Drインタビュー「新規開業、その後」 Vol.24 [PDF/914KB/1ページ]

連載 第24回
地域に安心を与えられる
眼科クリニックを根付かせたい
2011年4月、北海道夕張郡にオープンされた、栗山さいとう眼科。
院長の齋藤 秀文先生に開業の経緯と開業されてからの感想をお伺いしました。
栗山さいとう眼科
院 長:齋藤 秀文 先生
開業年月:2011年4月
開業場所:北海道夕張郡栗山町
診療科目:眼科
医院URL:http://www.eye-saito.net/
Q1 開業のきっかけは?
開業前は栗山赤十字病院に勤務していましたが、同
病院に着任したときには厳しい医療環境の変化のなか
で経営の問題が山積していました。当初、月に600人程
度の外来患者数でしたが、眼科外来患者数を1,100人ぐ
らいに伸ばしていくなかで、栗山町での眼科かかりつ
け医のニーズを強く実感しました。さらに厳しくなる
医療環境の変化で地域の患者さんを守るためには、基
幹病院に寄りかかるのではなく栗山町にかかりつけ医
が必要だという想いと、自身の年齢・体力のことも考
え開業を決意しました。
Q2 医師になって本当にやりたいと思っていたことは?
実はパイロットになりたかった(笑)。小さいころ
からパイロットを目指していましたが目があまり良く
ないので断念しました。高校生の時に診断のために眼
科の受診をした際、午前に受付をしても診療が午後に
なるくらい混んでいました。その時にパイロットにな
ることを断念すると同時に、眼科で困っている患者さ
んの多さを知りました。いい意味で目標が変わった運
命的な1日になりました。その衝撃的な経験もあり、
地域で安心できる眼科医療を提供することが私の医師
を志す出発点になりました。今回の開業でも他の医療
モールへのお誘いもありましたが、愛着のある栗山町
という場所で開業し、
「安心できるかかりつけ医」にな
りたいという想いからこの土地を選びました。
Q3 開業準備で特に苦労されたことは何ですか?
病院から独立するとともに眼科が閉鎖になるため、
患者さんへの紹介状を書くのが一番大変な作業でした。
3月に病院を辞めて4月開業と、地域の眼科診療に隙間
を生じさせることができなかったため、勤務を継続させ
るだけでなく紹介状を作成する作業は深夜まで及ぶこ
ともありました。また、時期的なものもありましたが銀
行融資がかなり困難な交渉になりました。主要銀行から
の融資がなかなかうまくいかず、日本光電に粘り強く交
渉してもらいながら開業まで進むことができました。
Q4 日本光電のコンサルタントの価値は?
私のように開業直前ま
で勤務するという、非常
にタイトなスケジュール
で開業をするドクターは
少なくないと思います。土
地探しからはじまり事業
待合室
計画の作成、銀行融資の
とりつけから建築設計の打合せに医療機器選定にスタッ
フ採用など、開業までにしなければいけない準備を勤務
と並行してすすめる必要があります。開業までの全体的
なスケジュールを共有しながらすべての工程で日本光電
が事前交渉を担い、私自身は決断するだけの状況まで準
備してくれるサポート力が、非常に心強かったです。
Q5 実際に開業をされた感想をお願いします。
医療報酬を削減していく今の環境において、開業し
たことが自分の人生にとっていいことかはまだわかり
ません。しかし、地域に安心を与えられる眼科クリニッ
クを根付かせるのは、私の使命だと考えていますし、
今年度当院が法人化した理由もこの地域に眼科を残す
というひとつの手段です。高齢で札幌に通えない患者
さんが、地方にいるから最新の
医療が受けられないということ
がないように、硝子体注射や白
内障の両眼手術など札幌圏でも
多くない治療を提供できるよう
私自身も研鑽しています。これ
からも地域に優しく安心を与え
られるかかりつけ医を目指して
いきたいと思います。
齋藤院長
ありが とうございました
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