13 居住用財産 住宅の売買に関する税務で重要なのが、居住用財産の考 え方です。税務上、各種の優遇措置が受けられるからです。 〇 単身赴任の場合 住宅を買った本人が、勤め先の会社などの事情により単 優遇措置の受けられる「居住用財産」とは、客観的にある 身赴任を余儀なくされることがあります。この場合、マイ 敷地のことを指します。だたし、仮住まいなどといった一 ームを売却したとき税務上、居住用の特例が適用できない 程度継続して生活するために利用している住宅家屋とその 時的に入居した住宅や保養目的の別荘は「居住用財産」と はなりません。 税務上、居住用の特例が適用できる居住用不動産の要件 は次の通りです。 ①個人が、主として居住の用に供している国内にある 家屋とその敷地で、居住用の特例ごとに定める所有 期間の要件を満たすもの ②個人の①の財産で居住の用に供されなくなった日 から同日以後3年を経過する日の属する年の 12 月 ホームの本人が住んでいないことになるため、このマイホ のではないかという疑問が生じます。しかし配偶者が引き 続き、その住宅に住んでおり、単身赴任や転地療法などの 事情が解消したら、本人が戻ってくることがはっきりして いる場合には、配偶者の住んでいる住宅には、税務上居住 用の特例の適用が可能です。 〇 一定の親族へ売却した場合 居住用と認められる不動産であっても親子、夫婦、生計 を一にする親族に売ると特例の適用はありません。ただし 親族といっても兄弟なら適用できる場合があります。 31 日までの間に譲渡されるもの ③個人の①の家屋を取り壊した場合、取り壊した年の 1 月 1 日現在で特例ごとに定める保有期間の要件を 満たし、取り壊しから 1 年以内に譲渡の契約をし、 かつ居住の用に供されなくなった日から同日以後3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日までの間 に譲渡されるもの ④個人の居住用の家屋が災害により滅失した場合にお いて、当該個人が当該家屋を引き続き所有していた としたならば、その年 1 月1日において、居住用 の特例ごとに定める所有期間の要件を満たす当該家 屋の敷地の用に供されていた土地等で、当該災害が あつた日から同日以後 3 年を経過する日の属する 年の 12 月 31 日までの間に譲渡されるもの 各種特例ごとで要件となっている居住用財産の保有期間 は、次の通りです。 軽減税率・買換え特例 居 住 用財産の買換えの場合の譲 渡損失の損 益通算・繰越控除の特例、特定居住用財産の 損益通算・繰越控除の特例 3,000 万円控除 10 年超 5 年超 ― 43
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