2008年サミット開催地 北海道洞爺湖町等視察報告 平成27年8月 伊勢志摩サミット市民会議 ∼光輝く志摩づくり会議∼ 視察の概要 視察の目的 今回、志摩市賢島が2016年の伊勢志摩サミットの会 場として選ばれたことを受け、直近の2008年サミット 開催地となった北海道洞爺湖町及び現地関係者を 対象に、伊勢志摩サミット市民会議の役員等からな る視察団により、当時の受け入れ体制の状況やその 課題等の情報収集を目的とした視察を行った。 視察メンバー ○大口秀和 志摩市長 ○山﨑勝也 志摩市自治会連合会長 ○坂下啓登 志摩市商工会長 ○西尾 新 志摩市観光協会長 ○井上裕允 志摩市議会議長 ○志摩市サミット推進室 職員3名 (市民会議 (市民会議 (市民会議 (市民会議 (市民会議 (市民会議 会長) 副会長) 副会長) 副会長) 顧問) 事務局) 視察の概要 視察の日程 日付 一 日 目 7月7日(火) 時間 6:45 10:30 12:15 13:00 15:30 17:10 9:00 二 日 目 三 日 目 7月8日(水) 12:30 14:00 15:30 15:45 17:45 8:30 10:30 7月9日(木) 12:20 14:05 18:30 行程 志摩市役所出発 中部国際空港出発(ANA703便) 新千歳空港到着 昼食・移動 北海道洞爺湖サミット記念館の見学及び洞爺湖町職員からの説明 洞爺湖町内宿泊施設経営者からの聞き取り 洞爺湖町役場にて、北海道洞爺湖サミットの概要説明及び町長、関係 団体の長との意見交換 昼食・移動 サミットの主会場となったホテルの見学及び担当部長からの聞き取り 首脳専用ヘリポート跡地見学 洞爺湖ビジターセンターの見学及び洞爺湖町職員からの説明 登別市内宿泊施設の担当部長からの聞き取り ホテル出発・移動 新千歳空港にて、北海道洞爺湖サミット運営に関わった旅行会社の担 当部長から聞き取り 新千歳空港出発(ANA706便) 中部国際空港到着 志摩市役所到着 関係者からの聞き取り内容 ※あくまで、2008年の北海道洞爺 湖サミットの際における話であり、 来年の伊勢志摩サミットにおいて 必ずしも同様の対応(国・県の動 き)となるわけではないことにご留 意ください。 宿泊関係 ○宿泊は、道民会議(北海道庁)が設置した宿泊予約センター (大手旅行会社等のコンソーシアム)で予約の管理がされて いた。関係者の予約は、ここを必ず通すように要請されてい た。 ○宿泊者の割り振りについては、宿泊予約センターからの指示 がある。実際の宿泊条件については、ホテルが相手方と交 渉を行った。 ○小さな民宿には、省庁からの業務を請け負った民間企業等 が宿泊した。 ○関係者のホテルの予約は、当日に向けて段階的に増えていく。隙間にできた空室を一般 客に提供することは可能であったが、一般客はサミットによる規制を懸念して、(来訪を) 控える傾向にあった。 ○宿泊控え対応のため、札幌へキャンペーン活動へ出向いたり、エージェントに宿泊予約が 可能な旨連絡して対応をお願いするなどした。 ○当初、1泊2食で提供することを考えていたが、宿泊者の希望で、1泊朝食付きとなった。 宿泊者は夕食を地元の飲食店でとっていた。 ○ホテル周辺のレストラン等のマップを用意した。 ○英語のヘルプデスクを設置した。(※アメリカ関係者を受け入れたホテル) 警備関係 ○開催2か月前くらいから、警備関係者が段階的に現地入り を始めた。警備が入り始めるとまちの雰囲気も少しずつ 変わりだした。 ○住民の安全安心のため、テロ行為への対策、不審火等の 対策、通行車両の確認等が関係機関によって行われた。 ○サミット開催中の3日間の詳細な日程は、安全対策上、終 了後まで公開されなかった。 ○会場周辺にはチェックポイントが設けられた。チェックポイ ントより先のセキュリティは厳重であった。 ○道路の規制について、開催期間中の3日間は、首脳が移動するときなどに時間を限って 規制が入った。(安全対策上)前もって、規制の情報が流されることはなかった。 ○道路の規制に関し、主要道路に地元警察官が配備されておらず、(他府県の応援部隊で あったため)道路案内が十分できていない状況があった。 ○海上警備について、開催直近の時期については規制の要請がなされた。警備機関と漁業 関係者の交渉の中で具体的なルールが決められた。 ○洞爺湖で毎夜行われている花火は、警備に支障があるため、開催期間中は自粛した。 環境整備関係 ○節目(1年前、200日前、100日前、50日前)ごとにイベントを開 催した。 ○町内全ての自治会で環境美化や花植え活動に取り組んだ。 ○駅∼温泉街∼メイン会場まで、通りを花で飾った。 ○一斉清掃活動については、地域と関わりのある事業者にもボラ ンティアで参加してもらった。 ○洞爺湖温泉街の空き店舗にインフォメーションセンターを設置し、 学生による外国語ボランティアを配置した。 ○ガイアナイト(キャンドルナイト)をはじめ各種イベントを住民ボラ ンティアの協力も受け、実施した。 ○カウントダウンボードを(道民会議が)環境省のビジターセンター に設置した。 ○役場及び温泉街の一部に各国の旗を掲揚した。また、各商店、 施設においては卓上旗による歓迎を行った。 ○PR用の名刺台紙、シール、ポスター及びフラッグの作成等を 行った。 ○洞爺湖町は、温泉街を含め洞爺湖の周辺が自然公園法の特別 地域に指定されており、国立公園内の規制、特に看板等の設 置の許可に関し、大変困難があった。 その他 ○開催が近づいてくると、時期・場所・業種によっては、開店 休業状態になることもありうるので、そういった際の宣伝 が重要。 ○警備関係者には、地元で消費(飲食・買い物)してもらえる よう要請した。また、開催終了後にプライベートで訪れて もらえるよう(リピーターとなってもらえるよう)お願いもし た。 ○飲食のうち、「食」はよかったが、(警備関係者に関しては 緊急対応もあるためか)「飲」は少し控え目な状況であっ た。 ○警備関係者については、(仕事終了後は空腹なので)満 腹になるような食事の要望があった。 ○関係者の勤務中の弁当は、大量の食数や配送、食中毒を絶対に出さないように対応しな ければならないなど、業者選定の条件が厳しい。洞爺湖サミットでは大手コンビニ企業 等が受注した。 ○大多数のプレスは、(会場の隣町の)メディアセンターにいる。メディアセンターは、情報館、 チケット手配、食事、みやげ・酒等なんでも揃っている。世界への情報発信についてはメ ディアセンターへの関わりが大事。 ○外国人は必ずお土産を買っていく。日本的なお土産(木刀、提灯等)が人気であった。 視察を踏まえて 大まかに整理すると、必要なのは ○警備や環境整備等への地域の理解・協力 ○サミット開催前の観光客の宿泊控えへの対応 ○(警備含め)数万人の訪問という商機を捉えるための戦略 ○サミットによる効果を持続させる努力 市民会議の「部会」において、 今後の具体的な取組を検討していく。 2016年のサミットを地域活性化のチャンスと捉え、 行政・市民・関係者が知恵を絞り、一丸となって、 「光輝く志摩づくり」に向けて取り組んでいきましょう! <御参考> 北海道洞爺湖サミットの情報は、 以下のHPでも確認できます。 ○北海道洞爺湖サミット(首相官邸) http://www.kantei.go.jp/jp/summit/ ○北海道洞爺湖サミット(外務省) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/toyako08/index.html ○北海道洞爺湖サミット記録誌(北海道庁) http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tsk/hss/kiroskushi.htm
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