<戦争法案廃案、原発再稼働反対、労働法制改悪反対、 憲法改悪に反対し平和と民主主義を守る特別決議> 安倍自公政権は 7 月 15 日、衆議院安保特別委員会で「戦争法案」を強行採決し、翌日の本会議 でも強行採決を行った。憲法違反が明白な戦争法案の成立を強行することは、憲法の尊重擁護義務 を負う政府と国会議員が自ら憲法を無視するという立憲主義の否定であり、断じて許すことは出来 ない。7 月 27 日から参議院での審議が始まったが、審議が進むほど、安倍政権の憲法解釈の矛盾 が明らかになっている。 安倍政権はこれまで、多くの反対の声を無視し、武器輸出三原則の放棄、沖縄辺野古基地建設着 手、集団的自衛権行使の閣議決定を行ってきた。そして平和記念式典では、非核三原則の堅持に意 識的に触れず世論の動向をうかがい、戦後 70 年談話では「 私たちの子や孫、そしてその先の世代 の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と謝罪と反省は終焉すること、そ して、「積極的平和主義の旗を高く掲げ」と「戦争法案」を成立させていく事を宣言した。 また、磯崎首相補佐官の「法的安定性は関係ない」という発言、自民党若手議員学習会での「 マ スコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番だ」という発言、デモをする若者に対しての 「戦争に行きたくないという極端な利己的な考え」という批判などは、安保法案が「戦争法案」で あることを如実に表し、戦争に突き進む安倍政権の本音が噴出している。 戦争法案成立に突き進む安倍政権に対して、圧倒的な憲法学者や日弁連、内閣法制局長官 OB、 そして憲法改正を目論んできた歴代の自民党閣僚経験者でさえ違憲であると指摘するところとな っている。 一方、フクシマの現実を忘れたかのように 8 月 11 日、川内原発の再稼働が実施された。 再稼働前、安倍首相は、「世界で最も厳しい規制基準をクリアしたと規制委員会が判断した原発 は、再稼働を進めていくのが政府の方針」と述べていた。しかし、原子力規制委員会の田中委員長 は、 「審査が安全を保証するものではない」と繰り返し述べている。そして、菅官房長官は、 「稼働 の責任は、第一義的に事業者にある」と明言した。まさに責任の所在を曖昧にしながら、世論の反 対の声を無視し、再稼働ありきで突き進む何ものでもない。 そして労働者派遣法の改悪、残業代ゼロ法案、解雇の金銭解決制度など労働法制の改悪がもくろ まれている。 残業代ゼロ法案は、今でこそタダ働きが横行し、過労死が世界共通語になった事実があるにもか かわらず、更にタダ働きや過労死を助長するものに他ならない。労働者派遣法は、これまでも改悪 によりなし崩しされてきたが、安定して働きたいという労働者の思いを踏みにじり、低賃金、不安 定雇用の増大を招くものである。残業代ゼロ法案では、塩崎厚生労働大臣が、年収400万円以上 という経団連の要望に対し、「小さく産んで大きく育てるので、ぐっと我慢してとりあえず通すこ とにした」という発言は、労働者派遣法同様、成立後はなし崩的に、全労働者に拡大する事を明言 したものである。 世論の声を無視したそれらの政策に対し、安倍政権への不支持が政権発足以降はじめて支持を上 回る状況になっている。また、60%以上の国民が安保法案に反対し、国会審議が進むほど、反対 する世論が広がり、毎日のように国会周辺での抗議行動、全国各地での共同行動が広がっている。 法案成立に反対する声は、労働組合や一般市民にとどまらず、母親や大学生、高校生に至るまで日 を追う毎に高まっている。 国鉄労働組合は、「二度と戦争協力はしない」と結成した組織であり、反戦・平和、平和憲法擁 護を高く掲げ闘い続けてきた。また、核と人類は共存できないと核兵器廃絶と原発反対を掲げて闘 い続けてきた。そして、人間らしく生き働き続けるために職場労働条件改善のみならず、労働法制 の改悪反対を掲げて闘い続けてきた。 国労東日本本部は、安倍政権の国民不在の暴走政治を許さず、「戦争法案」廃案、原発再稼働反 対、労働法制改悪反対、憲法改悪に反対し平和と民主主義、国民の生活を守るために全力で闘う。 右、決議する。 2015年8月25日 国鉄労働組合東日本本部第29回定期大会
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