§22 アレルギーが増加する背景【Blue】 ■ 文法的解析 【表記のルール】 □ [ 名詞 ],( 形容詞 ), < 副詞 > ,同形の反復部は*, **, ***などで表現する □ 等位接続詞は □ 関係代名詞節の欠けにはφをうつ □ 代名詞の対応関係は# [ ~ ] で示す a The past thirty to forty years have seen a huge increase (in the number of children (who φ suffer from allergies), and scientists are still looking for the explanation. Some have blamed [increased air pollution], but #it has also been found #[that allergies are common not only among children (in the city) but also among children (in the countryside, ← where pollution is typically much lower).] b [ A currently popular explanation (for the rise in allergies)] is the so-called ["hygiene* hypothesis."] 現在の一般的説明 衛生仮説 The basic idea is [that young children( brought up in an environment (which φ is too clean)) are more at risk of developing allergies]. bring up ~:育てる <Nowadays,> people *bathe and *wash their clothes more frequently than in the past, and <thanks to vacuum cleaners> homes are less dusty, too. [One result of all these changes] is [that <in their early lives> children are exposed to #[fewer allergens* substances] ←(that φ can cause allergies) さらされている ― and this means [that their bodies cannot build up natural immunity* to #them]. <Simply put>, [exposure to #[allergy-causing substances]] is necessary 独立分詞構文 put:表現する,cf.frankly speaking:率直に言えば <for natural protection (against #them) to develop>. S → P c The trend (towards smaller families) also means [that young children encounter fewer allergens in the home. ] §22 アレルギーが増加する背景【Blue】 <In fact>, #[it] is known #[that children ←(who have older brothers and sisters) are more resistant* to allergies. ] 抵抗力がある The same is true of children (who φ share their home with a pet.) 当てはまる Such children are much less likely to develop the very common allergy (to cat or dog hair), <for example>. d Scientists agree [that [being exposed to a wider range of allergens <early in life>] S’ helps children to develop greater immunity. ] V’ O’ C’ There is, <however>, also some data ←(suggesting [that[ *genetics, *family income, and even *the parents' level of education] may play a part in [how likely a child is to suffer from allergies]. =a child is likely to suffer from allergies Thus, <although the hygiene hypothesis is an important area for research,> we cannot yet be sure< that[ too much attention to cleanliness] is the only explanation (for the enormous rise (in the number of allergy victims).)> §22 アレルギーが増加する背景【Blue】 ■ 注意事項 ● The past thirty to forty years have seen a huge increase「ここ 30 年から 40 年で激増した」 直訳すると,「ここ 30 年から 40 年は激増を見てきた」。動詞 see をこのように「を目撃する;に遭遇する」 のような意味で使うことがある。 ● A currently popular explanation for the rise in allergies 「アレルギーの増加に関して現在のところ一般的な説明は」 ● hygiene hypothesis「衛生仮説」 ● The basic idea is that ...「その根本的な考え方は…だ」 that 以下は名詞節。 ● young children brought up in an environment which is too clean 「清潔過ぎる環境の中で育てられた幼い子ども」 bring up~「~を育てる」。ここでは過去分詞になっており,直前の children を修飾している。 ● be exposed to~「~にさらされている」 ● simply put「簡単に言うと」 この表現は,If it is simply put を言い換えたもの。たとえば frankly speaking「率直に言えば」のような独立分 詞構文である。なお,動詞 put には,「を言い表す;を表現する」という意味があることを覚えておきたい。 また,「簡単に言うと」は不定詞を使って,to put it simply と言うことも多いので覚えておこう。 ● The trend towards smaller families「小家族化の傾向」 towards は toward と同じで「~の方へ」という意味。 ● are more resistant to~「~に対してもっと抵抗力がある」 ● share their home with a pet「ペットと家を共有する」 share A with B「AをBと分かち合う」。 ● are much less likely to develop~「~になる可能性がはるかに低い」 be likely to do「…する可能性がある」。less likely は more likely の反対で,「(…する)可能性が低い」。much は比較級を強めている。 ● agree that ...「…ということに同意する」 ● [being exposed to a wider range of allergens early in life ] helps children to develop greater immunity S V O C S=「幼少期により広い範囲のアレルゲンにさらされること」 be exposed to~「~にさらされる」が動名詞になっている。 V=“ help + A(人など)+原形〔to do〕”の形で,「(Sは)Aが…するのを助ける」。原形の箇所には,こ の文のように不定詞がくることもある。 C=「より強い免疫をつける」。 ● some data suggesting that ...「…ということを示唆するデータ」 data は単複両方の扱いが可能。suggesting 以下は直前の名詞 data を修飾している。 ● how likely a child is to suffer from allergies 「子どものアレルギーにかかる可能性;子どもがどれくらいアレルギーにかかりやすいか」 likely と is と to を見て,前出の be likely to do「…する可能性がある」が思い出せれば解決する。この節は, 形容詞 likely(~らしい;~のようだ)を程度を表す副詞(疑問副詞)how で修飾して名詞節にしたもの。 A child is likely to suffer from allergies.(ある子どもはアレルギーにかかりやすいようだ)という形をイメージ すると意味がとりやすい。 §22 アレルギーが増加する背景【Blue】 ■ 日本語訳 ここ 30 年から 40 年で,アレルギーに苦しむ子どもの数が大幅に増加しており,科学者たちは今もなお その原因を探している。拡大した大気汚染を非難している者もいるが,都市の子どもだけでなく,汚染が 概してはるかに少ないような田舎の子どもの間でもまた,アレルギーはめずらしくないこともわかってい る。 アレルギーの増加に関して現在のところ一般的な説明は,いわゆる「衛生仮説」である。その根本的な 考え方は,清潔過ぎる環境の中で育てられた幼い子どもは,アレルギーになる危険性がより高いというこ とだ。今日では,人々は昔よりも頻繁に入浴し,衣服を洗濯する上に,電気掃除機のおかげで家もあまり ほこりっぽくなくなっている。これらすべての変化の一つの結果は,アレルゲン,つまりアレルギーの原 因となりうる物質に子どもが幼少時にさらされる量が少なくなっているということであり,これはすなわ ち,子どもの体がアレルゲンに対する自然免疫を作り上げることができないということである。簡単に言 うと,アレルギーを誘発する物質にさらされることは,それらに対して自然に備わる抵抗力を発達させる ために必要なことなのである。 小家族化の傾向もまた,幼い子どもが家庭でアレルゲンに遭遇する量を減らすことになる。実際に,兄 や姉がいる子どもの方が,アレルギーに対して抵抗力があるということが知られている。同じことが,ペ ットと家を共有する子どもにも当てはまる。たとえば,このような子どもは,ネコやイヌの毛に対する非 常によく見られるアレルギーになる可能性がはるかに低い。 科学者たちは,幼少期により広い範囲のアレルゲンにさらされることが,子どもがより強い免疫をつけ るのに役立つ,ということに同意している。しかし,遺伝的性質,家庭の収入,そして親の教育のレベル さえもが,子どものアレルギーにかかる可能性に関わるかもしれないということを示唆するデータもある。 したがって,衛生仮説は重要な研究分野ではあるが,清潔さに注意し過ぎることが,アレルギー患者数の 大幅な増加に対する唯一の説明である,と確信することはまだできない。
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