を支払ったにもかかわらず商品の提供は受けておりません。
③ 辞めさせない・多額の損害賠償請求・脅迫電話――「殺してやる。
」
これまで二回にわたって退職を申し出ましたが、「辞めるなら懲戒解雇にするよ。懲戒
解雇になったら就職できないよ。」と店長から言われたり、胸倉を掴まれたりしたため、
辞められませんでした。また、会社が数千万円の損害賠償の請求を用意しているなどと脅
されたため、その後も退職を阻まれました。さらに、休職を申し出た前日の深夜、帰宅途
中に店長から「今から家に行くからな。殺してやる。」という脅迫電話がありました。
④ 健康被害と大学生活への甚大な影響――「うつ状態」の診断、全単位の取得不可
「しゃぶしゃぶ温野菜」での過酷なアルバイトのために、心身の健康を害し、「うつ状
態」「不安障害」と診断されています。また、あまりの長時間労働のために学校にも行け
ず、テストにも出席できなかったため、今年度前期の単位を全て落としてしまいました。
現在は、店長が家に押しかけることを恐れて、友人宅に避難しています。
2、申し入れ以降の事実経過
① フランチャイズ店運営会社の対応
・9 月 10 日、代表者に電話をして、団体交渉を申入れしたものの、団体交渉を応諾するか
どうかの回答は保留された。
・9 月 11 日、代表者からFAXがあり、
「9 月 30 日まで回答猶予」を求めてきた。
・9 月 12 日、代表者に電話をして、団体交渉を受けるかどうかについての回答と、迅速な
話し合いの場の設定を要請したが、代表者は「9 月 30 日まで待ってほしい。」「私は何も決
められない。」と繰り返した。当ユニオンから団体交渉に応じる法的義務があることを説
明したが、それに対しても明確な返答は得られなかった。また、迅速な解決のために、被
害者である大学生アルバイトの話や、当ユニオンの説明を聴く機会を設けるように再度要
請したが、
「申し訳ないが、何も答えることはできない。
」との返事だった。
② フランチャイズ店舗の動向
・ここ数日の間に、被害者である大学生の自宅ポストに手紙が投げ込まれていた。その内
容としては、被害者である大学生アルバイトを誹謗したうえで、「今回の件で、あなたを
訴えようという声が上がっています。(中略)この先のことを、本当によく考えて下さ
い。
」というものだった。
※文書中の“今回の件”というのが、当ユニオンによる店長への事情聴取(8/25)を指
すのか、あるいは団体交渉申し入れ(9/10)を指すのかについては不明。
・そのため、被害者である大学生は、友人宅に避難を続けることを余儀なくされた。
③ フランチャイズ本部である株式会社レインズインターナショナルの対応
・9 月 10 日、フランチャイズ本社である株式会社レインズインターナショナルを訪れて、
団体交渉を申し入れたものの、団体交渉を応諾するかどうかの回答は保留された。
・9 月 11 日、株式会社レインズインターナショナルからFAXがあり、当ユニオンとの話
し合いに応諾すべき法的義務はないこと、雇用主であるフランチャイズ運営会社が回答す
べきこととして、当ユニオンとの話し合いに応じない旨の連絡があった。
また、フランチャイズ本部の立場から、事実関係を詳細に把握したうえで、フランチャ
イズ店運営会社に対して適切に指導・助言していくとも書き添えてあった。
3、当ユニオンの見解
① フランチャイズ店運営会社の対応について
「殺してやる」との脅しを恐れて避難生活を送る大学生を、団体交渉に応じるかどうか
についても回答がないまま、20 日間も待たせておくことは、非人道的な対応であり、且つ
労働組合法に違反する行為(団体交渉応諾義務・誠実交渉義務違反)に当たると考えま
す。また、フランチャイズ店運営会社の代表者が、代表者にもかかわらず「何も決められ
ない。」「申し訳ないが、何も答えることはできない。」というのであれば、実質的に決定
権限を持つ者が、当ユニオンとの話し合いの窓口になるべきであると考えます。
② フランチャイズ本部である株式会社レインズインターナショナルの対応について
株式会社レインズインターナショナルは、これまでも店舗経営に関する助言・指導を行
う立場にありながら、また事実関係としても株式会社レインズインターナショナルの社員
であるスーパーバイザーが月に数回当該店舗の助言・指導にあたりながらも、上述の4ヶ
月連続勤務も十数万円の自腹購入も、数千万円の損害賠償請求の脅しも、日常から行われ
ていた執拗なパワハラも防ぐことができませんでした。
もちろん、直接的な雇用主はフランチャイズ店運営会社ですが、株式会社レインズイン
ターナショナルは、店舗経営に関する助言・指導を行うべき立場にあり、且つ実際にフラ
ンチャイズ事業を会社の主たる収益事業として展開しているという事実からしても、当ユ
ニオンとの話し合いに応じて、被害を受けた大学生を迅速に救済すべく努力すべき立場に
あります。
また、現にフランチャイズ店運営会社は、法的な義務があるにもかかわらず団体交渉に
応じるかどうかさえ回答せず、話し合いを一度も行わないまま、友人宅に避難を余儀なく
されている大学生アルバイトを20日間も待たせるという非人道的な対応をしています。
さらに、この数日のあいだに店舗関係者から大学生アルバイトの自宅ポストに、「今回の
件で、あなたを訴える」という脅迫まがいの手紙が直接投函されていたことが新たに発覚
しています。
これは、株式会社レインズインターナショナルが、フランチャイズ店運営会社に対し、
適切に指導できていないことの証左だと考えます。
株式会社レインズインターナショナルにおかれましては、再発防止に努め、フランチャ
イズ運営会社を適切に助言・指導すると表明しておりますので、そのためにも速やかに当
ユニオンとの団体交渉の席を設けて、本件被害者の損害回復と今後の改善についての話し
合いに応じてください。くれぐれもフランチャイズ店運営会社に被害者である大学生の救
済の責任を丸投げし、被害者の救済を遅延させてしまうことや被害を拡大させてしまうこ
とがないよう速やかに当ユニオンとの話し合いに臨むよう要請します。
以上