4.刑事訴訟実務の基礎(PDF:163KB)

【2015 年度シラバス】
【授業科目名】
【授業科目の区分】
【担当者】
刑事訴訟実務の基礎
実務基礎科目群
渡辺 直行 (第1回~第15回)
藤岡 達麻 (第11回~第15回)
【履修形態/単位】 必修科目/2単位
【配当年次/開期】 3年次/後期
【授業科目の内容】
この科目は、実務基礎科目群に配置され、理論と実務を架橋し、実務教育の導入部分を
担う科目である。授業は、刑事法演習Ⅰ及び刑事法演習Ⅱにおける実体法分野と訴訟法分
野の理論教育を踏まえて、刑法・刑事訴訟法上及び刑事手続全体に通じる事実認定上の諸
問題及び弁護人の立場・役割と刑事弁護における実務上の重要問題を理解させ、それによ
って理論と実務との架橋において最も重要な事実認定能力と法律構成の能力を受講生に修
得させる。
【授業科目の目標・方法】
この科目は、3年次後期配当科目で、法律基本科目基礎科目の刑法Ⅰ、刑法Ⅱ、刑法Ⅲ、
刑事訴訟法、基幹科目の刑事法演習Ⅰ、刑事法演習Ⅱを履修した受講生を対象とし、理論
と実務を架橋する役割を担い、実務教育の導入部分としての性格を有する。第1回から第
10回までは、受講生が、事前に指定された判例とそこでの裁判官の事実認定を素材とし
て、事実認定の基礎である証拠構造や間接事実による認定などを学ばせ、相互の討論を通
じて、刑事訴訟実務の基礎たる事実認定能力の習得を目的とする。第11回から第15回
までは、弁護人の立場・役割を理解させつつ、記録教材を用いるなどして、刑事弁護実務
の基本となる重要問題を受講生に理解させることを目的とする。そして、弁護人の視点か
らの事実認定の一環として、事件記録を与えたうえで、保釈請求書及び弁論要旨を起案さ
せ、それについての講評、検討も行う。以上を通じて、事実認定能力と法律構成能力を修
得させる。
なお、この授業科目は、第1回から第10回までは渡辺直行が単独で担当し、第11回
から第15回までは、渡辺と藤岡達麻の2名で担当する。したがって、渡辺は第1回から
第15回のすべての授業に出席し、藤岡は第11回から第15回の授業にのみ出席する。
【授業計画】
第 1 回 (事実認定
第2回 (事実認定
第3回 (事実認定
第4回 (事実認定
刑法関係 1) 故意
刑法関係 2)共謀
刑法関係 3)共犯関係の解消、不真正不作為犯
刑法関係 4)近接所持による窃盗犯人の認定、募金詐欺の包括一罪
性
第5回 (事実認定 刑事訴訟法関係 1)放火の方法と鑑定、ポリグラフ検査
第6回 (事実認定 刑事訴訟法関係 2)犯人の同一性、被告人の自白の信用性
第7回 (事実認定 刑事訴訟法関係 3)共犯者の供述の信用性、目撃者の供述の信用性
第8回 (事実認定 刑事訴訟法関係 4)アリバイの有無
第9回 (事実認定 刑事訴訟法関係 5)秘密の暴露性、自白以外による認定
第10回 (事実認定 刑事訴訟法関係 6)犯人性に関する総合認定、総合認定
第11回 (刑事弁護実務)起訴前弁護、接見交通
第12回 (刑事弁護実務)公判準備、公判前整理手続、保釈
第13回 (刑事弁護実務)証拠調請求、証拠意見、証拠決定
第14回 (刑事弁護実務)証拠調手続、交互尋問
第15回 (刑事弁護実務)事実認定、弁論
【2015 年度シラバス】
【教科書】
第1回から第10回の事実認定については、小林充・植村立郎編『刑事事実認定重要判
決50選(上)(下)
〔第2版〕
』
(立花書房、平成 25 年)を使用する。
【成績評価】
試験(70%)、起案(20%)、学習態度〔積極性・予習状況等〕
(10%)を総合評価
する。