ちょっとすてきな…今月のMemory 107

時、突然凧揚げに行こうというんです」
親父はびっくりした。息子も楽しかったんだな。い
いやつだ、と思った。タコチュー公園は今も雑草が多い。
あんまり好きな公園ではないけれど、親父と息子をつ
なぐ思い出の公園になった。
今、この公園の近くを「あおなみ線」が通り、名古
屋駅に直通で行けるようになった。その上を「伊勢湾
岸自動車道(第2東名・名神高速道路)」が横切る。
JR東海の「リニア・鉄道館」もでき、にぎわい始めた。
近い将来、日本初の「レゴランド」も建設されるという。
親子で思い出のつくれる施設が増える。名古屋南部
も発展してきた。楽しみだ。
保育通信■No. 724 2015. 8. 1.
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育ちの計画があるのではないか、それを暮らしの
子どもと行きました。独身時代二人でデートしていた
にとっては、ともに暮らした小学1年生からの情
「太郎ちゃん(息子の名前)は、凧揚げ好きなんですね。
歳時記としての保育計画にどうリンクさせるかが
ると相当高く上がる。はるか向こうを飛行機が横切る。
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親になった。嫁がいった。
報は、生きた交流と接続です。異年齢保育は異な
時代は過ぎ、その息子も結婚し、2歳の子どもの父
課題ではないでしょうか。
「オーイぶつかるぞ!」親父らしく、そんなこともいっ
ば 〟か ら 抜 け 出 す 異 年 齢 保 育 」
(
『 現代と保育 』
号、2013年6月、ひとなる書房)
*5 「その子らしく育つ自信って何だろう ─ 異年
齢保育のなかで」
(
『季刊 保育問題研究』254号、
2012年4月、新読書社)
*6 三島奈緒子「食べることが大好きな子どもに
─ 楽しく・おいしく・意欲的に食べる大皿盛り
の取り組み」
(
『季刊 保育問題研究』248号、
2011年4月、新読書社)
*7 牧野さやか「暮らしのある保育のなかで育つ
子どもたち ─一人ひとりの子どもの思いを〝解
る〟とは」
(
『季刊 保育問題研究』267号、2
014年6月、新読書社)
*8 「過疎地の行事と保育計画 ─ 異年齢保育の実
践を通して考える」
(
『季刊 保育問題研究』26
0号、2013年4月、新読書社)
てみたりした。
る年齢での交流を通して、小学校という異なる世
なんとも気持ちがよい。オプションで糸を一巻追加す
界を乗り越える力を蓄えてきたのです。異年齢保
大地に寝ころび凧をあげると、凧は自由に飛び回る。
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いる。でもそんな公園に、息子とよく凧揚げに行った。
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大型遊具があるが、塗装は剥げ、いたずら書きされて
育は学校に接続しているというよりも、学校卒業
に行くことにした。殺風景な公園で、8本足のタコの
後の異世代社会に接続していると考えられるので
ちょっと離れているが、凧揚げにふさわしい広い公園
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あたたかみのある公園が少ない。でも親父は長男と、
はないでしょうか。
育園に通っていた時代だ。
第3に、異年齢保育の行事や保育計画の問題。
パチンコ屋が目につく。ちょうど子どもが小学校と保
日常的には異年齢で生活しているのに、行事の
時だけ同年齢での課題活動になるのは不自然です。
伐としている。緑が少なくほこりっぽい。トラックと
異年齢の行事では、課題的活動成果の披露の場と
30代で名古屋に移り住んだ。私の住む港の街は殺
いうより、親子で楽しむ祭り的な要素に重点をお
Memory
参考文献
*1 ひまわり保育園「年齢の枠を超えて自己発揮
を」
(
『幼児と保育』2000年 月号、小学館)
*2 伊藤シゲ子「異年齢保育の実際と子どもたち
の未来へ─ 人間大好き、友だち大好き、そして
何よりも自分が好き」
(
『季刊 保育問題研究』2
70号、2014年 月、新読書社)
*3 西岡菜絵「異年齢での劇づくり ─〝むしたち
のおんがくかい〟にとりくんで」
(
『季刊 保育問
題研究』270号、2014年 月、新読書社)
*4 小柳由美子「大人も子どもも〝こうでなけれ
タコチュー公園と名古屋港
いてもよいのではないでしょうか。また異年齢保
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育では、子ども自身に育ちの振り返りと見通しの
select
(松本一男/愛知県名古屋市・小鳩幼児園園長)