時、突然凧揚げに行こうというんです」 親父はびっくりした。息子も楽しかったんだな。い いやつだ、と思った。タコチュー公園は今も雑草が多い。 あんまり好きな公園ではないけれど、親父と息子をつ なぐ思い出の公園になった。 今、この公園の近くを「あおなみ線」が通り、名古 屋駅に直通で行けるようになった。その上を「伊勢湾 岸自動車道(第2東名・名神高速道路)」が横切る。 JR東海の「リニア・鉄道館」もでき、にぎわい始めた。 近い将来、日本初の「レゴランド」も建設されるという。 親子で思い出のつくれる施設が増える。名古屋南部 も発展してきた。楽しみだ。 保育通信■No. 724 2015. 8. 1. 31 15.7.29 10:30:15 PM E26_乳幼児期の教育_宮里-.indd 31 育ちの計画があるのではないか、それを暮らしの 子どもと行きました。独身時代二人でデートしていた にとっては、ともに暮らした小学1年生からの情 「太郎ちゃん(息子の名前)は、凧揚げ好きなんですね。 歳時記としての保育計画にどうリンクさせるかが ると相当高く上がる。はるか向こうを飛行機が横切る。 86 親になった。嫁がいった。 報は、生きた交流と接続です。異年齢保育は異な 時代は過ぎ、その息子も結婚し、2歳の子どもの父 課題ではないでしょうか。 「オーイぶつかるぞ!」親父らしく、そんなこともいっ ば 〟か ら 抜 け 出 す 異 年 齢 保 育 」 ( 『 現代と保育 』 号、2013年6月、ひとなる書房) *5 「その子らしく育つ自信って何だろう ─ 異年 齢保育のなかで」 ( 『季刊 保育問題研究』254号、 2012年4月、新読書社) *6 三島奈緒子「食べることが大好きな子どもに ─ 楽しく・おいしく・意欲的に食べる大皿盛り の取り組み」 ( 『季刊 保育問題研究』248号、 2011年4月、新読書社) *7 牧野さやか「暮らしのある保育のなかで育つ 子どもたち ─一人ひとりの子どもの思いを〝解 る〟とは」 ( 『季刊 保育問題研究』267号、2 014年6月、新読書社) *8 「過疎地の行事と保育計画 ─ 異年齢保育の実 践を通して考える」 ( 『季刊 保育問題研究』26 0号、2013年4月、新読書社) てみたりした。 る年齢での交流を通して、小学校という異なる世 なんとも気持ちがよい。オプションで糸を一巻追加す 界を乗り越える力を蓄えてきたのです。異年齢保 大地に寝ころび凧をあげると、凧は自由に飛び回る。 10 いる。でもそんな公園に、息子とよく凧揚げに行った。 12 大型遊具があるが、塗装は剥げ、いたずら書きされて 育は学校に接続しているというよりも、学校卒業 に行くことにした。殺風景な公園で、8本足のタコの 後の異世代社会に接続していると考えられるので ちょっと離れているが、凧揚げにふさわしい広い公園 12 あたたかみのある公園が少ない。でも親父は長男と、 はないでしょうか。 育園に通っていた時代だ。 第3に、異年齢保育の行事や保育計画の問題。 パチンコ屋が目につく。ちょうど子どもが小学校と保 日常的には異年齢で生活しているのに、行事の 時だけ同年齢での課題活動になるのは不自然です。 伐としている。緑が少なくほこりっぽい。トラックと 異年齢の行事では、課題的活動成果の披露の場と 30代で名古屋に移り住んだ。私の住む港の街は殺 いうより、親子で楽しむ祭り的な要素に重点をお Memory 参考文献 *1 ひまわり保育園「年齢の枠を超えて自己発揮 を」 ( 『幼児と保育』2000年 月号、小学館) *2 伊藤シゲ子「異年齢保育の実際と子どもたち の未来へ─ 人間大好き、友だち大好き、そして 何よりも自分が好き」 ( 『季刊 保育問題研究』2 70号、2014年 月、新読書社) *3 西岡菜絵「異年齢での劇づくり ─〝むしたち のおんがくかい〟にとりくんで」 ( 『季刊 保育問 題研究』270号、2014年 月、新読書社) *4 小柳由美子「大人も子どもも〝こうでなけれ タコチュー公園と名古屋港 いてもよいのではないでしょうか。また異年齢保 107 育では、子ども自身に育ちの振り返りと見通しの select (松本一男/愛知県名古屋市・小鳩幼児園園長)
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