カミングアバウト (Coming About) Wind

防衛大ヨット部マニュアル
作製:D.S.T.
Update:2008年12月
カミングアバウト (Coming About)
アップウインドでのタッキングを「カミング・アバウト」と称する。日本ではこれを「タッキング」と表現しがちであるが、カミングアバ
ウトが世界標準である。
カミングアバウト (Coming About)の手順
Wind
安全確保のために、正しいコマンドを使ってタッキングを行うこと。
ヘルムスマン
Ready to come about
クルーの「レディ」の返答があるま
でクロースホールドを維持する。
クルー
•メインセールトラベラーが動かない
ようにロックされていることを確認。
•ワーキングジブシートはテンション
を緩めないように注意しながらウイ
ンチからシートの巻きを外す。
•レージージブシートはシートをウイ
ンチに一巻きし、緩みをとってシー
トを引く大勢を作っておく。
ホイールの場合:Coming About
ティラーの場合:Helms a lee
Ready
ラダーを操作してヘッドアップ、ノー
セールゾーンに向けて進路を変更。
ジブシートの操作時機が来るまで
待機
イン・アイアンに陥るのを回避する
ために、進路変更はするための十
分なスピードを保つ。
フォアセールにバックウインドが
入ったらワーキングシートをリリー
ス。
荒天時、あるいは超微風時には、
フォアセールに十分にバックウイン
ドを入れ、風圧によりバウが押され
て針路変更が確実になされるまで
ワーキングシートをホールド。
次の針路の直前の適切な位置で
舵を戻し、船を新しい針路へ安定さ
せる。
レージーシートを引き、セールトリ
ムを行う。この時点でこのシートが
新しいワーキングシートになり、そ
れまでのワーキングシートがレー
ジーシートとなる。
No Sail Zone
No Sail Zone
No Sail Zone
ビーティング (Beating)
目標物(目的地)が風上のノーセールゾーンの中にあるとき、できるだけ早く到着するために
クロースホールドを維持し、カムアバウトを繰り返しながら航行することをビーティングと称する。
防衛大ヨット部マニュアル
作製:D.S.T.
Update:2008年12月
カミングアバウト (Coming About)
4名配置のカミングアバウト操作標準手順
①:ヘルムスマン
新針路の目標物にバウ
Wind
①:ヘルムスマン
を合わせるように、ティ
バウが風軸にたつ瞬間
ラーを戻す。
に反対側にすばやく移動。
ティラーを動かさないで
②:メインシート
移動することがコツ。
1
②:メインシート
2
ヒールバランスを考慮し
4
て位置を移動
3
ヘルムスマンより早く反
③:Stbd side クルー
対側へ移動する。
ヒールバランスを考慮し
て位置を移動
③:Stbd side クルー
セールが反対側へ移動し
④:Port side クルー
たら一気にジブシートを
ヒールバランスを考慮し
引き込む。
て位置を移動
④:Port side クルー
4
2
1
①:ヘルムスマン
“Ready for come about”
3
を下令し、 回頭後の目標
を確認
②:メインシート
準備事項は特になし
“Ready”
③:Stbd side クルー
ジブシートをウインチにひ
①:ヘルムスマン
クルー全員のReadyを確
認して“Come about”を令
3
4
2
と巻きして、たるみをとる
ように引き込み“Ready”
1
し、ティラーを少し押す
④:Port side クルー
②:メインシート
ジブシートのクリートをは
ずし“Ready”
強風時はトラベラー移動
③:Stbd side クルー
クリートをはずすときは、
ウインチからシートが滑
らないように行う。
④:Port side クルー
ジブセールに裏風が入っ
たら、ウインチから上に
引き抜くようにジブシート
を一気にリリースする。
3
4
2
1
回
頭
後
の
目
標
を
確
認
反対側に移動する準備