近所に外国人が住むことについてどう思いますか?

Extra Report
2015年6月5日
近所に外国人が住むことについてどう思いますか?
好ましい
どちらかといえば
好ましい
0%
20%
全体
8.0
14.9
岡山市
9.6
11.9
倉敷市 4.9
その他県内市町村
7.3
どちらとも
いえない
どちらかといえば
好ましくない
40%
60%
好ましくない
80%
58.4
15.1
58.4
23.8
15.0
54.1
13.0
100%
16.4
62.6
3.7
5.1
0.8
13.8 3.3
日本は島国であり基本的には単一民族国家で、人や社会はグローバル化に追いついていないと
いう認識を多くの人が持っているでしょう。しかし、日常生活で外国人を見かけたり接したりする機会
がみるみる増えているという実感も共有しているのではないでしょうか。
岡山県内の在留外国人は平成 25 年末時点で県人口の 1.08%を占めています。市町村別では岡
山市 1.34%、倉敷市が 1.09%、高梁市 1.74%、備前市 1.49%など。中国帰国者やインドシナ難民
の受入れ、「留学生受入れ 10 万人計画」、入管法改定による日系南米人の来日促進、アジア各国
からの研修生・技能実習生の受入れ拡大など、政府や企業による積極的な外国人の受入れは、定
住化、国際結婚、永住資格や日本国籍取得者の増加につながっており、岡山県も例外ではありませ
ん。
外国人の定住化傾向は、グローバル化、少子高齢化・人口減少などの問題解決に最適とされ、地
域にも多文化共生推進が求められる潮流がありますが、県民の皆さんはこの状況についてどう感じ
ているのでしょうか。
近所に外国人が住むことについて聞いてみたところ、「好ましい」「どちらかといえば好ましい」と好
意的に捉えている人が 22.9%、「どちらともいえない」が 58.4%、「どちらかといえば好ましくない」「好
ましくない」と不快さを感じる人が 18.8%という結果となりました。
【調査概要】
調査時期 : 2015 年 4 月 24 日(金)∼5 月 1 日(金)
調査対象 : 岡山県在住の男女 544 名
調査方法 : 自社アンケートパネル『Vinsight(ビンサイト)』によるインターネット調査
◎男性 33.6%、女性 66.4%
◎16∼29 歳 9.7%、30∼39 歳 30.7%、40∼49 歳 32.2%、50 代以上 27.4% ◎岡山市 54.4%、倉敷市 22.8%、そ
の他県内 22.8%
-1-
Q.
あなたの身近には、外国人県民が多いと感じますか?
多いと感じる
ある程度は多いと
感じる
0%
全体
4.2
それほど多いとは
感じない
20%
多いとは感じない
わからない
外国人の存在に対する
40%
18.6
※外国人観光客除く
60%
80%
33.3
100%
37.1
6.8
肌感覚をたずねてみまし
た。
「多いと感じる」
「ある
岡山市
5.1
19.6
31.1
37.5
6.8
程度多いと感じる」が合
わせて 22.8%、
「それほど
倉敷市
3.2
17.7
37.1
37.1
4.8
多いとは感じない」
「多い
とは感じない」が合わせ
その他県内市町村
3.2
16.9
34.7
36.3
8.9
て 70.4%となりました。7 割
の人は多いと感じていま
せん。
地域別でみると「岡山市(民)
」は多いと感じている人がやや多くなっています。
Q.
どんな時に多いと感じますか?(いくつでも)
0
10
20
30
40
50
近所に外国人が住んでいる
30.6
31.5
26.9
32.0
お店で働く外国人が多い
29.8
32.9
26.9
24.0
21.0
留学生が多い
15.4
4.0
外国人の友人・知人が増えた
0.0
と回答した人は、どんな時に多いと感じて
最も多かったのは「通りで外国人をよく
見る」61.8%で、地域別をみると「その他
県内市町村」が若干多くなっています。
次いで多いのは「近所に外国人が住ん
でいる」30.6%で、地域差はあまり見られ
28.8
ません。
その次は「お店で働く外国人が多い」
29.8%が続いています。こちらは地域差
が見られ、都市部である「岡山市」が若干
1.6
1.4
3.8
0.0
多くなっています。
「岡山市」のポイントが高い項目は他に
7.3
9.6
3.8
4.0
外国語の看板が多い
6.5
9.6
3.8
0.0
その他
「多いと感じる」「ある程度多いと感じる」
いるのでしょうか。
5.6
6.8
7.7
外国人が経営する店や会社が増
えた
外国語の印刷物が多い
70
61.3
60.3
57.7
68.0
通りで外国人をよく見る
(同じ)職場に外国人が増えた
(%)
60
「留学生が多い」「外国人が経営する店や
会社が増えた」「外国語の看板が多い」が
あり、都市部の特徴をよく反映していま
す。
全体
岡山市
倉敷市
4.0
5.5
0.0
4.0
その他県内市町村
12.9
11.0
15.4
16.0
※表、図及びデータ編の値は、四捨五入による集計上の誤差
が生じることがあります。
-2-
Q.
『多文化共生』という言葉を見たり聞いたりしたことがありますか?
よく知っている
知っている
0%
全体
聞いたことはある
20%
40%
5.0 11.4
『多文化共生』という言葉の
全く知らない
60%
80%
37.1
100%
認知度をたずねたところ、「よく
知っている」「知っている」「聞い
たことはある」は合わせて 53.5%
46.5
と過半数を占めました。地域別
岡山市
5.7
12.8
34.5
でみると、最も割合が多いのは
47.0
「その他県内市町村」58.9%で
倉敷市
4.8 10.5
33.9
す。
50.8
一方、「よく知っている」「知っ
その他県内市町村
3.2 8.9
46.8
ている」など認知が深いのは岡
41.1
山市>倉敷市>その他県内市
町村となっています。
Q.
岡山県では多文化共生の地域づくりに向けた取り組みを促進しています。地域の外国人と
理解し合い、岡山県で共に生きていく街づくりを進めるために、あなたは、外国人に何を望みま
すか?(いくつでも)
0
10
20
30
40
50
60
80
和・
規律
67.9
65.9
69.4
71.1
生活ルールを守ってほしい
町内会・地域の役割を担ってほし
い
(%)
70
多文化国家、移民国家は世界中に多
く存在しますが、長い歴史に培われた日
本人の文化的な発想や感受性はどのよ
うに外国人を受け入れていこうと考えて
いるのでしょうか。外国人に望むことを聞
13.6
13.1
12.1
16.5
いてみました。
大きく 4 つに括ることができます。
日本文化愛
58.5
57.6
57.3
62.0
日本の文化や習慣などを理解して
ほしい
最も多かったのは「生活ルールを守っ
てほしい」67.9%です。「町内会・地域の
役割を担って欲しい」13.6%という要望も
24.3
21.7
27.4
27.3
日本語を理解できるように努めて
ほしい
ません。和を重んじ、規律正しい社会を
望んでいます。地域差もほとんど見られ
岡山愛
28.4
26.9
25.8
34.7
岡山県に愛着を持ってほしい
地域の行事やイベントなどに参加
してほしい
あり、外国人対象に限った要望ではあり
ません。
2 番目に多かったのは「日本の文化や
習慣などを理解してほしい」58.5%です。
14.8
15.2
12.1
16.5
「日本語を理解できるように努めてほし
い」24.3%といった要望もあります。日本
興味、
学習
24.1
24.5
21.0
26.4
母語や文化を紹介してほしい
文化を愛しており、これからも大切にして
いきたいという願いが見えます。ここでも
全体
特にない
7.3
7.6
8.1
5.8
地域差はほとんど見られません。
岡山市
3 番目に多かったのは「岡山県に愛着
倉敷市
その他県内市町村
を持ってほしい」28.4%で、岡山市・倉敷
市以外のエリアで若干ポイントが高くなっ
-3-
ています。ほかに「地域の行事やイベントなどに参加してほしい」14.8%などがあり、地元を好きになっ
てほしいと願っています。外国人限定の要望ではないでしょう。
4 つめには「母語や文化を紹介してほしい」24.1%で、4 人に1人は積極的な姿勢を持っています。
学習熱かもしれません。
外国人定住化にまつわる現在の国民意識や政策は、平等性・相互性という観点からみると、外国
人の文化を尊重し承認するという努力よりも、日本の社会・文化への適応を進める方向性が強いた
め、私たちは差別的・排他的な国民であるかのような前提を設けられてしまっていますが、岡山県民
が気にしているところ、大事にしているところ、基準としているところは、「人としてこうあってほしい」とい
う素朴な望みといえるでしょう。
Q. 地域の外国人と理解し合い、岡山県で共に生きていく街づくりを進めるために、あなたは何
ができると思いますか?(いくつでも)
0
10
20
30
40
50
60
接する
36.2
34.9
31.5
気軽におしゃべりをする
積極的に接する
相手を理解す
る た め に努 力
する
地域の外国人との避難訓練や清
掃などの地域活動に参加する
14.3
11.6
16.1
18.9
外国人が自分の国の文化・ことば
を紹介する講座に参加する
13.9
11.0
16.1
18.9
いろいろな言葉が話せるよう外国
語を学ぶ
13.4
11.3
13.7
18.0
支援する
6.1
5.1
6.5
8.2
3.5
3.1
3.2
4.9
た。
断トツで多いのは「あいさつな
ど声をかけ合う」68.4%で、中でも
44.3
「その他県内市町村」においては
76.2%という多さとなっています。次
いで多いのは「気軽におしゃべりを
する」36.2%で、こちらも「その他県
内市町村」が 44.3%と多くなってい
ます。
15.4
14.0
16.1
18.0
地域の外国人との話し合いを行う
特にない
76.2
25.3
24.3
21.0
32.0
生活習慣やルールを相談し合う
外国人への要望とともに、自分
たちが出来ることも聞いてみまし
26.2
27.1
23.4
27.0
地域の外国人との交流会・イベント
に参加する
外国人支援の活動(NGO/NPO
を含む)
80
68.4
65.8
66.9
あいさつなど声をかけ合う
通訳や日本語教室などのボラン
ティア活動
(%)
70
接すること、コミュニケーションをと
ることで、共に生活していけるのだと
考えています。
全体
岡山市
倉敷市
その他県内市町村
この件に関するお問い合わせ先
協同組合 岡山情報文化研究所/原内
〒700-0824 岡山市北区内山下1-3-7 県土連ビル1F
電話 086-225-8181
http://www.vis-a-vis.co.jp/data/contact/index.php
14.9
17.1
14.5
9.8
-4-