資料1 追加性の評価の省略に関する審議について 1.ポジティブリスト ・「方法論策定規程」において、追加性(経済的障壁及び一般慣行障壁)の評価を省略す ることができる方法論がポジティブリスト化されており、現在、6つの方法論が対象 となっている。 EN-R-002 太陽光発電設備の導入(家庭部門に限る) EN-S-007 コジェネレーションの導入(家庭部門に限る) EN-S-012 電気自動車の導入 IN-002 麻酔用 N2O ガス回収・分解システムの導入 AG-001 豚・ブロイラーへの低タンパク配合飼料の給餌 FO-002 植林活動 ・ポジティブリストについては、原則として、1年ごとに確認し、必要に応じて見直す こととされており、制度開始から1年が経過したことからその確認を行うもの。 ・なお、「方法論策定規程(排出削減プロジェクト用)」及び「方法論策定規程(森林管 理プロジェクト用)」において、追加性を有する蓋然性が高いか否かは「原則として、 方法論の対象となるプロジェクトが追加性を有する信頼度が 95%以上かどうかで判断 する。」と規定されている。 ●方法論策定規程 (2)追加性の評価の省略(ポジティブリスト) 追加性(経済的障壁及び一般慣行障壁)を有する蓋然性の高い方法論については、個別 のプロジェクトにおける追加性の証明を省略(ポジティブリスト化)することができる。 蓋然性が高いか否かは、原則として、方法論の対象となるプロジェクトが追加性を有する 信頼度が 95%以上かどうかで判断する。当該条件を満たすよう、方法論に定める技術を家庭 部門で導入する場合等の条件を付すこともできる。 追加性の有無は外部環境の状況により変化すると考えられるため、原則として、1 年ご とに確認し、必要に応じて見直すこととする。 1 2.追加性の有無 各方法論について、追加性を有する蓋然性を確認したところ、現行のポジティブリスト の見直しは必要ないことが明らかとなった。 <EN-R-002 太陽光発電設備の導入、EN-S-007 コジェネレーションの導入> ・ プログラム型プロジェクトにおける投資回収年数の実績を踏まえると、家庭部門におい てこれらの方法論を適用したプロジェクトは、追加性を有する蓋然性が高いと判断され る(詳細は別紙1を参照)。 ・ なお、別紙1の投資回収年数は、補助金交付額を控除して計算しているため、補助金の 受給の有無にかかわらず、追加性を有する蓋然性が高いと判断される。 <EN-R-012 電気自動車の導入> ・ プログラム型プロジェクトにおける投資回収年数の実績を踏まえると、本方法論を適用 したプロジェクトは、追加性を有する蓋然性が高いと判断される(詳細は別紙1を参照)。 ・ なお、別紙1の投資回収年数は、補助金交付額を控除して計算しているため、補助金の 受給の有無にかかわらず、追加性を有する蓋然性が高いと判断される。 <IN-002 麻酔用 N2O ガス回収・分解システムの導入> ・ 本方法論を適用するプロジェクトは、プロジェクト実施に際してイニシャルコストが必 要である上、プロジェクト実施前後でランニングコストが増加することが確実であり、 追加性を有する蓋然性が高いと判断される。 <AG-001 豚・ブロイラーへの低タンパク配合飼料の給餌> ・ 飼料を購入する際、畜産農家は「粗タンパク含有率(CP 値)」を重要な判断指標とみな しており、この値が高い程栄養価が高く付加価値の高い製品と見なす傾向がある。低タ ンパク配合飼料の場合、CP 値が慣用飼料に比べて低くなるため畜産農家が低品質品と 懸念し、購入を控える傾向が高いという障壁(一般慣行障壁)が引き続き存在している。 このため、本方法論を適用するプロジェクトは、依然として追加性を有する蓋然性が高 いと判断される。 <FO-002 植林活動> ・ 本方法論を適用するプロジェクトは、プロジェクト実施に際してイニシャルコストが必 要である上、プロジェクト実施前後でランニングコストが増加することが確実であり、 追加性を有する蓋然性が高いと判断される。 2 資料1 方法論別の投資回収年数分布 ・ J-クレジット制度のプログラム型プロジェクトの多数を占めている「J-グリーン・ リンケージ倶楽部」のデータを基に投資回収年の推計を実施。 ◆太陽光発電設備の導入 (EN-R-002 太陽光発電設備の導入) 全体の 95%以上の事業が投資回収年数 6 年以上。 なお、投資回収年数 3 年未満の事業もあるが、全体の割合でみると 1%程度。 信頼区間(95%)は、5.3 年~12.3 年。 1 別紙 ◆コジェネレーションの導入 (EN-S-007 コジェネレーションの導入) 全体の 95%以上の事業が投資回収年数 13 年以上。 投資回収年数 3 年未満の事業はなし。 ◆電気自動車の導入 (EN-R-012 電気自動車の導入) 全体の 95%以上の事業が投資回収年数 8 年以上。 なお、投資回収年数 3 年未満の事業もあるが、全体の割合でみると 1%程度。 2
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